初夏に吹き荒れる北風
男山・天狗山
(長野)
2026年05月09日(土)
日帰り
今年の大型連休は、気がついたら終わってしまった。
何処もかしこも連日夏日が記録されるようになり、そろそろ夏が目の前に迫ってきた。
しかし、それが適用されるのはせいぜい低山だけ。
高いお山で夏の気分で行ったら、悉く凍てつく雪と風に阻まれてまたもに山行なんて出来ない。
まだ高いお山は冬同然の装いなのは、言うまでも無い。
そんな中、ネルギガンテより何処か遊びに行きたいと強請ってきた。
今週末は、かつて攻略したとあるお山にて展望に恵まれなかった為、その復讐を考えている。
最初は土曜日の計画だったが、西高東低の気圧配置......明らかに雲に包まれ下手をすれば初夏に猛吹雪を浴びることも考えられる。
そこで今回はその計画を日曜日にずらし、前乗りがてらとあるお山に挑むことにした。
それは、「信濃天狗山」。
奥秩父の西部域にあるお山で、国道141号線を隔てて八ヶ岳に対峙するように聳え立つ鋭利な岩峰。
以前甲武信ヶ岳攻略の帰り道、ふと千曲川の川辺を車で走らせていると、突如として北側に鋭角的に聳り立つ巨大な岩峰が見えてきた。
これこそが信濃天狗山であり、隣の男山とあわせて縦走ができるとして隠れた穴場となっている。
そんな信濃天狗山へ、ネルギガンテ、ムフェト・ジーヴァと共に挑むこととなった。
降り着いたのは、立原高原駐車場。
早速登り始める......。
取り敢えずキャンプ場より林道を少しだけ歩いていき、天狗山登山口に向かう。
いくつかのカーブを経て林道を歩いていくと、程なくして天狗山登山口が見えてきた。
此処からしっかりとした登山道となり、少しだけ急になる。
やや葛籠折れになった樹林帯の坂をしばらく登っていくと、今度は浮石だらけのゴーロ地帯に出た。
苔むしていてあまり動かなそうに見えるが、大抵変な音を立てて動く。
適当に足を置くと転がりかねないので、足取りがより慎重になる。
ゴーロ地帯をしばらく歩いていると、鉄板の桟橋が出てきた。
桟橋をいくつか渡っていき、緩やかな坂を登り切るといよいよ稜線上に出た。
分岐点よりまずは天狗山を先に攻略する。
少しだけ明るくなった樹林帯の中、少しだけ下りると天狗山本体が近づいてきた。
登るにつれてどんどん岩がちになり、痩せ尾根にロープ場が連続した。
岩がそこそこ脆く、あまり身体を預けられない。
崖の淵からは南アルプスなどを望み、風が強く寒いが展望がきく。
さらに進むと、細い岩稜の急登が出て来た。
そこまで難しいわけでは無いが、やはり風が強くより高さを煽られる。
そんな岩稜の急登を登り切ると、ついに天狗山の山頂にたどり着いた。
山頂からは、圧巻の絶景が広がっていた……。
北には御座山、南には長大な南アルプス、東には奥秩父の山塊、そして西には雲に包まれた八ヶ岳がそそり立っていた。
少しだけ休んだのち、来た道を戻ってあの分岐点まで下りる。
急なロープ場が連続してなかなか危ないが、此処は慎重に下りて行く。
道がそこそこ細く、眼下に野辺山高原などが丸見えの為かなり足が竦む。
岩稜の激下りをなんとか下り切ると、僅かに登り返したのち分岐点まで戻って来た。
本日はこのまま終わることはできない。
今度は反対側の男山を目指す。
まず行かなければならないのは、垣越山。
樹林帯の緩やかな坂をだらだら登って行くと、程なくして着いた。
しかし、その先は長い岩稜帯が出て来た。
こちらもさっきの天狗山宜しく垂直のロープ場がところどころ出てきて、一切油断ができない。
この日は西高東低の気圧配置だが、昼間から冬型の気圧配置が緩む為少しずつ高いお山に漂っていた雲が取れるようになってきた。
男山の手前まで行くと、岩場から富士山が見えるようになってきた。
長い岩稜帯を越えると、少しだけ下りて最後の急登が出てきた。
長いロープ場で、此処も岩が脆くあまり体重をかけたくない。
そんな長いロープ場を登り切ると、男山に着いた。
このとき、さっきまで雲に隠れてまともに見えなかった八ヶ岳が姿を現し、圧巻の一言だった。
男山を後にして、立原高原駐車場へ下りていく。
分岐点までの岩稜帯は、下りでも容赦無く牙を剥く。
適度ながら小刻みな登り返しもあって、地味に体力を奪われる。
ロープ場の末端からは、崖越しからさっきまでいた天狗山が見えたが、これまた峻険な見た目をしていて素晴らしい。
岩稜帯をなんとか越えると、垣越山まで戻ってきた。
此処から緩やかな樹林帯の下りを経て、分岐点へ下りて行く。
分岐点からは、いよいよ駐車場へ向かってあの浮石地獄を味わう。
鉄板の桟橋を渡っていき、歩きづらいゴーロ地帯に突入する。
苔むしていることもあって適当に足を置くと滑る為、ろくに駆け下りられない。
ゴーロ地帯を抜けると、よくみる長野県の低山ならではのあの樹林帯の坂を下りて行く。
やや葛籠折れに下りて行くと、あの林道が見えてきた。
あとはそのままキャンプ場を抜けて、駐車場へ下りていくのみである。
そしてだらだら歩き続け、登り始めてから3時間半を超えた頃ようやく立原高原駐車場まで下りてくることができた。
本日はあくまで明日のための調整期間……。
本番は明日である。
明日の山行のため、そこに近い八ヶ岳のお膝元にて温泉とお食事を済ませる。
初夏の天狗山にて、中信の大絶景を楽しんだネルギガンテとムフェト・ジーヴァであった。