裏六甲を繋ぐ|炭ヶ谷から南北ドントリッジ、新神戸へ抜ける一日。
六甲山・長峰山・摩耶山
(兵庫, 大阪)
2026年03月20日(金)
日帰り
裏六甲の谷を辿り、
ドントリッジを越えて布引へ――
静かな谷、試されるルート、
そして異国の名を持つ稜線へと繋がる一日となりました。
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谷上駅からスタート。標高は既に約244m。
日本で最も標高の高い地下鉄駅で、
ここから一気に裏六甲の懐へ入れる貴重な拠点です。
改札を出た瞬間、駅構内のスーパーから漂ってきた
香ばしく甘い焼き芋の香り🍠に思わず足が止まります。
この日は朝から何も食べておらず、
気づけば桜餅と一緒に手に取っていました。
――そしてこれが、
この日の“最高の伏線”になります🤭
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13時出発。
少し遅めのスタートに気持ちが急き、
住宅街を抜けて石楠花山登山口へ。
阪神高速7号北神戸線の下をくぐると、
一気に空気が変わり、谷筋の気配が現れます。
炭ヶ谷第1・第2砂防ダムを巻く頃から、
傾斜は徐々に厳しさを増していきました。
登山道脇には、炭焼窯と思われる石造物。
この谷の名前の由来を、静かに物語っているようでした。
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谷を詰め、烏帽子岩・双子山の分岐へ。
せっかくなので両方に立ち寄りますが、
烏帽子岩は大岩がひとつ、
双子山はグレーピーク。
そして石楠花山も二等三角点のみ。
正直、どれも“静かな山”でした。
しかし次に向かった天狗岩で、景色は一変します。
崖からせり出す岩の上に立つと、
鈴蘭台から明石海峡方面まで見渡せるパノラマ。
――この瞬間のために、ここまで登ってきた。
そう思える景色でした✨
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県道16号を横断し、黄蓮谷へ。
木漏れ日、緑の匂い、
そして時折吹き抜ける冷たい風🌳。
心地よさに足取りも軽くなります。
…が、尾根道が続くうちに分岐を見落とし、
本来下るべき谷ルートをロスト。
少しずつ踏み跡も曖昧になり、
GPSを頼りにルートファインディング。
このあたりから、
“山に試されている感覚”が強くなっていきました😨
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薄い踏み跡を手がかりになんとかヌケ谷へ復帰。
澄んだ水の流れに手を浸し、
これまでの緊張と汚れを洗い流します🚿。
このひとときの静けさとせせらぎの音が
妙に印象に残りました☺️
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徳川道に合流し、森林植物園へ。
東門から入り、青葉トンネルの手前、
日本針葉樹林区の緩やかな階段を登っていくと、
木の根道へ🌲。
そしていよいよ――
本日の核心、ドントリッジへ。
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六甲山には、外国人の名が残る登山道がいくつか存在します。
六甲山は、1868年の神戸港開港以降、
居留地の外国人たちによって開拓された日本の近代登山発祥の地であるため、
外国語や外国人に関連する名称を持つ登山道があります。
大正から昭和初期にかけて神戸に在住し、
六甲登山の先駆者であった H.E.ドーント(H.E. Daunt)氏。
この尾根を愛したことが、その名の由来とされています。
A.H.グルーム氏と並び、
まさに六甲山の歴史そのものを感じさせる存在です🤔。
北ドントリッジは、
起伏に富んだ痩せ尾根が続きます。
岩、砂礫、木々。
自然の造形がそのまま道になっているような、
静かで美しいナイフリッジ。
思わず足を止めてしまうような景色が、
何度も現れました。
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分水嶺を越え、南ドントリッジへ。
北の緊張感とは対照的に、
穏やかで歩きやすい尾根道が続き、
そのまま高雄山頂へ。⛰️
ここで、ひとつの流れが繋がった感覚がありました。
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市ヶ原へ下山。
五本松堰堤で、持ってきたおやつとコーヒータイム。
夕日に照らされた布引貯水池を眺めながら、
朝に買った焼き芋と、熱々のコーヒー。☕️
――あの時の選択が、ここでようやく報われます。
山の中で始まり、
街の近くで終わるこの時間。
この一日のすべてが、
ここに集約されているようでした。
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最後は、
見晴らし展望台 → 布引雌雄滝 → 新神戸駅。
山から街へ。
静けさから日常へ戻る道を、
ゆっくりと歩いていきました。
裏六甲の谷を辿り、
異国の名を持つ稜線を越え、
表六甲へと抜ける一日。
静けさと緊張、そして解放。
六甲の奥深さを感じる、印象的なルートでした。