甲斐駒ヶ岳(W坊主!!坊主尾根で坊主山に登る)/篠沢橋→ツヅミ→ヤニクボ→八合目来迎場→甲斐駒ヶ岳→六合目石室→坊主山→烏帽子岳→大岩山→鞍掛山→日向山→矢立石駐車場
甲斐駒ヶ岳・日向山
(山梨, 長野)
2018.09.17(月)
2 DAYS
2018/09/17(月)〜18(火)
甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)
標高:2,967m
所在地:山梨県,長野県
グレーディング:3C(北沢峠<仙水峠→双児山>)
名山:日本百名山,山梨百名山,新・花の百名山,甲信越百名山,信州百名山,一等三角点百名山
国内標高24位
坊主山(ぼうずやま)
標高:2,365m
所在地:山梨県
グレーディング:
名山:
烏帽子岳(えぼしだけ)
標高:2,594m
所在地:山梨県
グレーディング:
名山:
大岩山(おおいわやま)
標高:2,319m
所在地:山梨県
グレーディング:
名山:
鞍掛山(くらかけやま)
標高:2,037m
所在地:山梨県
グレーディング:
名山:
日向山(ひなたやま)
標高:1,660m
所在地:山梨県
グレーディング:2A(矢立石駐車場)
名山:山梨百名山
山域:南アルプス山塊
天気:1日目曇り
2日目晴れのち曇り
登山第百三十七弾!
※今回も、どマイナーなお山なので、どうぞ地図を片手にお読みください🙇🙇
ということで、ついに今回!念願の「坊主山」登ってきました!
「坊主山ってどこやねん」っていう方にご説明いたしますと、甲斐駒ヶ岳の北、坊主中尾根に位置しますのが「坊主山」です。《ちなみに、今回登りに使った「坊主尾根」とはまた違うルートなのでご注意を》
この坊主山、南アルプス北部の難関な山として有名で、特に藪がひどいと言われています。
他の難関とされる山は「離山」「嫦娥岳」と言われており、気になった方は是非調べてみてください。《ちなみに、私は今年2山とも登っているので、よかったら参考にどうぞw》
坊主山への行き方としては主に2パターンあり、
①甲斐駒〜鋸岳の稜線からピストン
②黄蓮谷から坊主中尾根で稜線に抜ける
があります。
②は沢登りのテクニックが必要な箇所があるらしく、それ相応なギアが必要になってくるので、今回、自分たちは①のルートで行きました。
さて、藪山最強とも言われる、この「坊主山」どう攻略するのかというと、意外な抜け穴があって、それは
谷地形を極限まで使う!
です。もう一度言います、「谷を歩け」です。
写真を見れば分かりますが、稜線から坊主山へは、一面ハイマツの海、緑の絨毯が敷かれています。
これを、真っ向から勝負すると、恐ろしく時間がかかります。
なので、そのハイマツの海を避けるために重要になってくるのが、谷です。
なんと、谷にはハイマツがなく、沢になっているので、藪漕ぎせずに降ることができるのです。《登りにも同じことが当てはまります》
このおかげで、比高300mものハイマツ漕ぎが、100mくらいに短縮されます。《実際は、もっと回避できるかもしれません》
っと、まあ坊主山の話はここまでにしておいて、いざ1年ぶりの甲斐駒へ。
今回は、登りで、面白い尾根《坊主尾根》を見つけたので、それを使って登ることとしました。
この坊主尾根、調べてくると幾つかレコがヒットして、登れないことはなさそう。
しかし、一日で8合目の来迎場まで抜けているレコが見つけられず時間が読めない、、
とりあえず、ナイトハイクもあまりやりたくないので、あたりが明るくなり始める5時くらいに篠沢橋を出発しました。
相棒はいつものSさん、変な尾根ばっかチョイスする俺によく付いてきてくれると感謝でいっぱいです。
今回は、スタートとゴールが違うので、車2台戦法を使います。
篠沢橋ゲートをくぐり、すぐのところから山に入ります。
少し登ると湿地帯があるらしく、まずはそこを目指す。
湿地帯までが思ったより急登で、足場は悪いし、しょっぱなから核心でした。
核心を越えると、「ここは本当に南アルプスか!?」と呟いてしまうような、異世界感が溢れる湿地帯にたどり着きます。
まさに秘境って感じでした。
そこから、坊主尾根を目指します。なかなかの急登を登り、なんとか尾根へ合流。
着いてみると、テープや踏み跡があり、どうやらココを歩く人間は一定数いるようです。
途中、痩せた尾根とかありましたが、特にテンション上がったのは、やはり離山‼️
実際、離山に言った時に、坊主尾根がすごく楽しそうで、今回歩くことになったので、そりゃ、坊主尾根からも離山は見えますよね^ ^
さて、まあ歩きやすい道を登っていくと、最初のポイント「ツヅミ」に到着です。
坊主尾根で検索すると、結構この「ツヅミ」まではヒットします。
確かに、ここなら日帰り全然できるし、藪もないし、普通の登山に飽きた人にはいいルートかもしれません。
しかし、我々は、さらにその先、8合目御来迎場を目指します。
「ツヅミ」以降はやはりマーク等は激減、急登続きです。
右を見ると、いつもスルーしてしまう「黒戸山」がどかーんと鎮座していて、「へっまだ俺を見上げているようじゃ、この先は長いゼ♪(´ε` )」なんて言われてるように感じてしまいます。
どうにかこうにか次のピークである「ヤニクボ」に到着しますが、ここには標識等はありません。
ここからが、なかなか標高あげられないポイント、、
離山からみていてわかってはいたんですが、アップダウンが激しい。
2,000~2,100mを行ったり来たりです。
頼みの展望も、肝心の甲斐駒は見えず、かろうじて摩利支天が見えるくらい。
これじゃ、出せる元気も出てこねー
途中、ここは離山か?と錯覚してしまいそうな、白砂大地があり、鳳凰の方がよく見えました。
大岩巻いたりして、あとは8合目まで上げるのみってところまできた。
「ここまできたら楽勝っしょ😄」なんて、調子こいていたらここからが坊主尾根の真髄だった。
急登はもちろんのこと、徐々に増えてくる藪と大岩、ルーファイ能力が試されます。
なんとなく休憩してると、明らかにトラバースしている踏み跡があって、この先そのまま直登しても岩がありそうなので、試しにトラバースしてみると、これがまた正解で、なんとかギリギリ登れた。
そして、あと登山道との合流まであと比高100mだなんてところで、はい出てきました、ハイマツちゃん。
これがまた鬼きつで、今までの登山史上最もきついハイマツ漕ぎだった。
ただでさえ、テン泊装備でいつもより重くでかいザック。そして、限界突破してる体力。
最後に追い討ちをかけるように立ちはだかる、ハイマツの海。
まじで、完全にハイマツに身長越されて、全く前が見えない。このハイマツ漕ぎいつまで続くんだ、ってか、登山道はどっち方面だなんて考えつつただひたすら、ハイマツをかき分けていく。
そんな長い区間じゃなかったけど、体力的にも精神的にもだいぶ堪えた。
なんとか、見晴らしいいところについて、一息。黒戸尾根、坊主尾根がよく見えたけど、思うことはただひとつ、「いつ登山道と合流できるのか」
近いけど遠いなんて思いつつ這松漕いでると、前に人影が!
おお、あそこがゴールだ!なんて喜んでいるんと、その人影がなんか喋っている。
最初は、俺らに向けて、そんなところ歩くんじゃねーよってクレーム言って流のかと思いシカトしてたけど、どうやら相方のSさんの名前を呼んでいた。
実は、石室で合流予定のおっちゃんパーティーの一人で、その人だけ仕事の関係で、1泊で降りるところだった。
偶然にも、下山途中に俺ら見つけてくれて、会えないと思っていたからテンション上がった。
なんとか登山道に合流し、出会いを喜んだ。《440w》
これから黒戸尾根降るっていいうのに俺らと長い時間話してくれて、心が休まった《体力は回復しなかったけどね》
その方とは別れて、とりま甲斐駒山頂を目指す。
坊主尾根でかなり体力消耗したので、まるでゾンビのような歩きだったと思う。
どうにかこうにか山頂ついたけど、ガス、、
まーしゃあなし。
早く石室に行きたかったので、長居せず降った。
初めて歩くルートは楽しい!石室まであっという間について、おっちゃんパーティーと合流。
おっちゃん以外に、K2サミッターであるT氏《これから、明日仙丈小屋いって友達に会って、次の日に仕事場である「北岳肩の小屋」にいく、通勤途中なんだそうw
やっぱ、K2行く人は、やることがぶっとんでるww
あと、もう一人、初めての方がいて、おっちゃんの3こ下?のMさん。
この方、去年の晩秋から本格的に登山を始め、冬の常念でおっちゃんに出会い、今回、坊主山に誘われて、日向八丁尾根でここまできたそう。
そもそも、登山始めてすぐに常念の東尾根行くのすごいけど、今回も、初めての甲斐駒に北沢峠でも、黒戸でもなく、日向八丁尾根で、しかもその前に、南ア北部藪山最強と言われる「坊主山」に行くなんで、変態づくしでもう笑うしかなかった。
石室で、談義に花が咲き、楽しかったな〜
んでも、坊主尾根で疲れすぎたか、はたまた寝不足か、8時過ぎに眠りに落ちたようだった。
そして、次を覚ますともう起床時間30分前。すんげえ熟睡できたみたい。
外に出ると、星が綺麗だった。
準備して、俺とSさんは軽荷で坊主山へ。
2,800m付近のコルから沢地形を目指しております。
T氏とはここで別れて、4人で坊主山を目指す。
朝っぱらから這松漕ぎ笑ったな〜
しばらく藪漕ぎすると、沢に出ます。
沢は、本当に藪なしで、快適に下ることができました。
しかし、目指す坊主山はさらに下で、尾根に戻ってから、多少這松漕いだり、大岩乗り越えたり、、、
どんどん稜線が離れていくのが悲しかった。
大岩の上で小休止してると、先ほど別れたT氏が甲斐駒山頂に居るのが見えました。
坊主山への下りは急斜面ですが、踏み跡があったので、注意深く探してください。
そして、念願の坊主山到着!
やっとここに来ることができました!自分に行けるのかーって不安な時期もありましたが、ちゃんとたどり着くことができました!
みんな、もう2度と来ないであろうこの山頂を楽しみ、そして帰ります。
帰りは、いかに早く沢に出て、這松を避けるか。。
あとは頑張るしかないです。
帰り《登り》は早めに沢に出て、ハイマツ漕ぎはほぼ回避できました。
ナメ沢が美しかった。
そっから沢を詰めて、、比高100mくらいハイマツ漕いで稜線到着。
なんとか10時半にコルに戻ってくることができました。
おっちゃん、Mさんとはここでお別れ。
楽しかったです!また山行きましょう!
我々は、石室へ戻って、準備して、おっもいザック背負って、日向八丁へ。
すでに、石室から三ツ頭でバテバテ。
そっから烏帽子岳なんてもっとバテバテ、Sさんには迷惑かけました。
大岩山の壁は、ハシゴ、ロープがあったから通れたけど、なかったら降りれないですね、、
小屋の方に感謝です。
大岩山から鞍掛山分岐までは歩きやすい道ですが、自分は完全にゾンビ化していたので、それですらきつかった。
それでも、鞍掛山には行きたかったので、ザックデポって、ささっとピストンしました。
残念ながら甲斐駒はガスっていたので、鞍掛からの甲斐駒は見れなかったのですが、またいつかリベンジします。
鞍掛山から日向山は、以外に急斜面とかあって、神経使った。
日向山の最後の白砂の登りはただただ苦行でしたね。
日暮れの時間もあったので、山頂では長居せず下山。
どうにか明るい時間に下れました。
矢立石から篠沢橋までSさんに送ってもらい、ベルガで汗とハイマツ臭をながして終わりました。
さて、ということで、南ア藪岩山もだいたい行きつくして、個人的にはノルマ達成ってとこです。
他にも行きたい山がないわけでもないですが、来月にはビックイベントも控えているので、次がどうなるかわかりません。
最後に、大好きな甲斐駒を、坊主尾根、坊主山とW坊主で登ることができ、有終の美を飾れたんじゃないかなーって思っています。
今シーズン、
・茶臼岳《鳥小屋尾根》
・離山
・嫦娥岳《第三尾根↑角兵衛沢↓》
・北岳《嶺朋ルート》
・偃松尾山《大黒尾根↑ランカン尾根↓》
・槍ヶ岳《北鎌尾根》
・仙丈ヶ岳《三ツ石山尾根↑北沢山尾根↓》
・坊主山《坊主尾根↑日向八丁尾根↓》
と、アルプス藪岩山に散々付き合ってくれたSさんには感謝しかないです。
おかげで、なかなか濃いグリーンシーズンになりました!
ひとまず、どマイナー山行は一区切りですが、これで終わりではないです!
またお会いしましょう!