鞍ケ嶺の往時を想ふやう 千町尾根→乗鞍岳→平湯尾根
乗鞍岳
(岐阜, 長野)
2025年07月20日(日)〜21日(月)
2日間
歴史は古く800年代よりも前から愛宝山とも呼ばれた乗鞍岳。
現代となっては畳平まで道路が走り、2,702mまでバスを使って登るのが一般的だか、修験道として千町尾根が、明治には平湯尾根が登山道として開かれたと聞く。
昨年春に発刊された帰ってきた避難小屋を読んで、奥千町避難小屋を知ってから、千町尾根と平湯尾根を知り、北東北の避難小屋を思わせるその佇まいに、hirosyさんもこれは行かねばならないと思い、その年の夏は計画が流れて1年半越しに歩く事が出来ました。
DAY.1
まるでビッグサイトのイベント並みに混み合うさわんどBTを通り過ぎて、静かな平湯大滝の駐車場にてhirosyさんと合流、車を1台停めてそこから1時間程車を走らせて、乗鞍青少年交流の家から山行を開始。
多少のアップダウンのある広いハイキングコースを歩いて行くと枯松平休憩舎に到着。
毎度のことながらついでピークハントで向かった枯松平山は背丈以上に伸びる激ヤブに一気に体力を消費、それに時間も。
クタクタになりながら、丸黒山へのガンバル坂・根性坂へ向かい、身体に追い討ちをかける。
丸黒山からは北ア南部の見晴らし良いものの、一気に高度を落としてまた千町尾根へ登り返すので、また疲労が溜まっていく。
奥千町避難小屋も目的ではあるが、初日の目的は湿原に咲くワタスゲ達、夏にここを歩こうと計画したのはこの為である。
たまに現れる木道にそろそろか?と期待をするもたなかなか現れない、心配していた薮も昨年刈り払いがされたようで歩きやすく、丸黒山から2時間程歩いて、いよいよそれが現れた。
夏の空が映る池塘に純白の綿が浮かぶ路は別天地で、この景色を待っていた。
暫し歩いて振り返ると池塘が棚田のようで八幡平とも苗場とも違う美しさがある。
そんな世界をゆっくりと歩いていくと、赤い屋根が見え、念願の奥千町避難小屋に到着。
持ち込んだ宴会セットを広げて、4時間程その世界を肴に酒を楽しみました。
DAY.2
4時に小屋を出ると厚い雲は消えていて、湿原が輝いている。
hirosyさんも私も朝の湿原が大好きで、これから続く剣ヶ峰までの路はゆっくりと歩くことにしました。
千町尾根に敷かれている木道は古くて、途中、途切れ途切れになっているので、植物達を踏んでしまうところも複数ある。
今でこそ、これだけ沢山の植物が生きているが、この路が多くの人に知られたら、この環境も維持できなくなってしまうのではと不安になる。
足元が岩とハイ松へと変わり、周囲を見渡すと雲に隠れていた御嶽山は左右均等な姿をしていて美しい、この日は中ア・南ア・八ヶ岳が遠望出来た。
大日岳直下のコルには今まで以上に花が咲き乱れていて、時間を忘れて花を愛でてしまう。
きっと剣ヶ峰から先は人だらけで、ここ以上に花がない事を知っているから、先に進みたくないとも思ってしまう。
剣ヶ峰へ。
薬師岳から後立山まで見渡せる程の空、乗鞍から穂高連峰まで繋がれるような景色を見て、この山は北アルプスの山である事を再認識、黒五のピークはその最深部にある事が良くわかる景色だった。
畳平BTでそばをすすってから一旦乗鞍スカイラインへ出る、桔梗ヶ原と呼ばれる場所は舗装の境まで花が咲いていて、ここもまたなかなか先に進めない、平湯・乗鞍新登山道の入り口までまた時間をかけてしまった。
硫黄岳への登り返しをしていると、次第に厚い雲が立ち込めてきて、雨はやだなと思っていると、落雷がこちらに迫ってきた。
雨具の上だけ羽織り、ともかく樹林帯へ乗鞍大権現までともかく急いでいると、今度は熊の鳴き声。
ふたつのピンチを乗り越えて、乗鞍大権現で休憩していると、また空は晴れてきた。
そこからは綺麗に刈り払いのされた道が続いて、平湯スキー場のトップへ到着、砂利の敷かれた林道を歩いて無事に平湯の森に浸かる事が出来ました。
乗鞍岳といえば整備の整った畳平で、おそらく剣ヶ峰を目指す人のおそらく数パーセントの人は千町尾根を歩くと思います。
あの尾根で生き生きと暮らす草花の事を思うと、歩く事が後ろめたく感じます。
あの草花達の事を考えると、このレポートを公開するのも考えものですが、歴史ある路が廃道となってしまうのもよろしくないと思い、公開させて頂きます。
他の山にも整備が出来ずに廃道となってしまう可能性のある路や、廃道になってしまった路が増えてきていると聞きます。
前述の話から屈折してはおりますが、多くの人に自然を知ってもらい、山歩きの良さを残していければと考えております。
●下山後は平湯の森で汗を流す♨️
●絵面は申し訳ないけど、真夏の山には日傘が良い
●奥千町避難小屋には水場がないので、5リットル背負いました。