飯豊クサイグラ陥落す

2024.04.13(土) 2 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
11 時間 36
休憩時間
34
距離
14.3 km
のぼり / くだり
2014 / 459 m
DAY 2
合計時間
4 時間 59
休憩時間
6
距離
12.9 km
のぼり / くだり
199 / 1757 m

活動詳細

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今シーズンの目標であるクサイグラ尾根。機は熟した。あとは登るだけです。 ちょっとおかしな人が登る修行系尾根とばかり思ってたが、景色は掛け値なしに飯豊一!しかし自分史上一番危険で体力的にも厳しい尾根だった。厭らしく残った残雪のおかげで5回くらい下手したら死ぬなという瞬間があった。 4時過ぎスタート。飯豊山荘を越え石転び分岐まで除雪されていた。橋を渡るといきなりクサイグラ取り付き。しっかり末端から登る。過去の記録ではならのき峰まで登山道並みの踏み跡があるとの触れ込みだったが踏まれなくなって久しい踏み跡が続いていた。歩ける区間もあるが漕ぎがメイン。 p816を越えると藪のボルテージも一段上がる。踏み跡はずっと続いてるので藪漕ぎレベルとしては並みだがとにかく長丁場。先を見渡すと雪尾根がすぐ近くに見えるのだがなかなか近づかない。それでも残雪を踏める目処があるのは精神的にラクだった。 藪尾根の途中に残雪がいくつか出てくるが、どうにも残り方がいやらしい。特に落ちかけた残雪ブロックを縫って進むのは生きた心地がしなかった。雪がすべて落ちてフル藪のほうがよほどいい。 1088三角点を越えてついに核心部の岩場に突き当たった。とても掴む気になれないボロボロの残置ロープが垂れてる。登りはじめが垂直で這い上がるのにクライミング的なムーブが求められる感じだった。クライマーなら楽勝なんだろうが。一応撤退用のロープは持ってきていたが使わないことを祈って先に進む。 この先細尾根の藪漕ぎをこなして1310mでついに雪原になった。穏やかなぶな林で一気に緊張がほぐれた。それにしても景色が最高。普段見ない角度から見る梶川尾根も新鮮だがダイグラから本山稜線までを間近に眺められるのはクサイグラの特権。 藪を避けて1500mまで来るとダケカンバに囲まれた庭園のような雪原になった。目の前には標高差200mの大斜面が聳える。本山や北股岳も一望。ここで幕営するのが最高の贅沢と思ったが、まだ昼前なので先に進む。 大斜面は初めこそ斜度は緩いものの追い上げられるうちにダガーポジションで登る状況になってしまった。もっと早く斜めに行けばよかったがここからトラバースしないといけない。既に滑ったら大ゴトの高さだ。ここから撤退は不可能。一歩一歩蹴り込んでなんとか灌木に取り付く。 この先はかなり尖ったナイフリッジになっていた。乗っかった残雪が雪庇なのか向こう側が見えないのでわからない。どのみち狭すぎて上は歩けない。体感70度くらいの斜面を灌木を絡めながら恐る恐るトラバース。掴んだ灌木が折れてもジ・エンド。あと1週間遅ければここの残雪も溶けてこんな怖いことしなくて済んだだろうなあ。 細尾根をクリアするとやっと尾根が広がった。稜線まで残雪が繋がってるのが見える。あとは歩くだけ。取り付きから優に9時間弱、クサイグラ完登です。 ゾンビになりながら梅花皮小屋へ。水出てます。飯食って速やかに寝た。(なんと同宿した山スキーヤーさんは参考にしたクサイグラ記録の人だった)下山は管理人さんの話では石転びは悪いと聞いたので梶川かと思ったが、北股岳に登り返す気力がなかったので雪渓を降りた。雪渓自体はいつも通りだったが、地竹原で上がったあとの夏道がヤバすぎ。乏しい手がかりと泥壁に打ち込んだピッケルで一歩一歩トラバースして通過。婆まくれはいつも通りだった。 あとは林道をとぼとぼ歩いて温泉と蕎麦の人になった。 クサイグラ最高でした。もう残雪期終わっていいです。単独では2度と来ません。かといって決して誰かにオススメできるような尾根でもなかった。Who's next challenger?

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