県外移動が制限されているため、県境をなぞるように歩こうかと考えたものの、素直に以前から行きたかった甲武信ヶ岳に登ることにした。ただし、単に甲武信ヶ岳へ登ってもつまらないため、奥秩父主脈縦走路を使って奥多摩駅まで縦走することにした。 本来なら奥多摩駅からゆっくり高度を上げて、西に進む方が内容的に良いけれど、それだと甲武信に登ったことにならないため、西沢渓谷スタートとした。 計画後、友人が奥多摩駅から瑞垣山まで縦走すると聞き、驚愕するとともに、自分の計画力の無さを悔いた(山行中、それ狙いの登山者が6組ほどいらっしゃったのが印象的。みんなすげーな!) ■行程 <計画> 1日目 西沢渓谷→甲武信ヶ岳→破風避難小屋 2日目 破風避難小屋→将監小屋(テント泊) 3日目 将監小屋→雲取山荘(テント泊) 4日目 雲取山荘→奥多摩駅 ↓ <実際の行程> 1日目 西沢渓谷→甲武信ヶ岳→甲武信小屋(テント泊)>6時間半 2日目 甲武信小屋(テント泊)→将監小屋(テント泊)>10時間半 3日目 将監小屋→鷹ノ巣避難小屋 >11時間 4日目 鷹ノ巣避難小屋→奥多摩駅 >4時間半 ■行程のコメント 1日目 疲れたため、甲武信小屋でテント泊 2日目 笠取小屋泊も考えたけども、3日目を考慮して、将監小屋まで頑張った。 3日目 雲取山荘だと歩き足りなかったため、鷹ノ巣避難小屋まで(思ったより時間がかかった) 4日目 予定通り →天候や疲労感を考慮して柔軟に対応できたかな。 ■アクセス JR中央本線 塩山駅へ 08:30発 塩山駅1番乗り場 西沢渓谷行き 09:30着 西沢渓谷入口(IC利用可) →電車とバスで西沢渓谷から登るには、とにかく、8:30の塩山駅発のバスに乗車するのが重要。 ■山小屋メモ ・破風避難小屋 水場未確認 トイレなし 薪ストーブあり 電波あり 電波なし ・甲武信小屋 テント予約必要 水は有料 トイレはペーパー要持参 電波あり ・将監小屋 テント予約不要 水豊富(無料) トイレあり(衛生度高)小屋周辺のみ3Gと4G微弱 ・鷹ノ巣避難小屋 収容人数8名ほど 水場なし トイレあり(ペーパーなし)電波なし □自分用メモ ・YAMAPのコースタイム表示が誤っている(誤認を誘発する表示)箇所があり、そういったケースも想定する必要があることを認識(今回は別の地図も持参していた) ・テン泊装備だと、概ね標準コースタイム通りの歩行速度。所要行動時間の計算精度が良かった。
塩山駅の1番乗り場から乗車します。 少し、遅れ気味で心配になり、危うく、同時刻に来た類似するバスに乗るところでした。
西沢渓谷から甲武信への道は、奥秩父らしい、樹林帯。 噂通り、徳ちゃん新道は急登で、真夏はヘばること間違いなし。
急登を終えると、気持ちの良い原生林(なんの木か忘れた)
積雪と凍結がある。 軽アイゼンを忘れてはいけない。
見えてきた。なぜだかあまり感動はない。たぶん想像以上に疲れたから。徳ちゃん新道というチャーミングな名前に反し、きつかった。
甲武信ヶ岳山頂 遠くまでよく見えた。 瑞垣、金峰方面へ続く稜線は、最初は優しいけど、あとからすぐ厳しくなるスイミングスクールみたいな、簡単に手を出せない雰囲気をもっている。
甲武信小屋のテン場は20張くらい。〇〇宣言中の割には繁盛していた。 水は下からポンプアップしていた。
いつも通り、テントの中で水をこぼします。 こぼすのも慣れてきたせいか、全く、うろたえることなく、自分の瑕疵を受け入れます。
テントの全室から、ズボラタイムラプス撮影をします。
玄人好みの山なのか、静かな夜を過ごせた。他のテン泊者は凝った料理を作る熟達者ばかりで、自分のカップラーメン生活が切なく感じる。
朝。雁坂方面へと向かいます。 明け方はポンプの節電のため、給水できず、少ない水で2日目の行動を開始した。
林の間からみえる朝日が綺麗です。
破風避難小屋。 初日にここまでは来れなかったなと実感。小屋の周りには潤沢に割られた薪があり、宿泊欲をそそられる。 わざわざストーブがあるのは天候が悪ければ、相当冷えるからだろうか。
クロゴケかな。
破風山は埼玉と山梨の県境にあり、両者が競うように、標識を立てるもんだから、人工物が乱立している。 人工物が多いのは好みではないが、これはこれで面白みがあってよい。
足元の絶景の予感。
真面目に撮影すると、こんな感じ。
その2
ずんずん東に進んでいきます。
苔の群生が美しいです。
苔のエイリアンです。
たまには苔以外も撮影してみます。
湾曲した大木と苔。 今思えば、これが一番興奮したかも。
倒木更新。 奥多摩、奥秩父には、この美しい景色がそこら中に放り投げられている。
何かわかりません。
なにかわかりません。 林区か、水源管理上の境界杭でしょうか。 山って書いてますよ!
つばくらやま
笠取山
将監小屋はここは縦走経路のターミナル的存在。見渡す限り玄人ばかり。 旧ロゴのスポルディパの靴や、厳冬期の靴で来てる人がほとんど。 縦走途中といった感じで、疲れ切ってて、話そうとしない。 将監小屋の近くでスマホをいじっていたら、小屋の人ですか?と声をかけられました。 私も、野生の色気が出てきたのかもしれません。
ひとしきりの曇り空を眺めて、早めに寝袋に入りました。 17時20分 雨が降りだし。次第に雷が鳴りだす。 ピカゴロゴロよいうよりビカビカゴロゴロゴロゴロゴロゴロである。ゴロゴロが30秒くらい続く。 ひっきりなしに雷が鳴っている。年末の宝くじ売り場の行列の如く、雲の中で稲妻が次は自分の番だと言って我慢ならない様子だ。
将監小屋から縦走路です。 笹林から思っていたら、急に苔の道に変わったりと、変化に富んだ道でした。
鷹ノ巣避難小屋。 本当は雲取山荘に泊まる予定だったけど、おしゃれな登山客が山頂を賑わしていた様子から、混雑をさけ、頑張って(無理して)ここまで来てしまった。 雲取山からの距離感を若干見誤ったため、到着が遅くなった。 将監からは7つ石小屋がちょうどいいかな。
六つ石山頂上からの景色。 複雑に絡み合った山脈がぼくの目を奪う。
石尾根から奥多摩駅へ。