芽吹く春を縛りし鎖刃
霧ヶ峰・車山・大笹峰
(長野)
2026年04月08日(水)
日帰り
4月に突入し、中旬になろうとしている。
そろそろ、今年の課題としているお山へたくさんいきたいと考えている。
雪が解け次第、高いお山へ順次計画していきたい。
そんな中、アルシュベルドよりどこか行きたいと強請ってきた……。
そこで今回は、改めてあのお山にて軽く一回りしてみることにした。
それは、「霧ヶ峰」。
かつて一回攻略しているが、その時は花粉が飛び交う空が真っ黄色な時。
景色など楽しむ余裕はなく、車山肩からの往復でごく短時間しかいなかった。
したがって本日はしっかりと霧ヶ峰そのものを味わい尽くしたいという事で、アルシュベルド、レ・ダウと共に行ってみることとなった。
降り着いたのは、八島ヶ原湿原駐車場。
早速登り始める……。
霧ヶ峰に登るだけなら、上記の通り車山肩から車山へ歩けば1時間半もあれば登ることができる。
今回は、霧ヶ峰界隈の中央分水嶺の山塊を一回りする為、八島ヶ原湿原が起点となる。
まず行くのは、蝶々深山。
木道を経て湿原の南側半周を歩いて行くが、途中から見える湿原はとてつもなく広く、まるで天空の楽園のように見える。
八島ヶ原湿原を暫く歩いて行くと、鹿避けの柵を潜ったのち、小さな河原を歩いて行く。
そこには御射山ヒュッテがあり、その脇に佇む諏訪神社より更に尾根上へ進む。
尾根上への道にはクヌルプヒュッテがあり、途中から笹薮の回廊が出てきた。
最初は非常に緩やかな道だが、暫く登って行くとどんどんきつくなる。
泥濘んだ道に変わり、茅だらけの草原が出てきた。
少しずつ木々が疎になり、前方に広く大きな稜線が出て来た。
足下はねちょねちょの泥の道が続き、靴に容赦無くこびり付く。
泥濘んだ坂を登り進めると、ようやく稜線上に出た。
背後を振り返ると、さっきまで歩いて来た八島ヶ原湿原と、その向こうに美ヶ原と北アルプスの白き峰々が連なっていた。
稜線上より、蝶々深山へ向かう。
少しだけ下り、再び泥濘んだ道を登り返す。
あまりにも広い稜線のため、両側に崖などの斜面が一切見当たらない。
泥濘んだ道を登り返すと、最初のお山である蝶々深山に着いた。
車山高原らしく、どこを見渡してもアルプスや八ヶ岳といった中信の高いお山が連なり、春だけあってまだ雪に閉ざされていた。
蝶々深山を後にして、今度は車山へ向かう。
泥濘んだ小石混じりの坂を下りて行くと、その鞍部には車山湿原があった。
ねちょねちょの坂の向こうには木道が続いていて、これよりしばらく水平移動となる。
少しずつ車山が近づいて来て、どっしりとした山容がなかなか迫力がある。
車山湿原を通り過ぎると、車山乗越に着いた。
通称“スヌーピー岩”と呼ばれる休憩所を横目に、一旦車山高原スカイパークスキー場へ向かう。
スキー場のゲレンデまで行くと、僅かに締まった粉雪の上を歩いて行く。
粉雪の坂を少しだけ登って行くと、最後の登りとなる。
丸太の階段が出てきて、どんどん高度を上げて行く。
折り返したのちそのまま稜線上を登って行くと、気象観測所が出てきた。
そこから程なくして、遂に車山の山頂にたどり着いた。
山頂からは、圧巻の絶景が広がっていた……。
目の前には白樺湖を隔てて蓼科山がそそり立ち、そこから南へ向かって八ヶ岳が連なる。
南側には南アルプスと中央アルプスの高峰が見え、北側には浅間山が聳え立っている。
そして西には美ヶ原と共に長大な北アルプスの峰々が雪を纏い林立していた。
少しだけ休んだのち、車山を後にする。
丸太の階段を下りていき、雪の坂を一気に駆け下りる。
車山高原スカイパークスキー場からスヌーピー岩へ戻り、車山乗越より今度は北上する。
茅に覆われた稜線上をだらだら登って行くと、殿城山分岐点が出てきた。
分岐点を西へ進むと、少しだけ下りたのち再び登り返す。
登り返した先には蝶々深山北稜があり、そこからはこれから行く霧ヶ峰後半の山彦谷山群が一望できた。
これより山彦谷山群を歩いて、八島ヶ原湿原へ戻る。
蝶々深山北稜を駆け下りていき、少しだけ登り返す。
概ね泥濘んだ道だが、登り返すと小石だらけのがれ場となり少々歩きづらい……。
がれ場をなんとか登り切ると、山彦谷南の耳に着いた。
眼下にはエコーバレースキー場が見え、その向こうには諏訪富士たる蓼科山が聳え立っていた。
山彦谷南の耳を通り抜け、次に向かうのは北の耳。
南の耳からの下りはかなりの傾斜角で、北側斜面のため雪が残っていた。
律儀に雪の斜面を下りると間違いなく転倒しかねないので、ここは仕方なく笹を掴みながら強引に斜面を下りることにした。
なんとか南の耳を下り切ると、間髪入れずに北の耳への登りが出てきた。
山彦谷北の耳はさっきの南の耳に比べてかなり緩やかになっていて、あっという間に着いた。
山彦谷北の耳には、もうひとつ東側に前衛峰にあたるお山がある。
いわゆる大笹峰と呼ばれるもので、そちらへは往復30分弱ということで寄ってみることにした。
大笹峰へはほとんど登り下りなどはなく、破線ルートにしては非常に歩きやすい道だった。
笹の回廊を歩き続け、ブランシュたかやまスキーリゾートの最上層部の枝の門を潜り抜けると、大笹峰に着いた。
目の前に聳え立つ蓼科山が素晴らしく、均等に整った姿は圧巻だった。
大笹峰を後にして、山彦谷北の耳へ戻る。
ここからは、山彦谷山群最後のお山であるゼブラ山へ向かう。
別名男女倉山とも呼ばれ、緩やかな稜線をしばらく歩いて行く。
天上の楽園を思わせる空中回廊を辿って行くと、少しだけ下ったのち泥濘んだ急登が出て来た。
そんな泥濘んだ急登を登り切ると、程なくしてゼブラ山に着いた。
ゼブラ山からは、そのまま八島ヶ原湿原へ向けて下りるのみとなる。
湿原への道はかなり急な激下りだった。
ざれていて、あまり長居したくない道だった。
激下りを暫く下りて行くと、再び笹薮に覆われた回廊が出て来た。
樹林帯に突入し、さっきまでの開放感抜群の世界からうって変わって圧迫感漂う場所だった。
樹林帯を少しだけ歩くと、砂利道が出て来た。
その先には木道が続いていて、これより八島ヶ原湿原北側半分を歩くことなる。
まだ春先のためほとんど植物が芽吹いていないが、目の前に広がる湿原はやはり圧倒的で、まさに天上の楽園そのものだった。
鎌ヶ池と八島池を横目に木道を歩いていき、最初に歩いて来た展望台へ向かう。
展望台からは少しだけ階段を登っていき、駐車場へ戻る。
砂利道を少しだけ歩き、登り始めてから3時間を超えた頃ようやく八島ヶ原湿原駐車場まで下りてくることができた。
初見で行った頃の霧ヶ峰では、あまり景色は楽しめなかった分、今回は素晴らしい絶景を堪能できた。
足早に帰宅の路へつく……。
春の霧ヶ峰にて、天上の散歩を楽しんだアルシュベルドであった。