金時山(27年ぶり二度目)・長尾山・丸岳または第3新東京市
金時山・明神ヶ岳
(神奈川, 静岡)
2021.02.27(土)
日帰り
花粉の季節はまだ続く。
ただ外にいるだけで鼻水どころか目やノドまで痒くなる日があった。
しかし、まだ2月のうちの寒い日であれば飛散量が「やや多い」にとどまる。
前日天気予報を見て、気温が低めで好天、花粉も「やや多い」だったので、急にどこか登りたくなった、
しかし、いくら花粉が多少マシても、奥多摩や丹沢に突っ込んでは意味がなかろう。
寒ければ早朝にも起きづらい。
奇しくも前日に、延期されていたシン・エヴァの公開日が発表されたばかりである。
エヴァの聖地といえば箱根である。
そこで、近くて行程の短い山として、箱根が浮かんだ。
実は拙宅から公共交通機関利用で考えれば、箱根はバスも含めて奥多摩や丹沢、奥武蔵より比較的早く登山口まで着ける。
これは小田原までが東海道本線という日本一の大幹線を使うおかげである。また、総武快速線が横須賀線に直通して、都内を素通りできて戸塚のホーム上だけで乗りかえが完結することも大きい。
箱根外輪山の杉林は中腹までしかなく、稜線は落葉樹や竹しかないはずである。
どうせ丹沢や伊豆から花粉は流れてくるので、さほど関係ないだろうが。
短時間で登れる金時山にしようと思い立った。
ちょうど登山口と下山口にエヴァ関係の見どころがある。
小2の頃に一度家族で登って以来、27年ぶりである。
当時は何の装備もなしで登った。
小田原から仙石までバスに乗るとかなり遅い時刻になってしまった。
金時神社まで歩く。エヴァとコラボした公衆便所を見物してみた。
年配の女性の2人連れハイカーがトイレの壁を見て、
「なんでここ箱根なのにTOKYOって書いてあるの?」
「ああこれ、テレビまんがのなんかアレだよ」
などとわかったようなわからないような会話をしているのを耳にする。
登山道の立派さに驚く。標高差のわりには効率がよい。
頂上の直下には残雪が出てきた。
頂上に着いた。神奈川側と静岡側に茶店が2軒あるのは変わっていないはずである。
一方だけが緊急事態宣言下なのかと思うと妙な気分になる。
登っているうちは暑かったが、1000メートルを越えているので、とどまっていると寒い。
茶店で甘酒を買う。
最近は春霞が出てきて関東平野や海越しでは富士山が見えにくい。
しかし、ここは御殿場を挟んだ真向いなので、霞みようがない。
はずかしいくらい通俗的な光景である。
箱根から南アルプスなど見えないと思っていたが、右の山裾に甲斐駒と鳳凰三山らしい白い峰が見える。
方位盤には八ヶ岳連峰と書いてあるが、ネットで見ると誤りで鳳凰三山のようである。
頂上を後に乙女峠の方へ向かう。
こちらは北面のせいか残雪が多くみられるが、特に支障はない。
しかし、ぬかるみは少し閉口する。下り坂で滑るとヤッカイそうだ。
乙女峠を過ぎると、尾根道にほとんど起伏がなくなる。
木ではなく、竹しか生えていない明るい稜線である。
左に芦ノ湖、右に三島から駿河湾。
思わず「箱根の山は天下の嶮 函谷関も物ならず…」と歌いだす。
長尾峠で下りに入る。長尾峠はエヴァでは第3新東京市リニア環状線の駅名として出てきた。
桃源台に着いた。
ビジターセンターもホテルもキャンプ場も飲食店も休業している。
ローブウェイの駅もエヴァとコラボしている。
去年の初めからやっていたが、泊まるには近く、日帰りには遠いところになかなか足が向かなかった。
エヴァは一時期熱心に見ていたが、新劇場版はあまりに間隔が空きすぎてすっかり情熱が冷めてしまった。
それでも、この前放送していたのを見たら、やはり作りこまれているし、結末は気になる。
帰りはバスを大平台で捨てて、姫之湯という共同浴場に入った。
普段なかなか登山後に入浴できないが、今回は箱根の利便性ゆえに寄れた。
大平台からは登山電車に乗った。
こうすると、桃源台から小田原まで通しでバスに乗るのと数十円しか余計にかからない。
たまたま乗った車両は、来月引退するモハ2形109号だった。
箱根は20分ごとにバスが走っていて、登山口周辺にはコンビニもあり、要所には茶店がある。
標高差のわりには難なく登れて、短時間で登頂できる。
こんな便利な山域があるだろうか。
しかし、それゆえか本格的な登山には発展しづらく奥多摩や丹沢に比べて、忘れられてしまう。
また、日の短い時期のヒマつぶしに行ってみるか。
来月8日以降映画館でシン・エヴァを心おきなく見られるのだろうか。