03:26
15.3 km
736 m
ピレネーへの道①目覚めよ登山筋
石垣島 南部 (沖縄)
2024.05.09(木) 日帰り
🌼gotoピレネー(への道) 5月29日~6月17日「gotoピレネー」のメインイベントとして、 🎯ローランの裂け目(標高2807m)~Taillon峰(3144m) 🎯Coma Pedrosa(アンドラ公国の最高峰、2943m) の2座にロックオンした。 初耳の名所「ローランの裂け目」なんて、RPGのダンジョンみたいな呼び名。本当に岩壁がパックリ裂けている(📷添付写真)。ぜひ見上げたい。 しかし、言うは易く行うは難し。以下のような課題やリスクがゴロゴロとしている。 1⃣未知のトレイル ピレネー山脈と言っても、地名も山名もトレイルも何も分からない。 訪日ハイカーに例えると、アルプスが人気なのは知っているが、カミコウチもヤリガタケもオモテギンザも「What ?」。そういうド素人である。 米国の登山アプリAllTrailsで検索し、まずは人気トレイルと難易度の見当を付けた。総じて「ジャンダルムや大キレットみたいなヤバさはない」という印象なんだけど。 フィジカルもリスク感覚も異なる外国人の投稿では、山行のニュアンスを掴みづらい。 2⃣日本の途上国化 このGW、海外旅行した日本人の「悲鳴」が盛んに報じられた。何を今さら。円安そのものより、報道のズレ具合がイタい。 スイスの首都ベルンの中央駅前で「3300円のチャーシュー麺」に遭遇したのは、2年前の夏。1㌦=130円台だったが、「欧米じゃ暮らせない時代」はとっくに到来していた。 まあ、貧しても抗う余地はある。早割と中食である。 2月初めに予約した成田ーパリ(UAE乗り継ぎ)は、往復12万5千円。今は同じ便が18万7千円。宿泊も含め、早期予約はmust。 おフランス料理をマシな値段で味わうなら、マルシェやデリを丹念に調べてからの中食三昧がいい。ワインもスーパーなら安い。 そこで、塩こしょう、ドレッシング、インスタント味噌汁、乾燥野菜、ワインオープナー、缶切りを持ち込む。いずれも地球放浪史上初めての試み。 ただし、パリの物価だけは手の施しようがない。市民も流出中というホラーの世界だ。民泊のワンルームでも1泊1万9千円。 3⃣めざせ無事故・無違反 ゴールド免許なのに、これまでのレンタカー放浪では、 🥲当て逃げで後部破損@豪州 🥲ダートでお腹を擦ってオイルが漏れ出し、レッカー出動@フィジー 🥲速度違反@アイスランド(罰金数万円) 🥲一時停止違反@カナダ(同) と、コンスタントに悲劇に見舞われている。ルール、道路の状態、取り締まりの手口が異なるので、全く油断できない。 フランスのルールを予習しようと、日本大使館作成のマニュアルを印刷した。 気になったのは「標識がない交差点では右側優先の法則が適用されるため、大通りを直進している時でも飛び出してくる車に注意すべし」というくだり。 見慣れない標識も含め、行きの機内で受験生みたいに一夜漬けをする羽目になる。 4⃣スト&デモ大国 フランスの航空管制官が先月、ストをすると言い出した(その後回避)。ロンドンの玄関口ヒースロー空港では、入国審査官が今月ストに突入。世間様のご迷惑とご心配を忌み嫌う日本人にとっては、異次元の世界だ。 パリ近郊では今月、公立高の生徒100人が欠席し、反イスラエルのデモをしたという。革命と近代民主主義とレジスタンスの本家本元では、10代半ばから街頭で闘うらしい。 観光客の対策としては「祈り」。平穏を祈るしかない。 そう言ってしまっては身も蓋もないので、気休めにフランス国鉄のアプリをインストールした。スト情報がこまめに入るという。 地球放浪の醍醐味とは、大小トラブル(物価を含む)との闘いである。 トラブルを想定して準備はするが、想定外のところで起きるからこそトラブルという。 その闘いを面倒臭いと感じた時、自由と自立を諦めて団体ツアーに退くことになる。そんなの嫌なので、粘り強く闘いたい。 🌼ピレネー山脈(Pyrénées)─── フランス・スペイン国境の山脈。地中海から大西洋(ビスケー湾)まで東西430km。最高峰はスペイン側のアネト山(標高3404m)。 🌼アンドラ(Andorra)─── ピレネー山脈の中腹にある公国(公爵が君主を務める国)。面積は金沢市くらい。人口8万人。首都アンドラ・ラ・ベリャ(標高1023m)。公用語はカタルーニャ語。通貨ユーロ。 —————————————————— gotoピレネーのメインイベントでは、難易度や体力度からして、槍ヶ岳を一般ルートで登るくらいの心構えは要ると見た。 ところが、筋肉に調子を尋ねたら「登り方を忘れた」と言う。確かに、3000m峰、標高差1000m超のガチ登山となると、1月のキリマンジャロ以来ご無沙汰。 「日本のムッシュが無謀ハイク」と地元紙を賑わせるわけにはいかない。登山筋を目覚めさせるべく、山トレを始めることにした。 沖縄県の平年の梅雨入りは5月10日ごろ。石垣島は本島から南西に411km離れているので(東京ー大阪間と同じ)、公式の梅雨入り日より早く降り始める。 今年は4月23日から5日連続の雨になり、珍しい「4月の梅雨入り」になるかなと思ったが、その後なんとなく持ち直した。 晴れたり降ったりのGWが明けたら、風が季節外れの北寄りになって湿度が下がり、地中海沿岸っぽい好天が続いている。これはチャンス。 でも、石垣島には低山しかない。累積標高差を稼げる縦走路もない。 よし、西側のオーシャンビュー3座をスクーターでハシゴしながら登ろう。登山筋の刺激になるし、眺めは安定感抜群だし。 🌴 🌴 🌴 🌴 🌴 一部がヒル地獄だから、9日、長パン&ゲイター&塩持参で出発した。気温21.5~27.5℃。石垣島とは思えないカラっとした快晴。 1座目をぶざま岳に決めたが、あまりにも気持ちいい天気なので、スクーターの速度は自然とゆっくりになり、寄り道も増えた。 名蔵湾沿いの県道に入ると、稲刈りを控えた右側の田んぼから、穂の香りが漂ってくる。左側は、お日様に青く輝く美ら海。 コメどころ庄内地方に住んでいた頃の風景や季節感の記憶が濃いので、トロピカルな田んぼには未だに慣れることがない。 上機嫌になって登山口で支度を始めるが、トレッキングポールのジョイントの具合が悪い。 1月のキリマンジャロで使って以来、押し入れに放っていたので、気づかなかった。仕方ない、騙し騙し使ってみるか。 トレッキングポールを両手に山道を登るという営みが懐かしい。トレイルはハイキングレベルで、難なく「テラス」に立った。 入り江のたおやかな湾曲をこれ以上ないバランスで一望できるのに、観光客バレしていない。 この日は干潮と重なり、潮が引いたところはクリーム色。そうでないところは美らブルー。その中間の色味もあって、グラデーションが魔術的だった。 2座目・前嵩(まえたけ)、3座目・屋良部岳も楽しみだなあと下山を始めたところ、つまずいてトレッキングポールに力を加えた途端、シャフトが外れた。 嫌な予感が当たった。問題のジョイント部分を調べると、外れたのではなく、金属パーツが折れている。 残りの1本を使って前嵩と屋良部岳を歩きながら、善後策を考えた。 修理は間に合わないな。宅配はMax10日かかるけど、きょう注文すれば大丈夫だろう。帰ったらamazonをチェックしよう—— 3座を登り終えても、累積標高差は700m超。山トレとしてはビミョーだが、登山筋が目覚めた感じはある。 何よりの収穫は、トレッキングポールを買い替える羽目になったことだ。ピレネーで壊れていたら、目も当てられなかった。 お家でポチったのは「Pike Trail」という初耳の米国メーカー製。カーボンというのに「7980円」は怪しい。 答えはピレネーで出る。 🌼おしらせ─── 次回は、ピレネーへの道②完「第6回バンナ耐久®」。開催は1年2カ月ぶり。孤高の6連覇に挑みます。 ——————————————————