エルニーニョの苛立ち
8月も、あっという間にお盆が終わりに近づいた。 お盆が過ぎれば涼しくなると遥か昔から言い伝えられてきたが、そんな事はこの時代に全く通用しない。 もっとも…今年はエルニーニョのせいで台風は逆層、千葉県では極端な大雨と太平洋高気圧が全く仕事をしない。 こんな天気でアルプスに行ったら、雷鳥にしたらこの上ない行楽日和なのは否めないが…真っ白けで雷にいつ撃たれてもおかしくない。 そんな中、ムフェト・ジーヴァより何処か遊びに行きたいと強請ってきた……。 そこで今回は、とあるお山へ行ってみることにした。 それは、「明覚愛宕山」。 埼玉県はときがわ町の中に聳え立つお山で、三井不動産新宿セントラルパークタワーとほぼ同じ高さを誇る。 遠くから見ても明らかに深い森に囲まれていて、展望は乏しいと思われる。 そんな明覚愛宕山へ、ネルギガンテ、ムフェト・ジーヴァと共に挑むこととなった......。 降り着いたのは、愛宕山東登山口。 早速登り始める……。 明覚愛宕山は基本的に西側の登山口から登るのが定番だが、交通の便の都合上こちらから行くことになった。 しかし、あまりにもこの登山道を使う人口が少ないためにとてつもないほど荒れ果てて道が半ば消えかかっていた。 JR八高線沿いを少しだけ歩いていき、そこから民家の間を通り抜ける。 民家を抜けると、愛宕山東登山口が出てきた。 これより愛宕山へ向かって、樹林帯の急登が始まった。 標識やピンクテープを頼りに登っていくと、うっすらと丸太の階段が見えてきた。 両側に生えている木は腐敗なのかもたれかかっていて、幾つかは倒木となって道を塞いでいた。 おまけに笹薮がかなり生い茂っていて、そこに蜘蛛が夥しい数の巣をつくっていたこともあり、非常に鬱陶しい。 蜘蛛の巣を掻き分けながら階段の急登を越えると、分岐点が出てきた。 分岐点から更に進むと、再び藪漕ぎが出てきた。 道が逸れているとはいえ、尾根伝いに進まなければ山頂へはいけない。 どうにか藪を掻き分けながら進むと、冨士嶽浅間大神の祠が出てきた。 この祠より先は深い樹林帯になっていて、蜘蛛の巣だらけの尾根歩きとなる。 道のようなものは見えてはいるが、あまりにも人が少なかったのか踏み跡すら分からなかった。 概ね尾根伝いに登っていくと、緩やかになった。 そこから程なくして、ついに愛宕山の山頂にたどり着いた。 山頂には標識が置かれているのみで、周りには何もなかった。 凄まじい暑さで、額からは滝のような汗が吹き出してきた。 このままいると山の中で茹ってしまう…。 一刻も早く下りることにした。 復路もほぼきた道を戻る。 登りではあまり見えなかったが、やはり登山道自体は存在しているのは確かである。 蜘蛛の巣だらけの樹林帯を進んでいくと、再び分岐点が見えてきた。 南稜との分岐点らしく、自分は東から登ってきたため玉川小学校の方へ進む。 そこから樹林帯をだらだら歩いていくと、いきなり開けてきた。 展望台と言うほどではなかったが、主に東側が開けていてときがわ町や東松山市街地などを一望することができた。 しばし展望を楽しんだのち、分岐点より玉川小学校方面へ下りていく。 丸太の階段を駆け下りていくが、当然復路も倒木跨ぎは出て来る。 複雑に絡み合った木々が容赦無く行く手を阻んでくる。 まるで静岡の大無間山のような待遇である......。 倒木を跨いで蜘蛛の巣を掻き分けたのち、丸太の階段を抜けるとようやく市街地が見えてきた。 民家の間を通り抜け、線路沿いを歩いていく。 そこから歩き続け、登り始めてから40分ほど経った頃なんとか東登山口まで下りて来ることが出来た。 あまりにも暑すぎて、身体が参ってしまう。 近くの道の駅に寄っておやつを済ませたのち、足早に帰宅の路へつく…。 お盆終わりの愛宕山にて、蜘蛛の巣漕ぎと比企の大展望を楽しんだムフェト・ジーヴァであった。





