上俵山・継母岳
御嶽山・継子岳・摩利支天山
(長野, 岐阜)
2021.03.20(土)
日帰り
この記録の6日前、3月14日に1度目のトライをしていた。
今回はそのリベンジと敗退した原因の現場検証を兼ねての山行でした。
写真は前半が1回目、後半が2回目に撮影したものに分けています。
もうすぐ山頂だという所まで来た時、事故は起きた。
先頭が滑落してしまった。
標高差300m、滑落距離はもっとだろう。
前日に降って凍結していた雪が滑り出し表層雪崩が起きた。その上に乗っていた仲間2人が雪のテーブルごと目の前を滑り落ちて行った。
幸い1人はすぐに止まったが、もう1人は物凄いスピードで谷底の平地まで止まらず滑落。
絶望的かと思ったが小さな黒い点がゆっくりと動き出すのが確認出来た。
生きている。怪我の程度が分からないが自力で登り返そうとしているのが分かった。
上に取り残されたメンバーはお互い声を掛け合い、まずは冷静さを取り戻す。
ロープを使って安全な場所まで戻る頃、滑落者と合流出来た。現場検証から判断ミスから起きた事故という結果だったが、奇跡とかラッキーだったとしか言いようがない。
実際、リベンジに出かけた2回目には雪が減り岩が見えるようになっている箇所もあった。これに激突していたら、おそらく命は助からなかっただろう。
それから6日後、来年まで課題を持ち越さないために現場検証を兼ねて再トライした。
新たに参加したメンバーも含めて、ロープワーク講習をまじえながら同じミスを繰り返さないよう核心部を通過。蘇る記憶に恐怖を感じながらも、現場で見たままのことを伝えた。それが私の役目だった。
人間はミスをする生き物ではあるが、ミスをしても助かるようなやり方を。リーダーの言葉だ。
今回の経験が、これからの山行をより安全なものにしていくための物になるように…
決して無駄にはしない。