昼闇山~焼山~火打山~空沢山
昼闇山・高松山・唐沢山
(新潟)
2024.04.06(土)
日帰り
【行程】
【日の出:5:17,日の入り:18:23】
(予定)14時間20分(25km+2,537-2,437)
(実際)14時間20分(28.9m+3,352-3,250)
【すれ違った登山者】
3人
【駐車】
焼山温泉
※笹倉温泉先最終除雪地点に、自転車デポ
【天気】
気温、風
(予報)P2,000地点の風(8~10m)
(雲)
下層0,上層14時以降60~100%
(気温・風)
午前中P2,000(1℃10~8m)
午後P2,000(3℃7~6m)
(実際)
予報どおり快晴。14時から上層雲多くなる。風も8~10m。
【装備】
ストック、冬登山靴、12本アイゼン、ピッケル、スノーシュー
雨具上下、手袋(薄手ウール・厚手・アウター、中間)、冬帽子
※昼闇山直下、アイゼン、ピッケル。焼山下り、ピッケル。
それ以外は、全行程スノーシュー。
※晴天が続き、わかんでもいいと思われたが、全行程で雪道で背負うことが少ないため、念のためスノーシューを選択。
→火打山から展望尾根を下山時は、午後の融雪で膝下まで沈む。この区間は登り下りともにスノーシューで良かったと感じた。焼山~火打山も20-30cmの沈み込み。ここもスノーシューでこの沈みなので、わかんでも行けたがどうか。それ以外の昼闇山~焼山などの通常ルートは、わかんで対応できたと思う。昼闇山直下でアイゼンだと膝下~膝上まで沈み、ツボ足では対応できない。アイゼン使用の箇所がもっと増えれば、アイゼンと一緒に使用できるわかんがあると良い。
P2,000以降焼山の登りでは勾配が増し、アイゼンが推奨される。今回は、そのままスノーシュー+ストックで登った。
【食料・水】
(水)行程14時間20 (ハイドレ)
持参1.5L(消費1.5L残0L)残雪0.5L
→1hあたり0.104L
(食料)
持参:アミノバイタル1、カリカリ梅2、塩分タブレット2、飴2、朝昼(おにぎり2、ハム2、ゆで卵2)、干し芋3、どら焼き1、バームクーヘン1、プロテインバー1、ジェル2、チョコ4
消費:アミノバイタル1、カリカリ梅2、飴1、朝昼(おにぎり2、ハム2、ゆで卵2)、干し芋1、どら焼き1、バームクーヘン1、プロテインバー1、ジェル2、チョコ4
残: 塩分タブレット2、飴1、ジェル2
【感想】
◆ルートの状況(焼山温泉~アケビ平)
・焼山温泉から舗装路を歩いて行く。雪が出たらスノーシューを着用。
・沈み込みがほぼなく、ツボ足でも歩けそうだった。スノーシューがあるので、とりあえず履く。
・歩いて行くと、序盤は途中の雪切れがあり。10mほど舗装路を歩く区間が3箇所ほどあり。スノーシューでそのまま歩く。
・アケビ平まで50分ほど。平坦に歩くだけで、特に難しい箇所なし。BCのトレースも複数あった。
◆ルートの状況(アケビ平~昼闇谷(P1,104)~昼闇山(P1,840))
・アケビ平~昼闇谷までBCトレース通りに歩く。
・予定どおり昼闇谷まで到着し、予定ではそのまま谷近くの道を歩いて行く予定だったが、谷の川の音がすることから、相方の提案で左手の尾根にルート変更。そのまま、P1,606の尾根から山頂を目指すことにした。
・地図上ではかなりの急尾根に見えたが、とりあえず進む。途中で左手の雪が崩れ、藪が露見し、その先の藪も読めないことから、ルートを再変更。
・当初予定した尾根に戻るように昼闇谷をトラバースし、再度尾根を登り返し、尾根に復帰した。谷にはデブリ跡が数か所あり。
・尾根に取りつく直下は急勾配で、ジグで登る。
・尾根に登って、P1,640まではなだらか。展望も広がる。
・P1,640に来ると、昼闇山までの最後の登りが急。平らな地点でアイゼンに変更。アイゼンだと、膝まで踏み抜く箇所あり。わかんが正解だったなあと後悔しつつ、山頂まで歩く。
・実際にアイゼンで歩いてみて、山頂直下のみ急で、あとはスノーシューで歩けたなあという印象。念のためアイゼンなのかなあ。
・昼闇山に1時間40分早く到着。これは、焼山までも巻ければ、火打山まで行けるなあと感じる。相方に焼山まで時間かからなければ、火打山まで行こうと伝える。
◆ルートの状況(昼闇山(P1,840)~坊々抱岩(P1,926)~焼山(P2,400))
・昼闇山から坊々抱岩までは、アップダウンを繰り返しながら、進む。
・下りは雪がシャバシャバなので、滑るように下れる。登りも5-10cm程度の沈み込みで、きつさはない。
・坊々抱岩までは、1時間程度で、あっという間に到着。
・焼山も近く見え始め、これはあっという間に山頂に着くなと思い始めるが、P2,000あたりから勾配が増し、ペースが上がらなくなる。
・山頂が2,400のため、急勾配を400m上がることになるため、ここからが辛抱区間。
・あまり上を見ず、ひたすら1歩1歩進む。P2,000あたりから、風も吹き始める。
・P2,200あたりでアイゼンに変更したかったが、すでに勾配が強く、装備変更するポイントが見つからず、スノーシューの前爪でそのまま進む。P2,300あたりで、部分的に装備チェンジできる場所がでてくるが、そのまま山頂へ。
・勾配が増す前に装備チェンジするのが、最善だと思う。
・焼山山頂直下は岩場も露見していたり、山頂まで急のため、最後まで勾配には注意が必要。
・山頂に到着。風が吹き付けるため、適当な岩陰で休憩する。
・山頂からはさっきまで見えていなかった。黒姫、高妻、堂津、北アルプスなど、360℃の絶景が広がる。火打山も近い。
・焼山に予定より4時間30分早く到着。過去に火打山~焼山まで歩いたときは、冬道で2時間かかったため、火打山まで行けそう。とりあえず、相方を40分待ち、火打山へ行くことを再度伝達。
◆ルートの状況(焼山(P2,400)~火打山(P2,461))
・焼山直下は、かなりの急勾配のため、雪の状況ではアイゼンへの装備変更が必要になる。
・少し下って見ると、雪が柔らかく、アイゼンでなくても下れそう。下っていくとしたが見えない箇所もあるが、下った先の台地で勾配が緩み、滑っても窓外物や、谷への転落はなさそう。
・そのため、そのままスノーシューで滑るように鞍部まで下る。勾配は体感70度くらい。
・鞍部からは、影火打山(P2,384)まで登りが続く。
・焼山から火打山までは南斜面を歩くため、かなり雪が腐っている。
・昼闇山~焼山まで登った時は想像できないほど沈む。先頭は30cmのラッセルで、これは火打山までどれくらい時間がかかるかなあと一抹の不安をかかえつつ、進んで行く。
・特に胴抜ヶ切戸~P2,134までは左側が崖+細尾根+急勾配。右斜面によって歩くと踏み抜きが膝上でしんどい。崖近くのなるべくしまってそうな尾根上は、踏み抜きが若干膝下なものの、スノーシューの板が滑り、滑落に注意が必要だった。火打山までほぼ雪道だが、夏道が出ている箇所は夏道を選んだり、雪の上のハイマツをつかみながら、突破する。
・P2,134までくると、勾配も緩み、影火打山まで安全に登れるようになる。
・影火打山の登りをクリアすると、あとは火打山まで登り返して山頂に到着。
・火打山からは笹ヶ峰方向にBC4名ほどが滑っていた。
・山頂には12時過ぎに到着。ここまで来ると妙高山が近い。笹ヶ峰からBC登山者2名が登ってきて、相方が到着する直前まで30分ほど楽しくおしゃべりをした。富山の方々で、とても楽しくお話できた。
・まだ時間もありそうなので、空沢山から展望尾根で笹倉温泉に下るルートを地図上、山頂からルートの目視で確認をする。地図上では確認でき、目視では富山の方が空沢山などに詳しく、こうだよと親切に教えてもらった。フォローさんが8時間で登っていたため、だいたい4時間で下れるだろうなあと想定。
・相方が無事火打山に到着。過去一でしんどいと話す中で、北面台地からの下山ではなく、展望尾根で下りたい旨を話して、ルートを説明。相方も歩いてくれるとのことで、展望尾根へ進む。
◆ルートの状況(火打山~空沢山~放山~笹倉温泉)
・火打山からルートの全体像を見たときに、P1,864.P1,675への登り返し。空沢山の先の鞍部からの放山手前の分岐までの登り返しがあり。また、分岐から左手に尾根が降りるが、終盤は黒々していて、雪がなくなっていそうに見えた。登り返しと、最後の雪切れが核心かなあと目途を持って進む。
・序盤はひたすら下り。雪も緩く、BCのように滑って進む。
・尾根右手に雪面がはみ出し、使える箇所は雪道を進む。途中雪道が落ちて、穴が多い箇所は尾根上を30mほど進む箇所もあり。尾根上も、落ちた雪面の重さで藪が倒れていて、藪漕ぎの必要がなかった。序盤から尾根上の雪が消えて、今後標高を落として雪が消えないか不安に思いつつ、ぐんぐん下る。
・13時も過ぎ、雪鎖がひどい。膝程度の踏み抜きで、この尾根を下るためにスノーシューを持ってきたんだなあと感じる。
・登り返しのP1,864.P1,675は、雪が重くてラッセルがしんどかったが、登り返しの標高や距離も短く、思ったより大変ではなかった。
・登り返しが終わると、あとは空沢山までぐっと下る。火打山からは遠く見えた空沢山まで、1時間弱で到着。あっという間だった。
・空沢山までの下りは左手に焼山・昼闇山。振り返ると火打山。正面には空沢山~放山、バックに権現・鉾立と、かなりの大展望。展望抜群で、360℃景色が最高で、下山路を変更して正解だった。
・空沢山まで来ると、放山から足を延ばす登山者がいるのか、BC・スノーシューのトレースが複数でてきた。
・空沢山から鞍部まで緩やかに下り、左手に曲がる分岐まで登り返す。
・空沢山からの下りは、尾根が複数混ざり、ガスなどで展望が悪いときは道迷いに注意が必要な地点だった。
・鞍部まで下り、登り返すときに、トレースがあり、大分楽に登り返しができた。
・午後の雪腐りのタイミングで、トレースがあり、楽できてラッキーだった。
・空沢山から40分程度で分岐に到着。相方を待つ時間もあるので、放山まで散策することに。
・放山にはテン泊登山者が4名いた。お話をして分岐に戻ると、ちょうど30分経過。分岐に戻ってくると、展望尾根から下ってくる相方も近く見えるようになり、ちょうどいい寄り道ができた。放山からは、火打山~焼山~昼闇山と、今日歩いたルートがよく見えた。
・分岐からは、あとは笹倉温泉まで下る。P832までは迷うポイントなし。
・P832手前の池からは、尾根が複数あり、どこから下るかなどを考えつつ、地図をよく確認し進む。
・舗装路直前まで雪がついており、楽に降りてくることができた。藪が出てなくて良かった。
・無事舗装路に出てからは、チャリデポ地点まで少し戻り、あとはチャリで焼山温泉まで戻って、終了。
・笹倉温泉から焼山温泉までは2.2kmの下り。歩くと20分程度。歩いても大丈夫な距離だなあと感じていたが、実際チャリに乗ると、かなりチャリが楽だった。チャリが活用できるときは、やはり積極的にチャリを持参したいと感じた。
◆全体の感想
・当初の予定より、2回行程変更。火打山、展望尾根と2回変更し、楽しみも3倍に増えた。
・数年前に北面台地から火打山~焼山と周回して、火打山~焼山稜線は歩いていたので、昼闇山~焼山、火打山から空沢山+笹倉温泉までは未踏区間。昼闇山~焼山までは、過去の感動を超えるものはなかったが、火打山の展望尾根下山は、新しい山々の見え方に、ズキズキワクワクが止まらなかった。展望尾根から眺める、大毛無山~不動山や権現・鉾立などの新潟100名山は、地図やレポを眺めているだけでは感じない、かっこよさがある。
・1つ山に登ると、また1つ登りたい山が出てくることが、また楽しいなあと感じた。
・1日歩き通して、疲労感もあまりなく、まだ歩ける感じ。今後の日帰り計画の距離・獲得標高の参考になる山行となった。
・ぼぼ抱岩から焼山の急登りが、全行程で1番しんどい区間。以前火打山から焼山に登った時は、焼山直下の登りがきつかった。今回は逆回りだったため、きつい焼山の登りを下りで利用したため、大分楽に感じた。ただ、かなりの急勾配のため、凍結してカリカリだと、下るにもかなり難易度が増すと考えられる。雪が緩く、かなりラッキーだった。
・今回は昼闇山から焼山に向かうか、焼山から昼闇山に向かうか2パターン考えられたが、前者を選択。理由は2つ。1つは、焼山に到着すれば、あとは山頂から下るのみで、下山口まで登り返しなく楽に下れる。逆回りだと、焼山に登り返したあとも、昼闇山までアップダウンがあるため、疲れそうだと感じた。2つ目は笹倉温泉に降りれば、焼山温泉まで鎖で、舗装路を歩くにしろ、チャリを利用するにしろ、楽に戻って来れること。実際に歩いてみて、昼闇山から焼山方向に歩いて正解だったと感じた。過去レポを見ると、焼山~昼闇山に向かっての周回記録しかなかったが、今回実施して逆回りでも大丈夫だった。
・数年前に火打山~焼山に来た時の北面台地での景色に感動を受け、過去1でいいくらいの登山だと記憶していた。数年ぶりにまた来てみると、未踏ルート・未踏山域ではないため、想定内どおりの感動。やはり、人がそこそこ入るメジャールートで、自身でルート開拓・ルート計画する山行ではなかったため、感動の大きさが違った。今回十分満喫したため、当分はまた面白いルートを探して探検・冒険していきたい。