檜尾岳・三ノ沢岳・宝剣岳
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山
(長野)
2026年04月19日(日)〜20日(月)
2日間
有給休暇消化のため月曜を休みにする。病気や用事でなくただ休むというのは人生で初めてかも知れない(昭和)。
幸い天気も良さそうだし、日月で山に泊まろう。
3年ぶりの菅の台バスセンターに車を停め、檜尾橋までバスに乗る。列の最後に乗り込み、途中で降りるしザックデカいしと立っていたら、ここ空いてます!と何人もが声を掛けてくれた。事情を話し、親切な人たちだなと思いながらS字カーブの遠心力に耐える。
熊笹とカラマツの中を登っていく。桂小場からの将棊頭山に雰囲気が似ている。同じ山域の表裏だから当然か。いや、どちらも道がよく手入れされているからだ。
早々にシェルを脱ぎ、厚手のロンTを腕まくりして薄手のパンツになるがそれでも汗をかく。
マツ〜ツガ〜カバとしりとりみたいに植生が変わり、赤沢ノ頭の先で雪道になった。今回は一般道だし岩も出ているだろうからと爪の丸まったアイゼンを履く。これならパンツに引っ掛けても破れないし。
トレースが小檜尾岳の手前で不明瞭になる。どこを歩くかは自己責任、と意見が分かれているようで面白い。などと思っていたら藪に突っ込んだり踏み抜いたりと散々な目にあい、樹林帯を抜けて檜尾小屋が見えた時にはほっとした。
水場はまだ雪の下のようだった。
一応テントは持ってきたが、もちろん小屋に泊まるつもりで扉を開く。ロフト付きの入口部分が開放されており、トイレも使えて、寝袋と飲み物とお茶漬けまで用意されていた。バスでのやり取りといい、中アは親切な所だなと協力金を入れる。
日差しと風が心地良く、外で水を作りながら音楽をかけて七笑を含んだ。
長い夢を見て夜明け前に目が覚める。小屋の中はお戒壇みたいに真っ暗なので扉を開くと、外には雲海が広がっていた。魂が酷く跳ねて、薄明に浮かぶ白い雲の群れに見惚れる。
荷造りをし、朝日を浴びて檜尾岳へ登る。雪が締まっていて踏み抜きの不安がないのは素晴らしい、と夏道を横目に雪庇の上を快適に歩いていったが、やがて雪が途切れ、三ノ沢岳への分岐までずっと岩をギャリギャリ言わせながら歩いた(横着)。
分岐にザックをデポし、シェルの上だけ羽織って三ノ沢岳を目指す。亀の甲羅を降ろした悟空とクリリンのように、とまではいかないが、身軽になって山頂まで繋がった雪上をサクサク歩く。幸いなことに日が翳って雪は緩まず、風が吹き続けてオーバーヒートを防いでくれた。
三ノ沢岳のことは縦走時やレポで見ていた筈だが、今回初めてその存在を知った。向き合ってみると三角錐にカールを抱いた端正な山だった。突端で薄曇りの空とモノクロの山々に囲まれる。
分岐まで戻って後は下るだけ、と思っていたらまだ宝剣岳がいた。今回キミに興味ないんだよねと思いながらピッケルをしまいヘルメットを被る。雪はなく鎖やホチキスが出ていて、また岩をギャリギャリ言わせながらよじ登る。山頂を通り過ぎかけて、どうせならと祠まで登る。そこからの下りが怖かった。
こちら側は雪がしっかり残っており、鎖が埋まっている。ピッケルが欲しいがザックを降ろす場所はない。仕方なく所々出ている緑のロープと岩を手掛かりにクライムダウンする。小屋の屋根が目に入ってほっとした。
千畳敷カールを通るのは初めてで、ロープウェイに乗るのも初めてなので、ウキウキしながら駆け降りるとあっという間に駅に着いた。振り返って仰ぎ見るが、花の時期の方が感動するのかも知れない。
凄い所にロープウェイを通したなぁと断崖を眺めながら降下し、前回は歩いた道をバスに揺られてスムーズに駐車場へ戻った。