2024年冬 - 奥多摩・芦沢山
大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山
(山梨)
2024年12月28日(土)
日帰り
参加者 中山(単独)
参考文献
YAMAP大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山
参考記録
2023年夏 - 大菩薩・泉水谷小室川谷 https://yamap.com/activities/25440464
2024年夏 - 奥多摩・丹波川貝沢川 https://yamap.com/activities/32939828
2024年冬 - 奥多摩・サカリ山〜三条新橋の水源巡視路 https://yamap.com/activities/36446480
奥多摩渓谷調査団「奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート」山と渓谷社,1996
奥多摩山岳会編「奥多摩の尾根と沢」東京新聞出版局,1997
はじめに
12月7日にサカリ山に登った際、北側を巻いている水源巡視路が砥沢山を経て芦沢山へ通じているものだと思っていたら三条新橋に出てしまった。結果として芦沢山に登っていないことが心残りになっていた。
年末に三宅島に遊びに行こうと思ったものの船の欠航をおそれて取りやめにしたので、替わりに芦沢山に行くことにした。丹波から取り付き、芦沢山、砥沢山を登ってサカリ山に至り、大指尾根を下って高尾天平、越タワ、小峰山を登る、貝沢川をぐるりと回るルートとした。
芦沢山は丹波川南岸の1272.0mの三角点峰。サカリ山から北へ派生する尾根のうち25,000分の1地形図で唯一名前の記された山である。地形図には道は記されていないが、オンラインで検索するとヤマレコ、YAMAPを中心にいくつか歩いた記録が見られる。
奥多摩渓谷調査団「奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート」では丹波川北岸の熊倉沢とトチ沢の間、丹波川南岸に流れ込む沢にアシ沢の名前が見える。
奥多摩山岳会編「奥多摩の尾根と沢」には芦沢山はないものの隣の砥沢山1458mの記録が載っており、貝沢集落から登っている。
12月28日(土)
丹波山村役場まで
昨日食べた二郎系ラーメンのせいかお腹の調子がよくない。8:12奥多摩駅で降りてトイレに寄っていると丹波山村役場行きのバス停には待ち行列ができていた。幸い、ホリデー快速は運転していないようで追加の乗客はなかった。
臨時鴨沢西行きを見送ったあと、8:35発丹波村役場行きに乗る。満員で4人ほど立っていた。
小河内神社・麦山浮橋、鴨沢、お祭でたくさん降り、終点丹波山村役場まで乗っていたのは4,5人であった。お腹の具合が悪かったからか少し車酔いした。ダメ押しに役場のトイレに寄る。
芦沢山取付き
9:30丹波山村役場発。丹波山村役場から丹波川に出ると吊り橋のやまびこ橋の向こうに丹波川・貝沢川合流点に落ちる芦沢山の尾根がすっくと立ち上がっているのが見える。地形図通り急登のようだ。
丹波川左岸沿いに上流の清水橋まで歩こうと思ったが、護岸工事のため通行止めであった。丹波川をやまびこ橋で渡り、釣り場の裏手の貝沢橋を渡って9:41清水橋に到達した。丹波中学校前を通って行けばよかった。
芦沢山から丹波へ下る記録には道路に出るところで擁壁の上に出て困ったというものも見受けられたので事前にGoogleストリートビューで偵察しておいた。清水橋の右岸側から道上に登るジグザグの階段があり、案内図によれば丹波川上流の山吹橋まで続くグリーンロードというらしい。とりあえずこれを登れば道路から擁壁をよじ登る必要はない。
ただグリーンロードは丹波川右岸の巻き道であって芦沢山への登路ではない。保安林の看板の横からザレて急な斜面を登った。途中、固定ロープもあり人が入っていることを窺わせるが、踏み跡は連続していない。直登は急なので避け、右斜め上へ登っていく踏み跡を辿って9:54尾根に出た。
芦沢山取付きから1148m標高点まで
尾根に出てから急登と平たいところの繰り返し。平たい部分があるだけマシかもしれない。暑くてフリースとシャツを脱ぐ。
シカが貝沢川側から丹波川側へ逃げていくのを見た。シカは急斜面でも自由に飛び跳ねていくのが少しうらやましい。
「奥多摩の尾根と沢」には「丹波山荘の裏から芦沢山、山ノ神を経て登るのは、ヤブがひどいようなので止めて、貝沢川から山ノ神へ出ることにした」とあるが、12月だからかヤブに悩まされることはない。
10:39、1148m標高点に着く。地形図の通り尾根が広くて気持ちがいい。暖かければ昼寝でもしていきたいところだ。
1148m標高点から芦沢山1272mまで
1148m標高点の先は二重山稜っぽくなっており、アセビのヤブを避けて隣の尾根に移る。
11:00芦沢山着。こげ茶色地の白字で書かれた芦沢山頂という看板が三角点のそばに落ちている。貝沢川を登ったとき、貝沢集落で見かけた看板と同じ色、同じフォントだ。行き先表示はないが、丹波からはこの看板を見かけていないので貝沢集落から登路があったのだろう。
芦沢山1272mから1130mコルまで
芦沢山から南に下る。いったん植林帯に入って抜けると西に尾根が分かれる。そこでイノシシを3頭見かけた。日中イノシシを見かけるのは初めてだ。意外に私に気づいていなかったのか少しでも近づいて写真を撮ろうと動いたら一目散に逃げていった。
コルへは急で木を掴みながら下る。沢まで下りてしまうのではないかと思うくらい急だ。下るにつれ正面の砥沢山が高くなる。登り返すことを考えるとうんざりする。
1130mコルにて
11:11、1130mコル着。1130mコルには「戸沢|丹波山」と書かれたこげ茶色の看板が落ちていた。
「奥多摩の尾根と沢」によるとコルには「山ノ神が祀られた尾根の鞍部に抜け出る」とあり、概念図には山ノ神と書かれている。だが、コルを吹き抜ける西風が冷たくて山ノ神を探している余裕がなかった。こないだ歩いた舟越金山も近いと思うのでかつては峠道だったのかもしれない。
東の貝沢川側は枯れ葉が落ちて見通しのよい緩やかな斜面に見える。道は見当たらないがどこでも歩けそうだ。
西のムジナ沢側は急に切れ落ちているが、それでも沢までは遠くないように見える。
目出帽をかぶって砥沢山へ向かう。
1130mコルから砥沢山1458mまで
西風を受けながら急な尾根を黙々と登る。標高1370mまで来れば登りも緩やかになる。
11:46砥沢山1458m着。「奥多摩の尾根と沢」によると「とのさわ」と読むらしい。「奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート」によるとムジナ沢の枝沢の1つにトノ沢があるので砥沢山の名前の由来なのだろう。それにしても最寄りの集落が貝沢なのに芦沢山も砥沢山も丹波川の支流の名前に由来があって、貝沢山と名付けられないのは不遇である。
山頂は西に向かって平らでここが最高点なのかよく分からない。「奥多摩の尾根と沢」によると「身丈のササヤブにブナの大木が散立し、木の間越しにサカリ山が見える」とあるが、ササヤブは見当たらない。
この先サカリ山までは3週間前に歩いているので気持ちも楽になり、ここでひと休みする。
家を出るとき冷たい水道水を持っていくか温かい紅茶を持っていくか悩んだが、温かい紅茶を持ってきて正解だった。家で使っていない黒糖をたくさん入れたものだから紅茶の風味が感じられずただ甘く、山で飲む分にはおいしい。
砥沢山1458mからサカリ山1541mまで
砥沢山11:56発。南へ下り、林班界標丹波山分区53|56の看板で三条新橋から巻いてくる道と合流する。
水源巡視路は貝沢川側を巻くが、歩いていない尾根伝いを登った。すぐ下りになって尾根が広がる。
サカリ山の北の山に登り、せっかくなのでサカリ山を往復する。サカリ山の東側斜面に雪が積もって白くなっていた。また、小室川谷を挟んで大菩薩嶺北尾根の奥が白くガスっている。どうやら雪が降っているようだ。
12:23サカリ山に着くが、3週間前も来たばかりだし、三角点を触って写真を撮ってすぐ戻る。
サカリ山北の山から大指尾根の林班界標丹波山分区52|53の看板まで
サカリ山北の山から少し下ると西へ伸びる尾根と分かれて大指尾根に入る。
標高1420m付近で水源巡視路の林班界標丹波山分区52|53の看板の裏側に出る。枯れ葉と雪が積もっていて貝沢川を遡行した夏とは雰囲気が違う。
大指尾根の林班界標丹波山分区52|53の看板から藤タワまで
大指尾根をしばらく歩くとマリコ川側が植林帯になり、なんとなく道っぽいものもある。
標高1300mのピークには石杭とピンクテープがあり、直角に左に曲がる。
13:02、1246m標高点着。特に山名標などはない。
藤タワへの下りはかなり急な上にザレている。立ち木に手をかけると弱々しく倒れたりして危ない。
藤タワから高尾天平1036mまで
13:18藤タワ着。マリコ川側の林道終点には白い車が停まっているのが見え、しばらくするとチェーンソーの音も聞こえてきた。
藤タワからはまだ歩いたことのない高尾天平に登ることにする。マリコ川側から登ってきた車1台ほどの幅の砂利道が貝沢川側を巻いて稜線に出ている。
振り返ると芦沢山と砥沢山の間の鞍部が顕著に見える。
稜線沿いの道は大きな登りもなく歩きやすい。高尾天平1036mは尾根の一部といった感じで周囲に比べて特に高くはなく、看板などはない。六角形の東屋がある。
うっすらとくもり空で細かい雪が音もなく降っていた。
高尾天平1036mから越タワまで
道はゆるく下り登り返す。車が登れるのか、あるいは下るときに谷に落ちないのか不安になる勾配である。
1024m標高点は車道の終点になっている。黒い網で囲まれた小屋のようなものがあり、中をのぞいてみると椎茸らしき原木が並んでいた。丹波寄りには四角形の東屋が立っていた。中学校のグラウンドが見えた。
丹波の集落を臨む道を下りジグザグに下っていくとマリコ川左岸の中腹道との分岐に出る。ただ看板にバツが書かれていて立ち入り禁止になっているようだ。
その下に車道が走っていてジグザグに下る。モルタル吹き付けの階段に枯れ葉が積もっていて歩きにくい。
越タワから道の駅たばやままで
13:54越タワ着。県道に出たのでバス停まで下ってもよいが、せっかくなので尾根を続けて下ってみる。配水池の横を通っていくと尾根に出る。遊歩道として整備されており、ローラー滑り台がからんでいる。てっきり越タワの乗り場から滑り台を下るものと思っていたので少し驚く。
丹波山城という名前のわりに現代的な建物がローラー滑り台の滑り出し地点のようだが、丸太で塞がれていた。調べてみると冬季は営業していないようだ。丹波山城の裏手に回ると社があったので手を合わせておく。
北側が伐採されていて眺めがいい。プラ擬木の階段を下っていくと鞠子橋に通じる車道に出た。サミットの森の看板によると丹波山城のある山は小峰山というようだ。
あとは畑と住宅地の間を縫って道の駅たばやまへ向かう。次のバスまで待ち時間が30分ほどだったこともあり、温泉には寄らなかった。14:19道の駅たばやま着。丹波山温泉14:46発奥多摩駅行きに乗り帰京した。
おわりに
5時間弱のちょっぴり寒風に吹かれながらのハイキングであった。
今回は予定通り芦沢山、砥沢山、大指尾根を歩くことができてよかった。夏になったらムジナ沢からトノ沢も訪れてみたいものだ。
芦沢山の登りは急だったので登りにとってよかった。下るのであれば短めのロープを用意してごぼうで下れるようにしておいた方がよいかもしれない。ほかは12月であれば見通しもあり、登りで迷うところはない。
大指尾根は尾根が枝尾根が出ていたり、小さく曲がったりするのでGPSがないと迷うかもしれない。私はYAMAPを見ながら歩いていた。また藤タワに出るところは急な上ザレているので歩きにくい。
藤タワから高尾天平を通って越タワ、さらに小峰山はよく整備されており、ところどころ丹波の集落も見え、迷う心配はない。