走れコミロス

2023.12.03(日) 日帰り

コミロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。 コミロスには政治がわからぬ。 コミロスは、しがないリーマンである。けれども邪悪に対しては人一倍に敏感であった。 「インボイス制度に電子帳簿保存法!? 残業増やしやがって!財○省め!」 コミロスは、単純な男であった。 ザックを背負ったままで、のそのそ城に入って行った。たちまち彼は、門番に捕まってしまった。

コミロスは、王の前に引き出された。
「この藁人形で何をするつもりであったか。言え!」
王は静かに、だが威厳をもって問い詰めた。
「そのぅ…小道具といいますか…」
コミロスはバツが悪そうに答えた。

コミロスは、王の前に引き出された。 「この藁人形で何をするつもりであったか。言え!」 王は静かに、だが威厳をもって問い詰めた。 「そのぅ…小道具といいますか…」 コミロスはバツが悪そうに答えた。

コミロスは、王の前に引き出された。 「この藁人形で何をするつもりであったか。言え!」 王は静かに、だが威厳をもって問い詰めた。 「そのぅ…小道具といいますか…」 コミロスはバツが悪そうに答えた。

「命乞いはしません。ただ、時間を下さい。
妹に亭主を持たせてやりたいのです。
今日の日没までに結婚式を挙げさせ、必ずここへ帰って来ますから!」

「命乞いはしません。ただ、時間を下さい。 妹に亭主を持たせてやりたいのです。 今日の日没までに結婚式を挙げさせ、必ずここへ帰って来ますから!」

「命乞いはしません。ただ、時間を下さい。 妹に亭主を持たせてやりたいのです。 今日の日没までに結婚式を挙げさせ、必ずここへ帰って来ますから!」

セリヌンティウス「ハイッ!お前、妹いたっけ?」
コミ「おいっ!人質は黙ってろ!」

セリヌンティウス「ハイッ!お前、妹いたっけ?」 コミ「おいっ!人質は黙ってろ!」

セリヌンティウス「ハイッ!お前、妹いたっけ?」 コミ「おいっ!人質は黙ってろ!」

セリヌンティウスは縄打たれた。
コミロスは、すぐに出発することにした。
晩秋、満車の乳待坊(ちまちぼう)駐車場である。

セリヌンティウスは縄打たれた。 コミロスは、すぐに出発することにした。 晩秋、満車の乳待坊(ちまちぼう)駐車場である。

セリヌンティウスは縄打たれた。 コミロスは、すぐに出発することにした。 晩秋、満車の乳待坊(ちまちぼう)駐車場である。

その後、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、コミロスはようやく村にたどり着いた。

その後、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、コミロスはようやく村にたどり着いた。

その後、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、コミロスはようやく村にたどり着いた。

陽は既に高く昇っていた。
村人たちは野に出て仕事を始めたのか、村は閑散としていた。

陽は既に高く昇っていた。 村人たちは野に出て仕事を始めたのか、村は閑散としていた。

陽は既に高く昇っていた。 村人たちは野に出て仕事を始めたのか、村は閑散としていた。

コミロスの十六になる妹は、よろめいて歩いて来る兄の疲労困憊の姿を見つけて驚いた。

コミロスの十六になる妹は、よろめいて歩いて来る兄の疲労困憊の姿を見つけて驚いた。

コミロスの十六になる妹は、よろめいて歩いて来る兄の疲労困憊の姿を見つけて驚いた。

「城に用事を残してきた。またすぐ城に行かなければならぬ。その前にお前の結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
「もー、お兄ちゃんたら!」
妹は頬を赤らめた。

「城に用事を残してきた。またすぐ城に行かなければならぬ。その前にお前の結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」 「もー、お兄ちゃんたら!」 妹は頬を赤らめた。

「城に用事を残してきた。またすぐ城に行かなければならぬ。その前にお前の結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」 「もー、お兄ちゃんたら!」 妹は頬を赤らめた。

間もなく結婚式が行われた。
新郎(なおきんぐ)新婦(まんじゅちゃん)の神々への宣誓が済んだころ、コミロスはわが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。

間もなく結婚式が行われた。 新郎(なおきんぐ)新婦(まんじゅちゃん)の神々への宣誓が済んだころ、コミロスはわが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。

間もなく結婚式が行われた。 新郎(なおきんぐ)新婦(まんじゅちゃん)の神々への宣誓が済んだころ、コミロスはわが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。

約束の刻限までにはまだ間に合う。
身仕度は出来た。
コミロスはぶるんと両腕を大きく振って、矢の如く走り出た。

約束の刻限までにはまだ間に合う。 身仕度は出来た。 コミロスはぶるんと両腕を大きく振って、矢の如く走り出た。

約束の刻限までにはまだ間に合う。 身仕度は出来た。 コミロスはぶるんと両腕を大きく振って、矢の如く走り出た。

さらば、ふるさと。コミロスは辛かった。
幾度か立ち止まりそうになった。えい、えいと大声上げて自身を叱りながら走った。

さらば、ふるさと。コミロスは辛かった。 幾度か立ち止まりそうになった。えい、えいと大声上げて自身を叱りながら走った。

さらば、ふるさと。コミロスは辛かった。 幾度か立ち止まりそうになった。えい、えいと大声上げて自身を叱りながら走った。

村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、見返り峠に着いた頃には、陽は西に傾きかけていた。
ここまで来れば大丈夫。もはや故郷への未練は無い。

村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、見返り峠に着いた頃には、陽は西に傾きかけていた。 ここまで来れば大丈夫。もはや故郷への未練は無い。

村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、見返り峠に着いた頃には、陽は西に傾きかけていた。 ここまで来れば大丈夫。もはや故郷への未練は無い。

一刻といえども無駄には出来ない。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠を登り切る。
急げ、コミロス。遅れてはならぬ。
愛と誠の力を、今こそ知らせてやるがよい。

一刻といえども無駄には出来ない。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠を登り切る。 急げ、コミロス。遅れてはならぬ。 愛と誠の力を、今こそ知らせてやるがよい。

一刻といえども無駄には出来ない。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠を登り切る。 急げ、コミロス。遅れてはならぬ。 愛と誠の力を、今こそ知らせてやるがよい。

そう、今だって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。
ありがとう、セリヌンティウス。

だから…走れ!コミロス。

そう、今だって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。 ありがとう、セリヌンティウス。 だから…走れ!コミロス。

そう、今だって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。 ありがとう、セリヌンティウス。 だから…走れ!コミロス。

見える。はるか向こうに小さく、城の塔楼が見える。
塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。

見える。はるか向こうに小さく、城の塔楼が見える。 塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。

見える。はるか向こうに小さく、城の塔楼が見える。 塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。

陽はゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も消えようとした時…

陽はゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も消えようとした時…

陽はゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も消えようとした時…

コミロスは疾風の如く城に突入し、高々とプレートを掲げた。
間に合った。インスタ映えもバッチリだ。

コミロスは疾風の如く城に突入し、高々とプレートを掲げた。 間に合った。インスタ映えもバッチリだ。

コミロスは疾風の如く城に突入し、高々とプレートを掲げた。 間に合った。インスタ映えもバッチリだ。

「待て!コミロスが帰ってきた。約束のとおり、今帰ってきた。」
コミロスは、大声で群衆に向かって叫んだ。

「待て!コミロスが帰ってきた。約束のとおり、今帰ってきた。」 コミロスは、大声で群衆に向かって叫んだ。

「待て!コミロスが帰ってきた。約束のとおり、今帰ってきた。」 コミロスは、大声で群衆に向かって叫んだ。

群衆はどよめいた。
あっぱれ、許せ、と口々にわめいた。
セリヌンティウスの縄は解かれたのである。

群衆はどよめいた。 あっぱれ、許せ、と口々にわめいた。 セリヌンティウスの縄は解かれたのである。

群衆はどよめいた。 あっぱれ、許せ、と口々にわめいた。 セリヌンティウスの縄は解かれたのである。

コミロスは眼に涙を浮かべて言った。
「セリヌンティウス、私を殴…痛っ!」
「遅せーよ」
セリヌンティウスは助走をつけてコミロスの右頬を殴ると、優しく微笑んだ。

コミロスは眼に涙を浮かべて言った。 「セリヌンティウス、私を殴…痛っ!」 「遅せーよ」 セリヌンティウスは助走をつけてコミロスの右頬を殴ると、優しく微笑んだ。

コミロスは眼に涙を浮かべて言った。 「セリヌンティウス、私を殴…痛っ!」 「遅せーよ」 セリヌンティウスは助走をつけてコミロスの右頬を殴ると、優しく微笑んだ。

やがて王が静かに二人に近づき、言った。
「お前らの望みは叶ったぞ。お前らは、わしの心に勝ったのだ。どうか、わしをこみなんとか探検隊の一員にしてほしい。」
どっと群衆の間に歓声が起こった。
「王様万歳、こみなんとか探検隊万歳。」

やがて王が静かに二人に近づき、言った。 「お前らの望みは叶ったぞ。お前らは、わしの心に勝ったのだ。どうか、わしをこみなんとか探検隊の一員にしてほしい。」 どっと群衆の間に歓声が起こった。 「王様万歳、こみなんとか探検隊万歳。」

やがて王が静かに二人に近づき、言った。 「お前らの望みは叶ったぞ。お前らは、わしの心に勝ったのだ。どうか、わしをこみなんとか探検隊の一員にしてほしい。」 どっと群衆の間に歓声が起こった。 「王様万歳、こみなんとか探検隊万歳。」

一人の少女が、マントをコミロスに捧げた。
良き友は、気を利かせて教えてやった。
「コミロス、君はまっ裸じゃないか。早くそれを着るがいい。この娘さんは、君の裸体を皆に見られるのが堪らなく口惜しいのだ。」

少女は、そっと110番した。

一人の少女が、マントをコミロスに捧げた。 良き友は、気を利かせて教えてやった。 「コミロス、君はまっ裸じゃないか。早くそれを着るがいい。この娘さんは、君の裸体を皆に見られるのが堪らなく口惜しいのだ。」 少女は、そっと110番した。

一人の少女が、マントをコミロスに捧げた。 良き友は、気を利かせて教えてやった。 「コミロス、君はまっ裸じゃないか。早くそれを着るがいい。この娘さんは、君の裸体を皆に見られるのが堪らなく口惜しいのだ。」 少女は、そっと110番した。

コミロスは、王の前に引き出された。 「この藁人形で何をするつもりであったか。言え!」 王は静かに、だが威厳をもって問い詰めた。 「そのぅ…小道具といいますか…」 コミロスはバツが悪そうに答えた。

「命乞いはしません。ただ、時間を下さい。 妹に亭主を持たせてやりたいのです。 今日の日没までに結婚式を挙げさせ、必ずここへ帰って来ますから!」

セリヌンティウス「ハイッ!お前、妹いたっけ?」 コミ「おいっ!人質は黙ってろ!」

セリヌンティウスは縄打たれた。 コミロスは、すぐに出発することにした。 晩秋、満車の乳待坊(ちまちぼう)駐車場である。

その後、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、コミロスはようやく村にたどり着いた。

陽は既に高く昇っていた。 村人たちは野に出て仕事を始めたのか、村は閑散としていた。

コミロスの十六になる妹は、よろめいて歩いて来る兄の疲労困憊の姿を見つけて驚いた。

「城に用事を残してきた。またすぐ城に行かなければならぬ。その前にお前の結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」 「もー、お兄ちゃんたら!」 妹は頬を赤らめた。

間もなく結婚式が行われた。 新郎(なおきんぐ)新婦(まんじゅちゃん)の神々への宣誓が済んだころ、コミロスはわが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。

約束の刻限までにはまだ間に合う。 身仕度は出来た。 コミロスはぶるんと両腕を大きく振って、矢の如く走り出た。

さらば、ふるさと。コミロスは辛かった。 幾度か立ち止まりそうになった。えい、えいと大声上げて自身を叱りながら走った。

村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、見返り峠に着いた頃には、陽は西に傾きかけていた。 ここまで来れば大丈夫。もはや故郷への未練は無い。

一刻といえども無駄には出来ない。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠を登り切る。 急げ、コミロス。遅れてはならぬ。 愛と誠の力を、今こそ知らせてやるがよい。

そう、今だって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。 ありがとう、セリヌンティウス。 だから…走れ!コミロス。

見える。はるか向こうに小さく、城の塔楼が見える。 塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。

陽はゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も消えようとした時…

コミロスは疾風の如く城に突入し、高々とプレートを掲げた。 間に合った。インスタ映えもバッチリだ。

「待て!コミロスが帰ってきた。約束のとおり、今帰ってきた。」 コミロスは、大声で群衆に向かって叫んだ。

群衆はどよめいた。 あっぱれ、許せ、と口々にわめいた。 セリヌンティウスの縄は解かれたのである。

コミロスは眼に涙を浮かべて言った。 「セリヌンティウス、私を殴…痛っ!」 「遅せーよ」 セリヌンティウスは助走をつけてコミロスの右頬を殴ると、優しく微笑んだ。

やがて王が静かに二人に近づき、言った。 「お前らの望みは叶ったぞ。お前らは、わしの心に勝ったのだ。どうか、わしをこみなんとか探検隊の一員にしてほしい。」 どっと群衆の間に歓声が起こった。 「王様万歳、こみなんとか探検隊万歳。」

一人の少女が、マントをコミロスに捧げた。 良き友は、気を利かせて教えてやった。 「コミロス、君はまっ裸じゃないか。早くそれを着るがいい。この娘さんは、君の裸体を皆に見られるのが堪らなく口惜しいのだ。」 少女は、そっと110番した。

この活動日記で通ったコース

見返り峠-黒髪山 往復コース

  • 01:58
  • 2.5 km
  • 311 m
  • コース定数 7