大洞山（東京都）

快晴で気持ち良かった。

前回、丸川峠（大菩薩）の下りで左足首を少し痛めたので、今回はリハビリ山行となった。リハビリだから無理はできない。これまで何度も歩いた陣馬山から高尾方面へのルートなら、安心してのんびり歩けるだろう。そう考えて決行した。 陣馬山頂の白馬像は冬晴れの青空がよく似合う。いつ見ても天を仰いで元気がよろしい。富士山は冠雪をいただいてやっと冬らしい姿となった。 明王峠の茶屋は、もうしばらく営業しているのを見たことがない。今では資材置き場のようになっているが、石碑や石灯籠とマッチして、あたかも江戸時代の名残のような渋い風景ではないか。ぜひ残しておいてほしいと思う。 堂所山は、これまで一度も巻いたことがないのだが、なにしろ今回ばかりはリハビリなので、巻くのが賢明なのである（こう言うのを巻け犬と呼ぶ）。 景信山は、いつ来ても郷愁感あふれる風景が心を和ませてくれる。二件あった茶屋の、下の方が城山に移転されたそうだが、その後の自然回帰の力はすごいものだ。時間の経過とともに雑草が生え、落ち葉が積り、木々が枝葉をのばす。最初からここには小屋などありませんでした、と言われればそうかも知れぬと思ってしまいそう。 城山まで来たら、不思議なことに、足の痛みがまったく無くなっていた。積極的に足を使ったおかげで一気に治るという奇跡。これはあながち偶然ではないのかも知れない。しかるに、ここで気をよくした私は、おとなしく高尾山から下山しておればよいものを、愚かにも南高尾山稜へ足を踏み入れたのである。本当にお前は馬鹿だ。 草戸山手前の長い階段を下っていたときだった。 再び左足首を締め付けられるような痛みが走ったのである。立ち止まれば問題ないが、歩き始めるとズキズキ痛む。バスの時間に間に合わせようと、スピードを落とさずに歩いたから、余計に足を酷使することとなった。けっきょく、またしばらく足のお手入れに専念しなくてはならなくなったのである。