中の又山(マイナー準名山)
光明山
(新潟, 福島)
2023.04.01(土)
日帰り
【前段】
マイナー12名山は、皆さんご存じだと思う。
マイナー12名山の準名山7座をご存じでしょうか。
『岳人』(2002年4月号)で選定されたマイナー12名山の選から惜しくも漏れた秘峰を準名山というらしい。選者は大内尚樹、宮内幸男、高桑信一という沢と藪のレジェンド。当然一筋縄ではいかない山ばかり。もともと行きたいと思っていた、昼闇山もマイナー準名山だったと初めて知る。へ~。
準名山の1つに名を連ねる越後下田山塊の中の又山に行ってきました。
もともと準名山に興味があるわけではないが、ひらさんから、五兵衛小屋に行かないかとお誘いが。五兵衛小屋ってどこかなあと探したら、矢筈岳から伸びる稜線上に見つけた。五兵衛小屋まで行くなら、中の又山まで行きたいなあとうことで、目標を中の又山に変更してもらうことに。
【参考】
(マイナー12名山)
矢筈岳(川内)、ピリカヌプリ(日高)、赤倉岳(尾瀬)、会津丸山岳(南会津)、烏帽子山(飯豊)、ネコブ山(中越)、化穴山(朝日)、障子岳(屋久島)、黒部別山(北ア)、群別岳(北海道)、羽後朝日岳(和賀)、毛猛山(会越)
(準名山7座)
刃物ヶ崎山(奥利根)、知床岳(知床)、遠音別岳(知床)、中ノ又山(会越)、大佐飛山(那須)、昼闇山(頚城)、高幽山(南会津)
【行程】
(計画)行動時間13時間30分
冬期ゲート~R289ゲート~川胡桃沢取付点(+1h5)~渡渉点~日本平(+2h)~五兵衛小屋(+1h30)~中の又山(+2h) ~五兵衛小屋(+2h)~日本平(+1h20)~川胡桃沢取付点(+1h20)~冬期ゲート(+1h)
※大谷ダム左岸にある冬期通行止ゲート前に車を駐車し、残雪地点まで自転車で移動。
ダムから取りつきの川胡桃沢まで約6.2㎞。自転車の移動時間分(上り分、下り分)+歩き(上り分、下り分)
※冬期ゲートからR289工事用ゲートまで約3.9㎞。
(実施)行動時間11時間50分
冬期ゲート~R289ゲート~川胡桃沢取付点(+1h10)~渡渉点~日本平(+1h26)~五兵衛小屋(+1h23)~中の又山(+1h55) ~五兵衛小屋(+1h29)~日本平(+1h5)~川胡桃沢取付点(1h10)~冬期ゲート(+40)
※日本平、五兵衛小屋までで計画より各30分短縮し、1h早く山頂に到着。遅くても11:30には山頂を後にしたかったため、さくっとお昼を食べて下山開始。五兵衛小屋まで往路と同じ時間かかると計画していたが、各20分ほど短縮できた。往路でルート状況や所要感覚が分かりスムーズに行けたため。復路のアップダウンが精神的にきついと想定していたが、あっという間に下山できたという感覚。五兵衛小屋~山頂までが、景色が変化せず、1番辛い時間だった(飽きるなあ)といった感じ。
※行程の難所
・大谷ダムゲートから、川胡桃沢取付点までの片道6.2㎞の移動(飽きそう)。
・日本平から先は痩せ尾根の連続で上り下りを繰り返す(帰りも行きと同程度の時間を要する)。
・五兵衛小屋先の岩場トラバース(所要時間10分ほど)
【すれ違った登山者】
3人(3人ともテン泊)
2人パーティーは毛無山まで、ソロ1人は中の又山まで
【駐車】
大谷ダム冬季通行止めゲート
※2人組は、ゲートを移動させて途中まで車で入っていた。取りつき点までは、平坦な道が多いので、自転車を持参すれば大谷ダムから苦も無く進める。
【天気】(3/31・16時30現在現在予報)
(予報)中の又山(標高1,070m)
時刻 雲量上・中層(下層) 気温+風(粟ヶ岳1,000m地点の風速) 南西→8時から北西
4:00 0(17) 4℃ 6m
5:00 0(40) 4℃ 6m
6:00 0(100) 4℃ 4m
7:00 0(50) 4℃ 4m
8:00 0(11) 4℃ 4m
9:00 0(0) 4℃ 3m
10:00 0(0) 4℃ 3m
11:00 0(0) 4℃ 3m
12:00 0(0) 5℃ 3m
13:00 0(0) 5℃ 3m
14:00 0(0) 5℃ 3m
15:00 0(0) 6℃ 5m
16:00 0(0) 6℃ 5m
17:00 0(0) 6℃ 5m
※市平地気温(6:00 9℃/9:00 12℃/12:00 16℃/15:00 15℃)
(実際)
(雲)7時頃までガスに覆われ、以降は快晴。予報どおりの雲量だった。
(風)3-4m(特に感じず)
【水、食料】
(水)行程11時間50分(27.7km+1,858-1,861m)取りつきまで12.4km,登山道15.3km
持参2.2L(消費2.2L残0L) ※最後の舗装路歩きで水がなくなる。
→1hあたり0.19L
(食料)
持参:塩分タブレット2、ナッツ1、お昼(パン1袋(5つ)、バナナ1、サツマイモ2、ジェル2(カフェイン1、カフェインなし1)、チョコ1、グミ1、コーヒーペット1
消費:塩分タブレット2、ナッツ1/2、お昼(パン1袋(5つ)、バナナ1、サツマイモ2、チョコ1、コーヒーペット1、チーズケーキ
残:ジェル2(カフェイン1、カフェインなし1)、グミ1
【服装】
長袖(薄手)・長ズボン、cw-x、薄手手袋(夏)、冬手袋(アウター、薄手)、雨具上、夏帽子、日よけのネックウォーマー
※藪に引っかかって、ズボンがやぶける。
【装備】
6本アイゼン、ピッケル、冬用登山靴
※ひらさんが先週、日本平までピッケルだけ使用したと聞いたため、念のためのアイゼンとピッケルのみの持参とした。わかん、軽アイゼンは使用せず。
※ピッケルのみ使用(日本平~山頂区間で使用)
【感想】(自身の体調点数 4/20点)
(P~川胡桃沢取付点)
◆ルートの状況
・R289ゲートまでは雪がない箇所が多い。R289ゲート以降は雪が出たり、舗装路が出たりの区間も出てくる。雪が出ても様子を見て、押して歩き、ギリギリまで自転車を活用する。
・川クルミ沢は、谷が深く荒れているので、渡渉箇所まである要所のマーキングテープを頼りに歩いた。行きは冬道、帰りは夏道で歩く。夏道のほうが雪が多く残り歩きやすいため、おススメ。また、夏道は随時ピンクテープがあり、目印があり歩きやすい。
(川胡桃沢取付点~日本平)
◆ルートの状況
・渡渉箇所から日本平までは、今日時点では雪がまだ残り、これくらいであれば、藪区間も少ないかもと少し安心する。行きは冬道で、尾根上に上がったため、途中藪漕ぎになる。藪漕ぎ区間は、イワウチワがたくさん咲いており、イワウチワロードとなった。帰りは夏道で雪を利用し楽に下山できたが、イワウチワをたくさん見れたので、藪も良しとする。
・日本平に無事到着。朝は雲量が多いため、展望はなく、五兵衛小屋へ進む。
(日本平~五兵衛小屋)
◆ルートの状況
・P855まで来ると眺望が開け、右手には守門岳の雄姿が姿を現した。朝は雲量が多く、守門岳も雲の上にひょっこり顔を出した状態。右手には、うっすら矢筈岳などが見える。青空の山々も良いが、幻想的な風景もまた貴重なので、写真撮影に励む。
・五兵衛小屋までのルートは、夏道には踏み跡があるが、岩と藪の瘦せ尾根のアップダウンの繰り返しとなる。アップダウンのトップ部分が雪が切れていることが多く、鞍部に下る際は雪道、登る際は夏道となることが多かった。全て雪道で行きたかったが、トップ部分の雪庇が落ちている区間が多く、夏道と冬道の交互歩きとなった。
・雪が拾えた区間は、全体の6割程度。
・五平小屋直下の急登の藪を登りきると、五平小屋到着。ピークは、下田山塊の山々(矢筈岳、青里岳、毛無山)が一望でき、北東側が開けているので、なかなか良い眺望であった。浅草岳や守門岳もきれい。
・五兵衛小屋という変な名前は、以前に只見と笠堀を往来するための峠道があって小屋が建てられていたことから由来するらしい。
(五兵衛小屋~中の又山)
◆ルートの状況
・五兵衛小屋からは、残雪と藪を交互に進む。雪が拾えた区間は、全体の6割程度。
・全体的に危険のある箇所は少ないが、P919とP949の間にある岩場は注意が必要。稜線を歩いていると突如、切れ落ちた岩場になる。岩場を少し巻くように歩いた。岩場区間は15分ほどで通過できるが、巻きにくい箇所もあるので、慎重なルート選定が必要。岩場も少しもろい箇所おあり、歩く際は確認が必要。
・中の又山に近づくと残雪が多くなり、歩きやすくなる。稜線は南東側が開けているので、福島県側の景色を眺めながら県境を進む。山頂に到着するまでは、五兵衛小屋ピークから景色が変わらず、中間地点から飽きて長く感じる。見えていてなかなかつかず、小屋から2時間もかかってしまった。無心でダラダラ歩いていたら、こんなにも時間が。
・山頂ピークをやっと見つけると、山頂奥には御神楽岳と飯豊連峰が見え、元気回復。山頂からは南側の浅草岳や守門岳が一望できた。北側の飯豊連峰は木々で見えにくいため、数10m下り、お昼とした。小屋から遠くて、まずはお昼を無心で食べる。回復してから、写真撮影をして、復路へ。
(下り)
◆ルートの状況
・ルート感覚も分かっていたため、帰り道は早く感じた。必要な箇所はピッケルを出し、藪で邪魔になるとしまうというのを繰り返して進む。
・五兵衛小屋に到着すると、まさかの2人組に遭遇。中の又山で1泊し、毛無山に行くとのこと。毎年来ていて、4回目で、今年は雪解けが早く、去年より1か月早く来たとのこと。物好きもいるもんだなあと。自分たちもだが。
・小屋から日本平まで向かう途中も日本平山まで1泊の、ソロ登山者に遭遇。今日は誰ともスライドしないと思っていたので、3人も会い、びっくり。これは、矢筈岳も握粟っていっるだろうなあと感じた。
・復路は日本平まであっという間に到着。日本平からは、やっと下りに徹せれるため、ここまで来ればほぼ下山したようなもの。ゆっくり休憩してから、Pまで向かう。
◆感想
・中の又山山頂まで行くと飯豊連峰や、角度の違う矢筈岳などの展望が広がるが、日本平以降は景色が大きく変わる区間もないため、日本平を目標とした登山で十分そう。足を延ばしても浅草岳などの展望が良くなる五兵衛小屋までかな。
・毛無山も、中の又山からの景色と見える景色が変わらないのかなあ?人の心を奪う毛無山の魅力は何か今度調べてみるかな。たぶん行くことはないとは思うけど。
・また、アップダウンが多い尾根の縦走になるので、行きも帰りも所要時間に大差はなく、余裕を持ったスケジュールが必要となる。
・本日も工程を共にできたひらさんに感謝です(誕生日のチーズケーキもごちそうさまでした)。