22:09
14.5 km
2213 m
厳冬期笠ヶ岳 激ラッセル最果ての到達点へ
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 (長野, 岐阜, 富山)
2026年01月28日(水) 日帰り
雪山を始めた頃から心のどこかで厳冬期笠ヶ岳への憧れを抱いていたので、機会があればいつか挑戦したいと思っていた。 予報段階では、土曜以降から降雪強度の変化が少なく、西〜北西で風向きが一定。 加えて、28日当日の気温も一定で、良くも悪くも日射が弱そう。 陸沿岸部山域の天候が芳しくなく、行動範囲で登れる山を検討していたところ、 北アルプス南部の予報を見て、これならなんだか行けそうだと踏み出した。 気になったのは、複数の予報サイトで風速20m/s以上を示していたことと、ガスと曇りの時間が占める時間がありそうなこと。 ただ、強風に晒されるのは風向きと地形的に山頂付近の南西尾根に限られると予想し、 曇天やガスも、荒天に好かれがちな俺にとっては、時折日が差すだけで十分だった。 -------------------- 計画時に最も心配したポイントは2点。 ◎クリヤノ頭への登り上げ 直下のクリヤ谷ルートは、俺が見ても避けたいと感じるルート。 広サコ尾根やP2281経由も検討したが、実績があり現実的と感じたクリヤ谷右岸方向の尾根から詰めることにした。 当初は基部から尾根に乗るつもりだったけど、雪が安定していると感じたので、 植生が密集していそうな尾根筋にはすぐに取り付かず、 景色に惹かれてオープンバーンから斜度を上げ、取り付きやすいラインから尾根に合流した。 ◎クリヤノ頭以降、雷鳥岩からEL.2500mの四ピークをトラバース 斜面は風の影響で、硬い雪面と吹き溜まりが数十m間隔のゼブラ状に分布。ウインドスラブの形成はなし。 吹き溜まりはツボ(アイゼン)で膝上・腿に達して前に中々進まず、固い雪面はスノーシューが難しい。トラバース中での換装は難しいので厄介な地形。 登る前は地形図を見て稜線上から進めないのか❓と思ったけど、実際に地形と時間を見てやる気が失せた。 行きはスノーシューとアイゼンを何度か換装し、帰りはアイゼンで進む。 -------------------- 過去イチ雪深かったラッセル行軍として、自分の中では昨年(2025.2.25)のドカ雪直後に登った僧ヶ岳が記憶に残っているが、それを優に超えてきた。 当時は、やまあすさんと山の民さんの強者お二人がいたが、今回は単独行。 クリヤ谷ルート登山口からツボの膝ラッセルが始まり、入山30分でスノーシュー。 序盤の樹林帯から早々に深くなり、 針葉樹林の山林を抜けた後は、クリヤノ頭を超えた先のトラバース雪渓の一部と山頂付近の南西尾根400m区間以外は、オール膝上ラッセルとなる。 強烈だったのは、EL.1750mあたりからクリヤノ頭の稜線に頭に乗り上げる(EL.2300m付近)まで膝上・腿の深さ、特にクリヤ谷右岸尾根に乗ってからは、腿・股下・腰、一部胸となり、腿~腰上ラッセルで標高差200mを這い上がる。 クリヤノ頭手前に登り上げ、ようやく稜線歩きになるので多少は雪が締まってくることを期待したが、 南西尾根のEL.2780m付近に合流するまで無風となってたせいか、トラバースの一部を除いて深いラッセルは収まる気配がなかった。 つまり、登山口から山頂手前の南西尾根合流地点に到達するまでの15時間30分がラッセル行となった。 スタートから16時間後に登頂を果たす。 休憩時間は2時間58分と記録されているが、 雪壁突破で停滞した時間も含まれており、実際にはそれほど休めた感覚はない。 -------------------- 終わりの見えない果てしなく続くラッセルで、強い意志を持って一歩一歩進むことが大事だった。 ガスに包まれる時間も多かったが、 時折現れる晴れ間の景色が心を強く揺さぶった。 南西尾根から錫杖岳へ続く縦走路が雲を分断する荒々しい光景は、この山行の厳しさを物語っているようだった。 厳冬期笠ヶ岳を踏破した達成感は一生忘れないだろう。 -------------------- ・浮雪ギア MSRライトニングアッセント22inch + ライトニングテール5inch
