伊茂屋山 アイヌの残影を追って①
安家森
(岩手)
2024年01月06日(土)
日帰り
久慈市にある伊茂屋山。平庭高原への道中にある山だが、「結構な峠道だな」ぐらいにしか思っておらず、伊茂屋山があるのさえ知らずに通りすぎていたほどだ。
『近代・東北アイヌの残影を追って(筒井功著)』では、第五章 北上山地での聞取りと記録からに登場する山。
アイヌ語で「モイワ」は「モ(小さな)・イワ(聖地なる山)」の意味があり、「ふるさとの聖山」と考えられるそうだ。そして北東北地方では「モ・イワ」が「モ・ヤ」と変化する事が多いとの事。
「モヤ」、雲谷、雲谷山などと呼ばれる山は、こんもりした山もあるが、特にとんがった山、独立峰、三角山の山をイメージする。
青森市にある雲谷峠もそう、ただここには「峠」が付いているが(昔、雲谷にいた蝦夷のオヤスとトンケイ姉弟が坂上田村麻呂に滅ぼされ云々、モヤトンケイに雲谷峠の当て字をした)
https://www.toonippo.co.jp/common/previous/photo_studio/110mountains/aomori/moya/index.html
とうおう写真館・あおもり110山より
では、伊茂屋山の「イ」は?と思うのだが、本書では、アイヌ語の「イ」はなかなかやっかいな語とあり、この伊茂屋山が北東北によくある「モヤ」(三角山)のひとつかどうかが目的だったようだ。
(ネタバレしすぎもまずいのでこの辺りで…)
今回は多々良山の帰りに立ち寄ってみた。峠に車を駐め(失礼!)歩き出す。立派な原木運搬路が通っているが、適当な所で尾根に取り付く。尾根には古い作業道跡がいくつも走っていて昔より林業の盛んな地域なのだろう事も窺える。
尾根上には特に藪もなく、簡単に山頂へたどり着けた。山頂には石組みがあり元々は祠があった事が見て取れる。
東側は急峻で、ILPの山名板と四等三角点があるが、木に遮られて展望はない。ただ、木を透かして北西にこんもりした三角山が見え気にはなった。
祠跡…いつの時代、いつの頃に絶え、何処の地域の方々が祀ったのか?
今では知る由もないが…
昔々、お偉い役人さんがこの土地に来て、村人に「この山は何というか?」と問いかけた所、村人曰く「えと…モイワ?あれ?イモヤだったかな?」
じゃ、イモヤでいがんべ!と、そんなに簡単な地名はないと思いますがね。
まぁ、近場でアイヌ語地名をあげたらキリが無い。田野畑のハイペ、コイコロべは分かるとして、オサナイ、トオベツ、ホリナイ、カルマイ、もしかしたら平庭も北海道の平取と同様にアイヌ語かも知れない。
やばい域に踏み込んでしまった・・・