行きたかった西沢渓谷、そこから登る百名山甲武信ヶ岳。 甲斐武田軍の軍用道路だった雁坂峠、東京都が整備した水源林と笠取山。そうだ、全部見たいから縦走しよう。 道の駅みとみ⇒西沢渓谷⇒甲武信ヶ岳⇒甲武信小屋(テン泊)⇒雁坂峠⇒雁坂小屋⇒雁峠⇒笠取小屋(テン泊)⇒笠取山⇒雁峠⇒道の駅みとみ このコースは、鬼の急登、縞枯荒野、岩場の縦走、枯れた草原、たおやかな稜線、富士山や南アルプスの景色と飽きさせません。 因みにテントからツェルトに変えて1キロ減量に成功し、ついウイスキー500mlをザックへ忍ばせたのは、ここだけの話。
道の駅みとみからスタート 山がよく見えます
よもぎ餅を購入160円 甘味は正義
徳ちゃん新道からIN
ミツバツツジ
シャクナゲと急登
サクラソウ
戸渡尾根から見た富士山、手前左に広瀬湖も見えます
シラビソの香り
ミツバオウレン やったー!
木賊山(とくさやま)
出たな、甲武信ヶ岳 相手になってやる
甲武信小屋に到着、広いテラス、清潔なトイレ、水は50円/L
地面が柔らか過ぎてポールでテンション張れず、両端を立ち木に結んで吊りました
小屋の下がテン場、夜中に強風が吹きましたが、テン場は大丈夫でした
軽装で甲武信ヶ岳アタック
やっぱり富士山
左から南アルプス、国師ヶ岳、金峰山、尖った部分は五丈岩
甲武信ヶ岳山頂、三脚をテントに忘れて不安定な岩の上からセルフで
夕飯は たらこスパゲッティ
翌朝の苔道、ここで、づめは考えた。 埼玉県最高峰「三宝山」まで往復1時間30分、行くべきか、あきらめるべきか。行けばCT10時間の縦走になる。今回は諦めて足を温存し、早めにテン場を目指そう。結果オーライ、安心安全、足ツリもなく中日を終えることができました。
砂道
縞枯
破風山避難小屋、その向こうは、そそり立つ破風山。 小屋に入り、サーモスから熱湯をにゅうめんにかけて朝ごはん。ついでにランチ用アルファ米パックにも熱湯を投入、ふやかします。 あれ?ふやかすって方言だっけ?
岩場をガンガン登ると
破風山
眺望は良いが、富士山はガスってボヤけていました
ここからは、今回のメインストリート ワクワクする岩場が続きます
次は雁坂嶺
降りて登ると
雁坂嶺
つい富士山を見てしまう
一面の草原
雁坂峠、真下をトンネルが完成するまでは、このハイキングルートが国道140号で、車の入れない「開かずの国道」だった。信玄公の軍用道路でもあり、ヤマトタケルノミコトも通った道らしい。今はバイクなら10分程でトンネル通過できます。ああ楽ちん。
少し降りて雁坂小屋へ、途中まで一緒だった方とここでランチ。その方は登山1年目で今回が初めてのテン泊だったとか。 今まで一番良かった山を聞かれて、雲ノ平と答えたら、何ですかそれは?と聞かれて、熱く語ろうとしたら、シチューを湯煎したコッヘルからお湯が吹きこぼれて、うやむやに!あー語りたい。 ところが、登った山を聞いたら、雲取山に両神山、おいおい、健脚じゃないですか。あーまた、お湯が吹きこぼれた、もう食べましょう、みたいな。
管理人さんが、この先笠取山まで素晴らしい景色の稜線が楽しめますよと、教えてくださいました。感謝です。 頼みついでに、小屋のスタンプありますか?と聞いたらないですと。残念がっていると領収書のスタンプを奥から引っ張り出してきて、これで良ければと言ってくださいました。管理人さんは相当いい人、送迎もやっているし(たった一人でどうしたら送迎できるのか謎は深まるばかり)ファンになりそうです。
コミヤカタバミ
苔とバイケイソウの登山道
古札山、管理人さんがここからの景色は良いと言ってました
大菩薩嶺
たおやかなコルに
下から風が吹き上げる草原
これが笠取山
雁峠、広い平原にフラットなベンチ
笠取小屋へ到着。人の好さそうな管理人さんと常連さんがいたので、中へ入れてもらいました。いかにも手作りのデカイ薪ストーブが暖かい。
ここでテン泊したら、夜中にすぐ近くでシカが「キョーン」と鳴いて、心臓バクバクでした
古都の寺のように 趣のある木道
正面に甲武信ヶ岳、破風山、水晶山、古札山。昨日のルートを振り返り。
朝もやの笠取山を登ります
最短で真っ直ぐに一直線に、 戦姫絶叫…
笠取山山頂
背中に日差しを浴びてブロッケンを狙ってみた。駄菓子菓子、ガスと背丈が足りず影だけの残念な結果に。
笠取山の凄いところは
山頂から始まるシャクナゲと楽しい岩場
ミツバツツジも
よいしょと、声を出さないと登れない足場や、滑る岩場を登った先に
本物の笠取山 山名標識があります
ここまで来た人だけに、シャクナゲがアーチで出迎え
「水干」とは、沢が山の斜面を登り詰め、水が枯れてなくなる場所「沢の行止まり」を意味する
そしてここは、多摩川の源流。ポチャと雫が落ちていました。 ここで私は考えた。うーさぶ、早くテン場に戻ってトイレに行こう。 と思った矢先に対向から素敵な女性がやってきた。どうやら水干が目的のようだ。何か問いかけたいらしく、こちらを見ている。 いわゆるチャンスタイムだ。俺だって語りたい、こんなズタボロの足でたった今アスレチックな笠取山を超えてきたんだ。上には花のアーチがあるよとかさあ。だがなあ、漏れそうだ。ちわーと笑顔で話しかけられないようにすれ違う。あとはトイレへ一目散だった。
バイバイ笠取山 今回の山行で最高だった
ずっと沢沿いを下ります。思い起こせば、渡渉の始まりがトラップの始まりだった。
トラップ① 登山道を塞ぐ3本の倒木、ピンクのテープが張ってあり迂回はできない。ザックと腹が引っ掛かり、何とも無様な格好に。
トラップ② 棒切れで渡渉、両岸にピンクのテープあるが、絶対に渡れない。遠く迂回して回避。
トラップ③ 渡りやすいと注意書きあるが、渡渉以前に乗った通路ごと崩壊。1mほど落ちて砂利まみれとなる。
クリンソウ
ヤマツツジ
シモツケでしょうか?
夏空だよー! ん?左は鶏冠山、正面が木賊山、その奥で見えないのが甲武信ヶ岳
スタート地点に戻る。ここからバイクで帰るんですが、バイク乗りは「ヤヘー」という習慣があって、対向車線を走るツーリングライダーに片手を挙げたり、メットで会釈して挨拶をします。 でも俺は登山であってツーリングじゃねーし、頼むからバイクで両手を離してマシンガンスタイルのヤヘーするのはやめてくれ。こっちは登山靴にスキーウェア、ザックからポールも出てるし、わかるだろ! 最初は無視していたが、みんながヤヘーしてくれるんで、とうとう自分からもヤヘーやっちまったぜ。おいおい、頼むから、ハンドルから両手を離して万歳で手を振るのはやめてくれ。
大滝温泉で檜風呂に入り わらじカツ丼と冷やしうどんセットを いただきました。