比良山地・武奈ヶ岳・釈迦岳(滋賀,京都)
2026.07.11 (土)2日間
近畿が誇る比良比叡トレイルを1泊2日で縦走。
比叡山から比良山系北端まで繋ぐこのルートでは、豊かな歴史と琵琶湖の絶景が味わえる。
今回は寝不足と体調不良か、歩き始めから身体に力が入らない上、休憩で座ると猛烈な眠気に襲われる、とても辛い試練の山行だった。
休憩のたびに 10-20 分ほど座ったまま寝てしまう状態が2日間とも続き、休憩時間が膨らんだ。
行き: 22:55 東京駅→ 5:35 南草津駅を夜行バス、5:45 南草津→ 6:20 松ノ馬場を電車で移動した。
帰り: 17:40 朽木学校前→ 18:15 安曇川駅をバス、18:33 安曇川→ 19:30 京都を電車、東京には新幹線で帰った。
1日目: 曇のち晴、前日は雨。
まず比叡山に登る無動寺坂に取り付く。重い身体で明王堂まで登り休憩すると、気づかないうちに座ったまま10分ほど眠っていた。
比叡山では延暦寺境内を抜けていくのが最大の見所で、東塔、西塔そして横川と世界遺産の歴史あるエリアを散策しながら北上する。
千日回峰行でも修行しながらこの辺りを歩くという。標高が低いため、風が抜けず展望もない。滝のような汗が噴き出した。
京都盆地が見渡せる玉体杉で少し休憩。梅雨明けの市街地はうだるような暑さだろうと想像した。
横川から仰木峠へ向かう登山道では、両脚をヤマビルに噛まれ、腕にはマダニが付いていた。定期的に靴と靴下を脱いでは、ヤマビルがいないか確認した。
この時期の標高 600m 程の低山縦走は危険が多い哉。
比叡山系を縦走して下り、伊香立の還来神社に到着、境内脇にある自販機で水分を補給できた。
1日目の難所は目の前にそびえる比良山系への登り返しで、霊仙山と権現山への急登は体調不良の身には堪えた。
権現山頂に飛び出すと一気に視界が開けた。森林限界を抜ければ潅木帯となり、眼下に海のような広大な琵琶湖の絶景が広がる。
これまでのツラさが吹き飛ぶような絶景で、幕営地の小女郎ヶ池まで景色を堪能して歩いた。
小女郎ヶ池の畔に幕営。先着の方が、夕暮れに染まっていく池の様子を一眼レフで撮影していた。
雰囲気は抜群だが、水辺特有の蚊や羽虫が非常に多く、蛙の鳴き声も終始喧しかった。
今思えば、風が通る権現山の平らな山頂や以降の平坦地に幕営した方が賢明だったかもしれない。
2日目: 曇のち晴
よく寝ても体調は回復せず、4:00頃に出発。
蓬莱山から琵琶湖バレイのある打見山にかけては、琵琶湖を眼下に素晴らしい稜線歩きとなる。
スキー場の自販機で冷たいココアを買ってパンと一緒にのんびり朝食。木戸峠までスキー場斜面の草地を下るが、鹿の糞だらけで気持ちが落ちる。
木戸峠を過ぎると、一転して美しいブナの樹林帯へと入っていく。時折り開けた場所から琵琶湖を見渡せる、歩いていて楽しいトレイルだ。
比良岳を越えて堂満岳の分岐付近まで来ると、武奈ヶ岳を目指すであろう登山者が増え始めた。
金糞峠を越えると、北比良峠や八雲ヶ原をはじめとする平坦な幕営適地が多くある。
比良山系最高峰 武奈ヶ岳の登りに差し掛かる頃には太陽が完全に顔を出し、遮るもののない直射日光で疲弊する。
暑熱順化できておらず、オーバーヒートしないように木陰で何度か休憩。森を抜ける風が噴き出した汗を身体からさらってくれて心地よい。
辿り着いた武奈ヶ岳山頂からは、琵琶湖方面はガスで白く霞んでいたが、反対側の洛北の山々は幾重にも連なる美しい峰々を見せてくれた。
山頂を後にして釣瓶岳へ向かうと、登山者がいなくなり静寂が戻る。日陰だが展望もない樹林帯を進み地蔵山を越えた頃には、ブナ林から杉林へ植生が変わる。
体調が悪いのか歩く根気が切れてしまい、少し歩いては倒れ込むように木の根に座り10-20分と眠りこけるのを繰り返し、時間だけが過ぎる。
ボボフダ峠辺りで手持ちの水が心許なくなり、ルートから外れて沢へ下り水を補給。冷たい水で顔を洗うと一瞬生き返ったが、睡魔は去らない。
最後の関門である蛇谷ヶ岳を登り返すと、久々に琵琶湖の広大な展望が広がった。あとはゴールの朽木温泉まで一気に下った。
温泉に浸かりながら距離50kmを超える縦走を振り返ると、体調管理不足で 2026 年のこれまでで一番ツラい耐え忍ぶ山行だったと感じた。
それでも、延暦寺の厳かで静謐な空気、権現山からの琵琶湖を見下ろすパノラマ絶景、そして比良山系のブナ森を五感で駆け抜けた2日間で
比良比叡トレイルの縦走を美しくも過酷で忘れられない記憶として刻むことができた。