冬季百名山55座目:岩木山~青森❄リベンジャーズ~
岩木山(岩鬼山)・鳥海山・鍋森山
(青森)
2024.11.26(火)
日帰り
24.11.26
気仙沼から一気に北上。
春から初夏を過ごした青森に半年ぶりに帰ってきた。
あの時はキャンプ場で働きつつ
残雪の岩木山を獲る予定だったのだが
開幕5連勤+猛暑が重なり雪が一気に溶け登頂断念。
何しに来たか分からん状態で2ヶ月過ごした苦い思い出が…
故に今回のテーマは青森リベンジャーズ!
積雪十分、天気は抜群。
あとは山が受け入れてくれるかどうか。
「〝東北雪山″に日和ってる奴いる?」
「いねぇよなぁ!!?( ゚д゚)」
「冬岩木山潰すぞ!!!」
某復讐漫画のセリフで己を鼓舞し
王道の嶽温泉コースから7:00スタート!
登山口から雪もトレースもあり積雪5~10㎝程度。
勾配も絶妙でサクサクスノーハイクを愉しめる登山道だ。
反面景色はほぼ無く上の方で数回開ける程度。
ウォームアップに集中できるってもんよ。
このまま山頂まで導いてくれるか…?
という期待は虚しく標高1200m地点、
8合目駐車場の直下あたりでトレースが消えた。
ここからが真の戦いになりそうだな。
ワカン&ストックを装備し深雪をかき分け進む。
2時間でスカイライン8合目駐車場に到着。
無垢の雪原とレストハウスを独り占めする優越感。
このキャンバスに俺だけの足跡を付けてやるぜ!
と思ってたら轟音と共にまさかの除雪車降臨w
スカイライン冬季閉鎖中なのになぜ…
キャンバスを汚され水を差されたので
レストハウスには寄らず登山道に突っ込む。
8合目からは樹林の狭い急登山道をつづら折りに登る
雪は更に深くなりワカン付けてもヒザから腰まで沈む。
上には霧氷のまとわりついた枝が張り出しており
あらゆる方向から雪と枝に妨害され全然進まねぇ!
しんどい…だが…経験上稜線に出れば雪は減る、
ここが正念場!
わずか500mの区間を山と格闘続けること1時間。
気合で地獄の樹林区間を突破!
よし…やっと一息つけるぞ…
と油断した途端、突如爆風が襲い掛かってきた!
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樹林を抜けたすぐ正面の鳥ノ海火口稜線から
凄まじい暴風が吹きこんでくる!
粉雪がサングラスの隙間から入り目があああ!
さらにトレッキングポール右が日頃のメンテ不足
&凍結によってスナップボタンが
戻ってこなくなり使用不可能に…
くっそ、、いろいろ同時に起こりすぎだろ!
心を落ち着ける暇がねぇ!w
とりあえず山の影に避難。
どうも強いのは南風だけでその方向に
開けた場所だけ爆風が襲ってくる様子。
なるべく山の北側に隠れながら行くべし。
粉雪はハードシェルのフードを絞って回避。
トレッキングポールは…とりあえず1本で行こう。
最悪ピッケルとの二刀流でも行けるはず。
ここから斜度が増すし岩場も増えるから
アイゼンチェンジ!ワカンはデポして軽量化だ。
そしてパンとお湯で身体を温める!
ひとつひとつ着実にこなし余裕を取り戻していく。
あぁ、雪山やってるって感じだ。
これが楽しいんよ。感覚取り戻してきたぜ!
気を取り直して再出発。
読み通り稜線で樹林より雪は飛んでいるが
少ないというほどでもない。
アイゼンでヒザ程度まで沈むのに加え岩場に
中途半端に積もった雪を踏み抜き腿まで埋まる時も。
これに強風+ストックが片方無いという
悪条件が重なり転びまくってペース半減。
あと風の影響と雪を掴むから手が寒い!
オーバーグローブは…忘れてしまった。
やっべぇ、想像以上に過酷な環境…
でもピークは見えてるんだ、命を燃やせぇええ!
手の冷えは首を触ってセルフヒートハンドで耐える。
踏み抜きはヒザを片方ずつ雪面に突き
スネをスノーシュー代わりにして進む方法を編み出し前進!
どんな状況でも工夫で乗り切る。
これが冬山の極意!
がむしゃらに進み続けスタートから5時間半で
山頂ピラミッドにタッチ!
津軽半島、白神山地、八甲田山、これは知ってる景色。
男鹿半島、十三湖、夏泊半島、これは知らない景色。
まだ記憶に新しい山だが冬の頂は
空気が澄み、より美しく、より遠くまで見えた。
頑張って…よかった!
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山頂の南側に行ってみると
絶え間ない爆風が身体に叩きつけられ
リアルに立ってられねぇw
避難小屋もトイレも閉まってるし
とても山飯休憩できる環境じゃないな…
岩木山神社奥宮にお礼を告げ早めに下山。
帰路の途中、山頂肩にある鳥海山に寄り道。
前回登って景色良いって知ってるからな。
リフトトップから10分で登れる丘のような山。
ここからの岩木山は鋭さが際立ち格別!
西日が当たり山体もより輝く。
振り返ると太陽にはハロも出てる!
完璧すぎるフィナーレじゃないか?
戻り際リフト乗り場を通る最中にふと気づく。
これ…登山道じゃなくてこの下歩いた方が早いんじゃね?
アイゼンのまま下ってみたらものの20分で8合目到着w
これ登りもこっち使ったほうが絶対早かったよな…
地形はうまく使うべきだわ。
駐車場で遅めの山飯を喰らい体力回復。
あとは一気に樹林帯を駆け降り16:30に無事帰還!
嶽温泉コースの総評。
樹林はメチャ歩きやすくてアップに丁度いい。
8合目からは先は強風、踏み抜き、深雪と
なかなかに過酷で適切な装備の取捨選択が必要。
距離は短いから中級者ならちょい頑張れば登り切れるはず。
あと今の時期なかなか晴れないんよねこの山。
一週間前の初冠雪からずっと予報見てたけど
晴れたのは26日のみ。また明日から雪が続くようだ。
難易度に加え天候を引き寄せられる運も必要。
そして今回ちょっと装備不足が目立ったなぁ。
ゴーグル、オーバーグローブは必要だった。
東北でしかも独立峰の気象の厳しさを舐めちゃいけないな。
ただ去年は妙高山で失敗してる分、
降雪直後には行かない、時間通り出発する
という改善を経て今回登れたというのもある。
この雪山感覚を調整していくのもシーズンインの目的。
山と自分に真摯に向き合って、
今年も夢に一歩づつ近づいていこう。
冬季百名山55座目・踏破!