23:20
44.1 km
3446 m
晩秋に歩く/台高山脈縦走
桧塚奥峰・明神岳・薊岳 (三重, 奈良)
2025年11月22日(土)〜24日(月) 3日間
大和の国は日本で一番早く文化の開けた土地であるが、その南半は山岳が重畳している。 その中で、南北に走っている二つの長大な山脈が、大峰山脈と台高山脈である。 前者は有名であるが、後者はあまり知られていない。 台高山脈とは、奈良・三重県境にある高見山から始まって南に延び、その終わりに近く盛り上がっているのが大台ヶ原山である。 ~日本百名山(深田久弥)より一部抜粋~ 難路に加えて活動日記の数も少なく詳細なレポも多くはない。 しかも晩秋に歩いている記録は特に少なく心配な水場の情報は皆無といっていい。 そこで多少ではあるが水場情報を含め、晩秋の様子をここに綴る。 【計画】 最初は明神平~大台ヶ原へ南下する予定だったが最終日の天候が曇り空という予報だったので 日出ヶ岳を初日に変更し、明神平を最終日にするという北上ルートに変更した。 そうすることで累積標高差が1000m以上逆転して行程が圧倒的に楽になるというメリットが生じた。 イオンモール橿原から出る大台ヶ原行きバスに乗り 明神平登山口である大又集落から東吉野コミュニティバスに乗り菟田野→榛原→イオンモール橿原という行程を組んだ。 【1日目】 予定より早くイオンモール橿原に到着しコンビニに寄ったりしていたらバス出発時刻ギリギリにバス停に到着する始末。 始発での乗客は我々だけだったが大和八木駅でたくさん乗車し、橿原神宮前で席の半分は埋まった。(片側はザックを皆さん置いている) バスは観光地をアナウンスしながら走り、途中の道の駅で20分の休憩を挟み、終着の大台ヶ原へ10分前に到着した。 まずはお手洗いに行きつつ、前回行き忘れた電子基準点にご挨拶。 日出ヶ岳に到着し3週間ぶりの山頂風景を楽しんだ。 県境尾根に入り巴岳、名古屋岳、三津河落山と歩く。 南下ルートを取った場合、この3座は時間が無ければ歩くことが出来なかったかも知れない。 巴岳はランドマークはなく、標石が埋まっていて驚いた。 大台ヶ原遊歩道に出ると時々崩落はしているが概ね歩きやすい道が続いた。 大台辻に立つ道標には「台高山系(悪路注意)」と書かれ、ここを境に道が無くなった笑 藪も多少はあるが歩きやすい区間はしばらく続き美しいブナ林が目を見張る。 添谷山から道が悪くなり引水サコへの下りは最初の核心部となった。 その引水サコだが水の流れはなく、下流側に水溜りがある程度だったので諦めて翌日の水場に期待した。 P1118付近は緩やかな谷地形があり、テントも張れそうだったが少し下った場所の細い平らな場所があったので無理して進まずテン場とした。 【2日目】 6:00出発の予定が30分の寝坊。2人して驚いた。 2日目も悪路は続く。 細尾根、急峻な斜面、藪、岩場に留まることなきアップダウン。 注意していれば迷わない分岐ピークも油断して歩きやすい方へ歩いて間違えるといった失敗など。 前日に期待していた引水サコでの給水が出来なかった為、手持ちの水が減ってきて段々不安になってきた。 「父ヶ谷の高」でこの台高山脈の名言でもある「山は楽しい」プレートを発見し、今回のひとつの目的を達成した。 テン場として有名な雨量観測所に到着し水場を探すと水の流れる音がする。 水場には十分な水が流れており何とか生き延びた。 因みにこの雨量観測所付近のシダ藪には人間と思われる“う〇こ”の臭いが漂っており、安易に足を踏み入れると踏み潰す可能性があるので要注意だ。 P1125付近には三重県側に林道が走っており、長い林道歩きがあるがエスケープルートとして最悪の事態の時に宮川ダムへ下山出来る。 もう一つのエスケープルートとして馬ノ鞍峰から明神滝、入之波温泉経由、不動窟へのルートも考えられる。 どちらもバス停までは長いが縦走ルートを戻るか進むかの選択肢で困難を極めた時のエスケープとして選択肢に入れたい。 馬ノ鞍峰からはどのように周回しているか不明だがピンテのマーキングが若干多くなる。 台高山脈南部から中部へ入り人の出入りも少し多くなった感じがした。 霧ノ平の水場は未確認だが相当下まで下りないと流れていない雰囲気だったので晩秋期はあてにしないほうが良さそうだ。 ヒメシャラの幼木が狭しと生えておりバシバシと顔に当たって不愉快だが石楠花の藪や根曲がり竹の藪に比べれば藪とは言わない。 2日目の宿泊予定地の弥次平峰に到達し宿泊地を探す。 この先、池小屋山までヒメシャラの幼木藪が続くと先人のレポの記載だったので安易に進むとテントが張れない恐れもあった。 一番理想は大黒尾根の水場鞍部だったが、到達する頃には暗くなるので弥次平峰を少し下りた2重稜線の谷間の平らな場所にテントを張った。 【3日目】 昨夜とは違い風の音が聞こえる。 テン場は谷間ですこぶる快適だった。 6:00定刻通りの出発だが暗い。 大黒尾根の水場に下りて水の採取。 通常の水場より更に下った場所で確保できた。これで今日無事下山出来る。 相変わらずヒメシャラとブナの幼木がバシバシ当たるが、おかげで道迷いすることが無いように思えた。 池小屋山の登りは長かったが朝早く体力もまだあったので楽とは言わないが登ることが出来た。 池小屋山からは登山者も多く歩かれている区間なので安心である。 ところが、千石山の登りは強烈で水場があるのを忘れるくらい。 桧塚奥峰への分岐からは一般登山道となり無事下山となりました。 【余談】 大又集落バス停まで歩いていると大阪から来た登山者が声を掛けてくれて大又集落まで車に乗せてもらいました。 しかし、大又で乗車予定の東吉野村コミュニティバスが17:50発で大又到着したのが14:20。 3時間半どうしようかとバス停前で濡れたテントを張って乾かしてコーヒーを飲む準備をしていると、声を掛けてくれた地元のお姉さまが「ひよしのマルシェまで送ってあげるよ」 と神の一声。 しかし、予約していたコミュニティバスは役場にキャンセルの電話をしなければならないのに役場は祝日でお休み。 ところが、役場に強いパイプがあるらしいお姉さまは役場に電話してバスのキャンセルを可能にした。 安心してひよしのマルシェに到着したのはいいが、コミュニティバスの中心地であるマルシェの休日発のバスは運行しておらず、我々はここで彷徨うことになる。 もちろん、志の高いお姉さまが榛原駅まで送ってあげるよ。 とのことで、予定より3時間ほど早く榛原駅に到着し当初の計画より早くイオンモール橿原に帰還したのでした。 あの時、大阪の2人に送ってもらわなければお姉さまにも合わなかった可能性もあり、奇跡が生んだ帰還劇となりました。 この場を借りてお礼申し上げます。 【水場情報/晩秋期】 ?欽明水(通過していないので不明) 〇三津河落山下 △引水サコ(水溜りは確認。下れば流れていると思われる) 〇ブナの平雨量観測所 ?霧ノ平 〇大黒尾根 ✕仙石山南斜面 【三角点調査】 一等三角点 0・0・1・0/1 調査済み 二等三角点 0・0・1・0/1 調査済み 三等三角点 0・4・0・0/4 一部調査済み 電子基準点 1・0・0・0/1 【交通機関】 〇往路 奈良交通:イオンモール橿原→大和八木駅→橿原神宮前駅→大台ヶ原 〇復路 東吉野村コミュニティバス:大又→菟田野 奈良交通:菟田野→榛原駅 近鉄・JR:榛原駅→桜井→金橋→イオンモール橿原 ・東吉野村コミュニティバスは予約が必要です 【エスケープ】 1.山の神の頭から三重県側の宮川ダムへ通じる林道へ緩やかな谷から下りれば林道に出られる。 宮川ダムから大台町コミュニティバスで里へ下りられる。 2.馬ノ鞍峰から明神滝へ下りる登山ルートで入之波温泉へ下りると平日であればバスがある。 休日の場合、国道169号の不洞窟バス停まで歩けば奈良交通バスに乗り里へ下りられる。 それではともゆき劇場のはじまりです。
