去年の10月に友人と乗鞍に行こうとしたが、快晴にもかかわらず路面凍結でバスが運休して行けず。それ以外も行く機会がないでもなかったが、なかなか実現せず。乗鞍は遠い訳でもないのに、小さい頃に親に車で連れて行ってもらった幽かな記憶があるくらい。 今度こそはという事で計画してみたが、畳平から散歩するものいいが、もっとどっぷりと味わうには麓から登った方がいいのではと。ただ、平湯からは結構なロングコース、標高差もそれなり、登山道がヤブっぽい、熊が出るなどの情報があり、以前からこのルートに興味があったが、なかなか足が動かなかった。 それでも最近はこのルートで登る人も多くなり、詳しい情報もたくさんあったのでかなり自分が登っているイメージも湧いてきた。そして、紅葉の時季は畳平から上の混雑がひどくなると思ったので、その前に行っておこうという算段。 まず駐車場問題。ネットで調べてみる。平湯IC横のトイレのある駐車スペースに停めている人が多いようだ。それから、あんき屋の駐車場利用。だが、近くに大きな駐車場があることが判明。平湯大滝駐車場との事だが、スキー場の駐車場でもあるのだろうか? 無料で停められるみたいなので今回、利用してみた。朝の5時前に着いた時には他に1台しかいなかったが、午後4時に帰って来てみたら10数台以上停まっていた。滝の見物の人が多いだろうから、登山者はどれくらいか分からない。 登山中のこと。 スキー場のトップまで行くには結構時間が掛かり、登りも単調で気持ち的にちょっとつらい。羊がいるとの事だが下の方には全くおらず、リフトトップに着いてもまだ見つからなかった(途中から糞はたくさん落ちていた)。それより上に行くと漸くのんびり草を食んでいる姿が見られた。ゲレンデを外れて、かなりの急斜面にへばりつくようにして草を食べている羊もいた。アイベックスかよ! かなり自由に行動しているようだ。 (この羊さん、あんき屋のジンギスカン定食の材料じゃないよね!??) ゲレンデ中腹にはまだ新しい熊の糞もあった。やはり生息地なのである。 登山道は、最初は歩きやすいと思ったが、どんどんヤブ化してきて急登も続くようになった。トラバース箇所も急な草付きで足運びが慎重になる。 道はハッキリとしているので、道迷いするほどのコースではない。が、鬱蒼とした薄暗い森の中を長い間歩くので、少々寂しい感じもする。 硫黄岳の稜線に出てからはとても快適になる。なので、権現社の先の鞍部を登り返す所まで来られれば少し安心してもいいかなと思った。 同じ方向に歩いていた人は1人しか見なかったが、下山して来る人とは5~6人すれ違った。 紅葉時の混雑を避けるつもりで来た筈なのに、畳平から上は混雑の極みだった。山頂直下はとてもゆっくり寛げる感じではないが、それだけ乗鞍が人気があるという事か。同じように比較的楽に登れる3000m峰である立山とは違い、ここではジーパン姿の人もかなり見受けられた。「いちばん楽に登れる3000m峰」と宣伝しているから仕方ないのだろう。 平湯ルートの森閑とした静けさと、山頂付近の喧騒と、ギャップが凄くて笑ってしまった。 持参水分:水1.5ℓ、スポーツドリンク500ml×2、朝食の残りのオレンジジュース少々。(計2.7ℓくらい) 消費:水500ml、スポーツドリンク500ml×1、ジュース。(計1.2ℓくらい) カラッとした秋のようだった先週と違い、今回は8月に戻ったかのような蒸し暑さだったが、案外飲まなかった。異常なまでに気温が上がることがなかったからか。
スタート。ここに来るまで、柵を乗り越えられそうな所があったが、山と高原地図に「電気柵注意」とあったのでここから入る
まずはひたすらゲレンデ登り。ゲレンデは朝露びっしょり地帯か、
ザレザレ地帯のいずれか。
50分後、広大な広場に着く。この辺りから上は羊の糞がたくさん落ちていました。中には新しい熊の糞も・・・。
広場からは笠ヶ岳、焼岳などが眺められる。
登山開始から1時間後、ゲレンデトップに到着。廃墟あり。
笠の眺めが素晴らしい。
更に登って、漸く羊がいました。
そして、登山開始から1時間10分、やっと登山口。
キノコがいろいろ生えていた。もう秋ですね。
途中、片側がざっくりと切れ落ちた所に出ます。
展望も抜群です。大迫力の槍穂高を見られます。
平湯の登山道は森が深い。コケもふもふ地帯多し。
水場分岐。ようやくここで初めて人に遇いました。水場に行ってみたそうですが、枯れていたとの事。
乗鞍権現社直下の金山尾根。ロープ付きの急登続きです。
suuntoの階段。他に、個人・企業名が刻まれた新しめの階段が多数あります。クラウドファンディングの成果。
権現社直下は足場の悪いトラバースが続きます。
開始から2時間50分、やっと乗鞍権現社に到着。ここでザックを下ろして休憩。(山と高原地図ではここまでのCTが3時間55分だが、思ったより掛からないようだ)。
権現社前は開けていて眺望が素晴らしい。
そして、ついに乗鞍岳をロックオン。
長野側は雲海。先週の白山では秋の空だったのに、今日は夏の空が戻って来たかのよう。
反対側の富山方面。遙か向こうに見えるのは空気の層?水平線?
十石山方面は何となく踏み跡が付いているように見えました。
こっちは乗鞍方面。なんじゃこりゃあ(>_<)と言うくらいのヤブ。(でも、道はちゃんと見えますので)。一旦、鞍部まで下る。
オヤマリンドウ。
登り返して漸く見通しが利くハイマツ地帯。
陽の当たるこの辺まで来るとやっと朝露からも解放されます。
甲斐駒と仙丈、北岳、間ノ岳。仙丈の後ろに隠れんぼするかのように富士山が。
南ア全景。甲斐駒~仙丈~白峰三山~塩見~悪沢~赤石。
北アルプスも勿論。
右側には双六、鷲羽、水晶も見えますね!
山頂部から火山ガスを噴出する焼岳。
奥穂アップ。
常念も見えた!
雲海に浮かぶ八ヶ岳。しかし、雲が多いな。
硫黄岳を目指す。今日の陽射しは、先週と較べてややムワっとする。夏のような感じ。
まだ咲いていた!!
berryたくさん。
一旦下る。
そしてザレザレの登り返し。ここがキツかったな~(+o+)
素晴らしい眺めに励まされつつ登る。
岳沢も全容が見えてきた。まだ雪がある。
硫黄岳からの道のりを振り返る。なだらかで気持ちの好い道でした。
あとちょっと~。
着いたぁ~。登山開始からちょうど5時間。
バス、自転車が通ります。坂がなだらかな所はちょっと走ってみた。すぐ疲れたorz
大黒岳登山口(右の山頂に休憩所が見えます)。さすが自転車の聖地なだけあって横からバンバン通って行きます。自転車の人とも挨拶は「こんにちは~」。
少し登ってから振り返って、烏帽子岳。水平線かと思っていた後ろの空のラインは空気の層だったようですね。
焼岳の後ろに野口五郎氏(紛らわしい書き方だ・・・)。
ここのイワヒバリは全く逃げないほど人馴れしていた。
一直線。そろそろお腹がグウグウ鳴り出してきた。
大黒岳山頂風景。
休憩所があります。
八ツ~南ア~中央アルプス。
ちょっと雲が掛かり始めた。
ターコイズブルーの鶴ヶ池。
おお!あんな自転車も走ってる!
畳平到着。さて、メシ、メシ!
銀嶺荘で飛騨牛カレーを食べました。
昼食と休憩をたっぷり取り、乗鞍山頂へ。肩ノ小屋まではこのような平らな砂利道です。
乗鞍コロナ観測所。道は分岐から封鎖されていて入れません。
剣ヶ峰が見えてきた。
肩ノ小屋到着。こんな山の上に立派な建物です。
小屋の裏手に剣ヶ峰口。最初はザレた登りです。
もうちょっとでトラバース終了。剣ヶ峰の稜線へ。
権現池。
蚕玉岳山頂と剣ヶ峰。
もう少しですな。
到着。山頂では写真撮影の順番待ち。
長そうです。
列をたどってお社の裏に回ってみると・・・。
ぐえぇ~。諦めました・・・。
だいぶんガスが湧いてきた。
何とか三角点撮影。
何とか標識のみ撮影。
何とか参拝はできたが、とても周囲の景色を楽しめる状況ではなかった。撮影もままならず。
頂上小屋から山頂を見上げる。
頂上小屋。売店あり。
下山もこのとおりの渋滞。
不動岳と不消ヶ池。
山と空の映り込みが綺麗です。
左側は富士見岳の斜面ですが、落石が非常に多いです。少し離れて歩いた方が良さそうです。
畳平に戻ってきました。
鶴ヶ池が空を映してまさに水鏡となっていました。
あ、そう言えば富士見岳登るの忘れてた。池の方ばかり見て歩いていたので、途中にある登山口を見逃してしまいました・・・。(こっちから登り返したくない)。また次回にするか。
乗鞍本宮中之社に参拝。無事下山を感謝する。
中之社と奥宮(山頂)でお参りしたので、「頂上本社」の印が入ります。御朱印を頂くときに、一言「山頂でもお参りしました」と言えば入れてもらえます。
そして、バス待ちの列・・・。とても一台に入り切る人数ではなかったが、臨時も出たので助かった。
バスは平湯温泉BTまで。そこから写真の「あんき屋」まで地味に登り返す。
あんき屋の裏にひっそりと登山口の碑。