山口の山
小五郎山
標高 1161 m
小五郎山(こごろうさん)は、山口県岩国市錦町宇佐郷にある標高1,161.7mの山である。中国山地西部の冠山山地に属しているこの山は西中国山地の雄として、その名を知られ、中国百名山にも指定されている。 かつては宇佐ヶ岳と呼ばれていたこの山は、小五郎と駿馬にまつわる伝説にちなんで、現在は小五郎山と呼ばれるようになっている。そんな小五郎山は南北に一直線に伸びる稜線を擁し、東西方向にはそれぞれ急峻な山腹と深い谷を以って山深い錦の地に座している。この急峻な山腹と深い谷のうち、山の西側の谷を流れている深谷川は、その昔は山の南麓を流れる川に合流し、吉賀町を経て、高津川となり益田市にて日本海に注ぎ込んでいたのであるが、宇佐川上流が大きく浸食を受けた結果、現在では錦川となって、岩国市内で広島湾に注ぎこんでいる。また、この山は稜線部がクマザサに覆われた山としてもよく知られており、積雪期以外はササの下に付いた細々とした踏み跡を頼りにしつつ、背丈ほどのササを漕いで登らねばならない。しかしながら、雪深くなる積雪期には、クマザサも雪に埋もれるため歩き易くなり、雪山の経験のある者であれば、ハイキング感覚で手軽に登山を楽しむこともできるという。そのようにして、クマザサをかき分けながら登り切った山頂からは鬼ヶ城山、羅漢山、香仙原、安蔵寺山など、山口、島根両県の山々をまるで手中に収めたかのように一望することができる。
東鳳翩山
標高 734 m
東鳳翩山(ひがしほうべんざん)は、山口県山口市と山口県萩市に跨る標高734.2mの山で、中国山地の一部、長門(ながと)山地を代表する山。新日本百名山の一座。 山口市吉敷、萩市佐々並、美祢市美東町綾木の市境に位置する西鳳翩山(標高741.9m)と対を成す山で、東鳳翩山はその秀麗な形から県都山口市のシンボルの一つになっている。旧小郡町から望むと1000m峰のような雄大さを見せ、同郷の出身である岸信介が「吉敷富士」と呼んだという。頂上は数十年前[いつ?]に起こった山火事で木々がなくなったため、山口市やその周辺の山々を360度一望することができる。 登山口は山口市側に2箇所、一の坂ダム上流の公園近くの二ツ堂からのルートと、山口市・萩市境の21世紀の森(県道山口旭線・旧萩往還沿い)からのルートがあり、特に二ツ堂からのルートは80分程度で比較的手軽に登頂できるため、家族向け・初心者向けの登山スポットとして人気がある。西鳳翩山との間は尾根沿いに約8kmの縦走ルートが整備されている。 なお、山口市仁保には東方便山(標高:359.8m)という似た名前の山がある。