マイテントを張ると、こんなに嬉しいものなのね
石垣島 南部
(沖縄)
2023.08.13(日)
日帰り
3月以降、山登りグッズの新規導入を立て続けに迫られており......
なるべくセールを狙ってポチったのに、5カ月で約11万円。欧米1往復を飛んだかのような、ずっしりとした負担感。
地球放浪家とハイカーの二刀流は、お財布的にしんどいと痛感するのであった。
🥲請求書───
・ザック1万6500円
・ピッケル9240円
・マット3630円
・シュラフ3万1598円
・ツェルト1万925円+ペグ1099円+張り綱セット1178円+グランドシート849円
・ポケットラジオ1891円
・サーモス4840円+ポーチ1980円
・シューズ1万5510円
・浄水ボトル6521円
・ボトルホルダー2138円
・スマホ防水ケース999円
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2019年までの地球放浪では、山歩きもジーパン姿。登山アプリなんか知らなかった。
covid-19騒ぎで国内登山旅に転じた20年春にYAMAPを知り、さすがにミドルカットやポールを装備し始めた。
それでも、シューズはキャラバンの初心者モデルCシリーズ、ザックは通勤兼用タイプ(PC収納つき♡)で、槍ヶ岳も雪山も(厳冬期除く)登ってきた。
ヘタレ装備の理由は一応あって、
1️⃣地球放浪(本業)を22年5月に再開できたから、そっちにお金を回したい
2️⃣石垣島に住んでいると、高価な装備をそろえても、あんまり使う機会がない
3️⃣お泊まり登山は好きではない(風呂に入れないから)
4⃣ケチなんです
遅ればせながら、他人様並みの装備を目指したきっかけは、
1️⃣gotoカナディアン・ロッキー(残雪期のリスクにビビる)
2️⃣goto北海道(幌尻岳ビバーク対策。知床連山縦走の水不足も猛省)
3️⃣goto山形&新潟(9月予定。小屋泊を快適にしてみたい)
要は、国の内外を問わず山登りのレベルが少しずつ上がり、ヘタレ装備では持たなくなってきたという当たり前すぎる展開である。
ザックは、5月のカナダから初めて登山専用(グレゴリー、35ℓ)にグレードアップした。
7月には、キャラバンGKシリーズ(硬くてビックリ)のアウトレットを楽天で衝動買いし、ついにシューズも「初心者」を脱する。
そんな折、7月末にツェルトのペグと張り綱セットがアマゾンから届いた。
さっそく設営を練習したい。「せっかくだから、近所の美ら海で」と思い立った。
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最近の八重山諸島は、わりと異常だ。
1⃣石垣空港国際線ターミナル:昨年3月に増設したまま休業
2⃣竹富島名物「水牛車」:催行する2社のうち1社は、GW前から休業
3⃣近所の「ほっともっと石垣新栄店」:閉店を22時→16時に繰り上げ
理由は経営不振ではない。足並みそろえて押し寄せてくるリベンジ旅行の大波に、受け入れ側の人手が全く足りないのだ。
経済の再起動は普通の先進国より無意味に1年半ほど遅れたから、挽回はしたいが、副作用もあるのね......。特に3⃣は痛い。
ゲロ混み必至の川平湾や底地(すくぢ)ビーチでツェルトなんか張るとヤバいので、13日朝、名蔵アンパルに向かった。名蔵川河口の湿地帯&砂州&干潟である。
県道にスクーターを止め、ビーチ側に下りたら、SUPの島家族が1組だけいた。
堂々とツェルトを敷き、まずは四隅をペグで固定する。トレッキングポール立ち上げ方式は拍子抜けするほど簡単で、初めてでも10分で完成。自前のお家を見て、子供みたいに喜んだ。
280gという軽さ、付属品を入れても1万4千円という安さは、最大の魅力だ。テントとは比較にならない手順の少なさも実感できた。
しかし、間口90cm、奥行き200cmというソロサイズは、思いのほか狭い。防水・防風性は弱いし、結露もひどいだろう。
テント代わりに使うなら、天気がいい日を選ぶか、フライシートを併用するか、考えどころだな......
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大いに満足して次に向かったのは、近くの「ぶざま岳」。中腹の「テラス」からの川平湾の眺めは、ワールドクラスと断言できる。
この極上スポットで、テント泊は可能なのか? それを確かめたい。
しかし、待っていたのは、過去最悪の「ホラー」だった。
登山口(らしきもの)に着くと、草木が濡れているのに気づく。この日は快晴だが、ピンポイント的に通り雨があったらしい。
嫌な予感がした。あの生命体が元気になるからである。
テラスには難なく着いた。その絶景については「一度ご覧になって下さい」と言うほかない。
「テント泊」の観点からマニアックに眺めてみると、ペグを打ち込める箇所はない。張り綱を結びつけるのに適当な木も乏しい。
「トレイルから石を持ってこないと駄目だな」と分かった。
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ぶざま岳山頂に足を延ばしたのが、運の尽きだった。
トレイルの濡れがひどくなり、5分もすると、右シューズに名物ヒルが付いているのを見つけた。塩をかけて撃退。慣れたものだ。
ところが、この日は次から次へと襲われる。途中で数えるのをやめたが、控えめに言っても30匹。「雨上がりはひどいな......」
下山中「もしや」と思って、ゲイターを外してみたら、気絶しそうになった。
左右の裏側に数匹ずつモゾモゾしていて、1匹は右足首に吸い付いているではないか。
「実害」を被るのは2021年2月13日以来、ちょうど2年半ぶりだった。
撃退を終えて、ひと安心。油断したのがまずかった。
下山してシューズを脱ごうとしたら、またまたゲイター裏にモゾモゾしていて、今度は両足首と左ふくらはぎに吸い付いている。
塩をかけると、血を吸って丸々と膨らんだ黒い生命体がアスファルトに落ち、のたうち回る。おぞましい......
貴重な教訓が三つ。
1⃣雨上がりはアカン。
2⃣ヒル被害防止にゲイターは有効だが、わずかな隙間から侵入を許すと、発見が遅れて実害を被る。テープ類で塞ぐといいかも?
3⃣吸い付かれた時は、慌てて払いのけずに、塩をかけてヒルが落ちるのを待つ。そのほうが出血を抑えられる感じ。
🌴石垣島メモ㉛「テラスと黄門様」
至高の景勝地「テラス」は、ターニングポイントを迎えているかもしれない。
観光客にバレていないのがミソだったが、ツアーを催行する事業者が現れ始めた。
あるサイトを見ると、大人5500円だとか(山頂までなら6500円、人数が増えると割安)。
山頂まで足を延ばしても累積標高差400m、2時間半。費用もガソリン代くらいだから、楽に儲けられるなあという印象だ。
この主は「履き慣れたスニーカー等で十分登れます」と書いているが、唯一かつ最大のリスク「ヒル」には、なぜか触れていない。
でも、ヒルに襲われたとしても、このツアーはウケる。よそがマネする。口コミも相まって、テラスの穴場感は失われていきそうだ。
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メジャー化の流れに役所が絡んでくると、ややこしくなる。
というのも、2年ほど前から、人気の野底マーペーや屋良部岳ともども個人登山を控えるよう言い出している。
理由は、自然保護ではない。必殺「何かあったらどーすんだ」である。
いずれも、YAMAPER目線では初心者コース。しかし、彼らの目には、いかがわしく映るらしい。
「人命最優先」など誰もが平伏す印籠をお上が示すと、とんちんかんな「警戒」や「対策」もまかり通るのが、この世の常だ。
まさか、天然の巨岩テラスの端に柵とか造らないよね? 少し心配になる。
気持ちは分からんでもない。
うちなーんちゅ(沖縄人)である彼らは、山登りというアクティビティーには疎い。誰だって、未知なるものには不安が先に立つ。
内地からのハイカーが増えて、世間様をお騒がせしてもアレなので、役所としては「なんか対策している感」を出さなきゃ。そーゆー空気も分からんでもない。
でも、お願いしたい。市職員の皆様におかれましては、たまには島を出て、上高地あたりで異文化に触れてみてほしい。
YAMAPをインストールして、山のリスクに向き合って準備して、歩けるところまで歩いて、槍穂なんぞ眺めてみてほしい。
その暁には「登山を自粛して下さい」ではなく「注意して楽しんでね」と言えるようになるだろう。
㊗️gotoキリマンジャロ、内定───
アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(標高5895m)に挑む冒険者を募っておりますところ、これまでに男子1名、女子2名が名乗りをあげ、パーティー結成のめどが付きました。ベストシーズンとされる来年1~2月、その頂を目指します。
あなた方に登れるのかって? 無理かも。でも、やってみなきゃ分からん!
🍒おしらせ───
次回は、心の古里・山形県のどこかからお届けします。
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