活動データ
タイム
07:19
距離
14.9km
のぼり
1459m
くだり
1460m
活動詳細
すべて見る参考文献 YAMAP丹沢山 東京起点沢登りルート120,山と渓谷社,2010 東京周辺の沢,白山書房,2000 ヤマケイアルペンガイド11 丹沢,山と渓谷社,2000 丹沢の谷110ルート,山と渓谷社,1995 沢登り入門とガイド,山と渓谷社,1995 日本登山体系[普及版]4 東京近郊の山,白水社,2016 2006年夏 - 丹沢・水無川本谷(http://nakayamayu.web.fc2.com/record/2006/06mizunashi/) 2008年夏 - 丹沢・水無川本谷(http://nakayamayu.web.fc2.com/record/2008/08mizunashi/) はじめに Sさん、Oさんにザイルワークを実践してもらおうと思い、水無川本谷に行くことにした。 水無川本谷は丹沢塔ノ岳の南東側にある谷。取り上げる本も多い有名な谷である。私も何回か登っているが、最後に登ったのは2008年なので14年ぶりだ。 水無川流域を知るのに本谷に登るのが一番いいし、たぶんSさんは塔ノ岳に登ったことがないだろうと思い選んだ。 大倉バス停から本谷堰堤まで 7:02渋沢駅発大倉行きのバスに乗る。満員。終点大倉で降り、トイレを済ます。 林道戸沢線は車やバイクが入っていてときどきエンジン音で振り返り道を開ける。戸沢出合までの長い道のりを経てトイレでひと休み。戸沢を渡り、本谷にかかる橋を渡り、はっきりしない道を登る。途中源次郎沢に入りそうになりながらも源次郎沢を渡って階段を登る。右岸沿いの道を登り、堰堤をいくつか越える。最後の堰堤は左から大高巻きする岩場があったが、登りにくそうなので小さく巻く。残置ロープを引っ張って登ったが、ロープを使わず左から巻く方が簡単そうだった。 堰堤の上の河原で沢タビに履き替え、ハーネスを履く。チャリチャリと金属音が聞こえてきたので後続パーティーに追いつかれたかと思ったら上流から5人くらいのパーティーが降りてきた。源次郎沢を登ろうとして間違えて本谷を登っていたとか。紛らわしいですよね、と話す。 本谷堰堤からF5まで しばらく河原を歩く。10分歩くとF1。黒々とした岩肌で立派な滝だ。左手の鎖ぞいに登る。ロープは出さなかった。 F1を登ると右手にセドの沢を分ける。左にはF2。左側にロープと鎖があるが、濡れていてルートが見えない。ロープを出して右から登ろうと思ったが支点が見つからない。しょうがないのでフリーで登る。残置シュリンゲをつかんで登った。 登ってから確保用に支点を探すが見つからない。適当な木も見当たらない。しょうがないので大岩をぐるりと回るようにロープを巻いて支点とする。SさんもOさんも難なく登ってきた。 F2を登ってからしばらく河原が続く。積極的に水に入りながら登っていくとゴルジュになりF3。右壁にシュリンゲが垂れていたがここも支点が見つけられない。フリーで登るのが怖いので左の鎖から巻く。トラバースから沢に降りるところがちょっとこわい。 すぐ上にF4。看板は下流を振り返った方向にあるので気づかないかもしれない。水流の左側を快適に登れる。右側に鎖が垂れているが、途中で小さなルンゼをまたいでいて何のためにあるのかわからない。濡れたくない人用だろうか。 ゴルジュが続きF5。右手の岩の上の方に中途半端に短い鎖がぶら下がっているのが見える。やっぱり支点が見つからない。途中まで登ってみるがこわくてびびって下る。さらに右を見ると巻いている足跡とロープがあるのでおとなしく巻くことにする。 F5からF8まで F5からしばらく河原歩き。沖ノ源次郎沢は気づかずに通り過ぎ、木ノ又大日沢出合で現在地確認。Sさんは少し疲れ気味。左の本谷に入る。 木ノ又大日沢出合を過ぎてF6。大岩を右から越える。難しいのはハングを残置シュリンゲで越えるところだけでロープを出すほどではなかった。先に登ってから写真を撮るがどうも映えない。2人を先に登らせればよかったと後悔する。 F6を過ぎてからしばらく河原歩き。15分ほどで節理の多い滝に出る。この辺りがF7だろうか。 その上で金冷シ沢が左から合流する。右の本谷へ行く。水量が減ったように感じる。 金冷シ沢から15分ほどでF8下に出る。ひと休み。他に入渓者がいないのが不思議だ。人気の沢でこれだけ暑い日なのに。 F8から塔ノ岳まで F8を右から巻く。もろいルンゼを登り、残置ロープに従い左の小尾根に上がる。小尾根を登り、途中で左にトラバース。ルンゼを渡り、台地に登るとあとは踏み跡に従い本谷に戻れた。 しばらく河原を登っていくとF9。「F」とだけ書かれた看板が落ちていた。右から巻く。トラバースして戻る道がはっきりしない。 樹林帯がひらけてガレ場が見えてくると水涸れ。急に水が涸れるのでそこで水汲み。古い堰堤は崩れたのか見当たらない。YAMAPで現在地確認するとF9の下で塔ノ岳に直登する沢と山頂からやや東の表尾根に出る沢に分かれ、私たちは東に分かれた沢を登っているようだ。直登する沢は気づかなかった。ただガイドを見る分には現在地で合っているらしい。 少しガレ場を登り左の小尾根に取り付く。トラバースすると反対側は急な沢になっている。小尾根には踏み跡があり、急だが四つん這いになるほどではない。えっちらおっちら登っていくと表尾根縦走路に出た。縦走路は人通りが多い。そのまま左へ曲がり塔ノ岳へ向かう。50mほどの登りがあってしんどい。 塔ノ岳から大倉バス停まで 塔ノ岳山頂は人が多く、適当なところで休む。おそるおそる沢タビを脱ぐと1人あたりヒルが1匹または2匹ついていた。小さく騒ぎながらはぎ取る。Oさんに聞くと最後に小尾根を登るときにタビに何匹かついていたという。 くもりで日差しがないながらも展望はよく、大島がくっきり見える。その右手にある島はなんだろう、新島かなと話す。 あとは大倉尾根をだらだら下る。12時すぎてからも登る人が多く、人気の山だ。Oさんと私は何度か登っているので雑談で気を紛らわせながら下る。ブラタモリ町田の回、八王子の回、私が県境縦走で町田付近がグジャグジャしていてめんどくさかった話、Oさんが自転車で青森まで行ってすぐ鈍行で帰ってきた話、など。 大倉バス停で時刻表を見ると2分前に発車したばかりだった。沢タビを洗ったりして過ごす。沢タビを入れていた袋にヒルが3匹もついてきてびっくりする。トイレの裏手で靴で踏んづけて引きはがした。考えてみると草の生えているところではなく、炎天下に置き去りにしておけばよかった。 バスに乗ってから靴の裏にくっついているんじゃないかとドキドキしながらも寝てしまった。 帰りは鶴巻温泉駅で降りて弘法の湯に入る。3人とも朝早かったこともあり、疲れてビールは1杯だけ。私は右足だけでなく左足も流血していてびっくりする。いつの間にくわれたのだろうか。 あとは小田急に乗って解散した。 おわりに たぶん14年ぶり4度目の水無川本谷だったが、記憶がほとんど薄れていたこともあり楽しめた。 支点がほとんど見つからずロープを出す機会がF2しかなかった。ロープを出して登るなら自分で支点を打たないといけない。私みたいな下手な人間が直登しないように支点を撤去したのだろうか。それとももっと探せば支点があったのだろうか。 また暑い日なのに他に遡行者がいなかった。土曜日も晴れだったので慣れた人は1泊2日の沢に行ったのだろうか。あるいはヒルが多いからみんな避けるようになってしまったのか。 楽しめたが、丹沢を訪れるたびにヒルが増えている気がする。奥多摩など他の山域に広がらないのを祈るばかりである。
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