越百山〜仙涯嶺〜南駒ヶ岳
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山
(長野)
2024.01.27(土)
3 DAYS
初の積雪期中央アルプス、2度目の挑戦で完歩。
ルートファインディングとラッセルまみれの全力山行だった。
越百山までのトレースがなければ、南駒ケ岳までは行けなかっただろう。
また、下山時の北沢尾根のトレースにも大変助けられた。
トレースの主達に感謝。
ちなみに初挑戦は今年の正月、開始2時間で真新しい熊の足跡に遭遇、撤退した。
2024/1/27(土)
8:10 伊奈川ダム下ゲート出発。
ダムの先で単独男性に抜かされる。
南駒ケ岳に行くとのこと。
北沢尾根下降時のトレースに期待。
9:40 越百山登山口。
踏み跡明瞭、雪は少ない。
が、やがて凍結箇所が増え、アイゼンを装着。
1900mあたりから雪が増え、膝ほどになる。
トレースは1名の往復分のみとなる。
ワカンに換装。
13:40 御嶽山見晴台。
雪が深くなり、トレースがあるにも関わらずペースが上がらない。
16時頃 2390m付近。
小屋手前の2390m付近にて、トレースを見失う。
地形が広くなっており、進行方向がわからず、右往左往。
YAMAPのGPSと地形図&コンパスを駆使し、どうにかトレースに合流。
が、越百小屋までの道のりは険しかった。
16:40 越百小屋。
小屋は雪に埋まっており、付近に幕営。
南駒ケ岳山頂は風速15m/sの予報だが、幕営地は風が当たらず、風音もしない。
テント内に張り付いた霜が時折降り注ぐことを除けば、快適な夜を過ごした。
2024/1/28(日)
3時起床、4:45出発。
引き続きのラッセルが予想されるため、ワカンとストックで出発。
樹林が薄くなる頃、アイゼンとダブルアックスに換装、ハーネスやヘルメット等、装備を整える。
6:50 越百山。
視界が開け、素晴らしい景色が広がる。
予想通り、仙涯嶺方面へのトレースはない。
美しいなだらかな稜線に、トレースを刻んで歩き出す。
8:20 仙涯嶺 第1岩峰。
あれこれ見回った末、伊那側から巻く。
基本膝、時に腿ラッセルとなる。
8:50 仙涯嶺標識。
岩峰上ではなく、岩峰を巻いた先の鞍部に標識あり。
次なる岩峰を観察しながら小休止。
第2岩峰は木曽側から巻くとの事前情報だが、確かに巻けそうなラインが見える。
9:15 仙涯嶺 第2岩峰
ルンゼ状の箇所を木曽側へクライムダウンし、岩峰基部をトラバース。
なかなか際どいラインだが、雪が締まっており危険は感じない。
第3、第4岩峰も木曽側を巻き、2628mコルへ。
木曽側は午前中は日影となるため、雪が締まっており歩きやすい。
10:10 2628mコル。
きれいな岩峰が眼前にそびえる。
が、これは南駒ケ岳手前の小ピーク。
南駒ケ岳までは小岩峰が連なり、ルートファインディングとひたすらのラッセル。
巻きは主に伊那側だが、日が当たるため雪が緩く、腿ラッセルとなる箇所多数。
12:45 南駒ケ岳。
残念ながら、トレースはない。
引き続きのルートファインディングとラッセルが決定。
そしてガスが湧き始める。
GPSはあるが、念のためコンパスをセットし、北沢尾根の下降開始。
が、ここからが真の苦難の始まり。
13:30 2760m付近岩峰。
直登は無理だろうと巻きにかかった岩峰が右からも左からも巻けず、結局戻って直登。
15:10 2712mピーク下。
ピークを巻く際に下りすぎ、腿ラッセルの登り返し。
体力と時間の消耗が激しく、目標の2411mピーク先の樹林帯には届きそうにない。
16:30 2600m付近。
翌日のために少しでも先へと飲まず食わずで来たが、16:30頃行動打ち切り。
なだらかな斜面を切り崩し、幕営。
風が当たらずとても良い場所だったが、外は-10℃以下、テント内で-9℃。
体力消耗のせいか異様に寒く、湯たんぽを2個作って就寝。
2024/1/29(月)
4:45起床、6:45出発。
念のため、ハーネスとヘルメットを着けて行動開始。
が、前日の奮闘で悪い箇所は抜けたようで、平和な稜線歩きとなる。
当然ラッセルではあるが。
7:30 2591mピーク。
ここから夏道は一旦南に下り、ピークを巻くようにトラバースして元の尾根に戻っている。
が、これは樹林帯のトラバースとなり、猛ラッセル必至。
そのため尾根通しに行けないかとピークの先を探るが、岩峰の下降となる模様。
懸垂とラッセルを天秤にかけ、結局トラバースを選択。
アイゼンの上からワカンを装着、樹林帯へ。
急斜面のトラバースだが、思ったほどの苦労はなく、尾根に戻る。
その先は樹林帯となり、岩峰はもはや見当たらない。
8:25 2500m付近。
ついにトレースに合流。
ラッセルもだが、ルートファインディングから解放されることが嬉しい。
ありがたくトレースを辿る。
9:10 2411mピーク。
その先の2250m付近で尾根が二手に分かれる。
無意識に直進しかけるが、ここは左に曲がるのが正解。
トレースがなければ直進してしまったことだろう。感謝。
その先は特筆すべきこともなく、忍耐の下山。
12:15 福栃橋、13:35 ゲート前。
好天かつ一部トレースありにも関わらず、過去一厳しかった山行を終えた。