雪・藪・激坂のトライアスロン 残雪期の聖岳-兎岳-立俣尾根周回
聖岳・大沢岳・光岳
(長野, 静岡, 山梨)
2024年04月27日(土)〜29日(月)
3日間
サビで始まり、最後までサビしかない、米津玄師が作ったような曲。
今回のルートは、こんな感じでした。
盛りだくさんで飽きる暇がありませんでした。
聖岳までは、楽しい楽しいお気楽登山でした。
快適な避難小屋泊に、360°の大展望を楽しみました。富士山、中央アルプス、北アルプスはもちろん、白山や頚城三山まで見通せて、素晴らしい光景に感謝しました。
聖岳を越えて、聖兎のコルに向かった途端、かわいいはずのウサギさんが突然牙を剥き出しました。
ズルズルと雪ごと滑り落ちる急傾斜のトラバース。
尾根直登は、ハイマツ・シャクナゲ激藪と崖のような稜線に阻まれて無理。
わー、ウサギさん、今度餌の人参持ってくるから許して。
あ、何とか通してもらえました。
そして、兎岳山頂からの立俣尾根は、山行記録が極々少ないバリエーションルートです。
出だしはハイマツ藪。
その後続く倒木祭り。
生きて帰るには読図必須の、迷いやすい多重尾根。
トドメは、ずり落ちる崖のような激坂。最後の晩餐が、さっき食べたヤマザキパンのランチパックになったら寂しいな。せめて駒ヶ根市名物のソースカツが良かったな。転がり落ちるような激坂を下りながら、そんなことを考えていました。
もはや、ちょっとしたトライアスロンでした。
それなのに、なぜでしょう?
終わってみると、楽しかったんです。
きっとアドレナリンが出過ぎると、脳が楽しい出来事だと勘違いするのでしょう。
こうやってドMは作られていくんですねえ🤣
未熟な私一人では決して来られなかったルートを一緒に歩いて下さった先輩たちに感謝します。
そして、私たちが少しでも安全に登山できるよう、支えて下さっている方々に心から感謝します。トラバース崩壊した聖光小屋付近のルートを修復作業して下さっていた方々や、立俣尾根最後の崖にフィックスロープを設置して下さった方々、本当にありがとうございます。
◾危険箇所・残雪状況等
♦芝沢ゲートから1km先の林道
昨年豪雨により崩落し、復旧工事中のため、川原へ一旦下って、工事区間終了後に登り返す。
♦聖光小屋から旧森林軌道トンネル越えてすぐ
トラバース崩落: かろうじて片足幅を残す崩れ残りの区間10mほどを越える。崩壊した道に元々付いていたユニレールは、崩落してなくなっていた。登山道谷側にはユニレール修復用の資材が積み上げてあり、ユニレール 山側寄りの狭い幅を通過する。
♦西沢渡
沢にかかっていた仮橋は流出。手動ゴンドラは利用可。
雪解け水で流量多めの中、かろうじて飛び石で渡渉した。
♦薊畑(あざみばた)-小聖岳の間
残雪が繋がっている。木の周りでは6AM頃でも踏み抜く箇所多数。アイゼン不使用でも行けた。
♦聖岳
山頂標識付近のみ残雪あり。
♦聖岳山頂-聖兎のコルの間
東斜面に断続的に残雪があり、夏道がほぼ埋まっている。尾根沿いはハイマツ藪の崖のような急傾斜、西斜面は崖で進めないため、必然的に東斜面の雪の上をトラバースすることになる。ただ、東斜面は斜度が30°以上ある箇所多数で、かつ日中は雪がズルズルでアイゼンが効かず、足場が崩れていった。最大斜度のトラバースは、足場がグズグズで危険なため、トラバースせず、ハイマツ藪の尾根に乗り上げて藪漕ぎで越えた。
総じて、極めて凶暴なルート。
夏道や標識は見えず、ルーファイ要。
アイゼン、ピッケル使用。
♦聖兎のコル-兎岳の間
雪道と岩場のミックス。急傾斜の雪斜面もあった。
アイゼン、ピッケル使用。
♦兎岳-標高2540mの間
最大で私の背丈(160cm)以上のハイマツ藪。下るに連れて雪が出て来る。
ハイマツの上を歩いたが、時々植生が薄くなって藪の隙間に落ちて、藪初心者🔰の私は再浮上するのに苦戦した。
下り方向に向かって枝が生えているので、この斜面を登るのは逆目となって至難の業。
♦Co2562近辺
倒木多し。倒木に負けて尾根を外さないよう要注意。
Co2562を越えて以降、分岐する尾根筋を正しく選ぶことが重要。
*兎岳直下の2540mから立俣山山頂手前まで残雪があり、アイゼン使用。
♦立俣山-Co1977の間
立俣山からうっすら踏み跡が出て来る。
幾度も分岐する尾根筋を都度正しく選ぶことが超重要。
♦標高1880m付近
南進する明確な尾根を拾わず、南南西へ進む。
♦標高1450m付近
分岐する尾根筋を正しく選ぶことが重要。
♦標高950m-840mの間
斜度30°以上の足場の悪い激坂。落石・滑落注意。
尾根筋を外して歩いたのだが、今思えば、後述のフィックスロープ取り付きのギリギリまで尾根筋を通した方が安全だった。ただし、その場合、取り付きを見つけられないリスクが高まる。ロープがあるルートが、道路に比較的安全に降りられる、唯一のポイント。ルートを外すと崩壊地か崖に下ることになり、後が詰む。
♦標高840m-登山口
斜度35°-40°の、ほぼ崖。
ルートがピッタリはまれば、フィックスロープがある。黒い電線ケーブルのような素材の、丈夫なロープ。
途中で一旦尾根に乗り上げる際、フィックスロープは途切れるものの、尾根下部から登山口にかけて再度フィックスロープが登場する。
*(バリエーション初心者の備忘録) 立俣尾根全般的に、分岐する尾根は必ずしもクリアに見通せる訳ではない。木立や地形の凹凸が邪魔して、視界は開けていない。尾根の付け根となる出だしのポイントを押さえて、しっかり進行方向を見定める必要がある。
◾小屋
♦聖平冬期小屋
極めて清潔。
蚕棚は2階まであり、合計7区画、各棚は詰めれば4名程入れる。床はピカピカ。各棚には、物干しロープがある。
調理スペースとして、土間に火器置き場とそれを囲むベンチがある。まさに至れり尽せりな仕様。
冬期もトイレ使用可。紙は持ち帰り。
水は、小屋脇の沢にジャンジャン流れている。
♦兎岳避難小屋
使用不可能な状態。コンクリート屋根と壁の間が壊れてできた隙間から雪が吹き込み、コンクリート屋根の下のトタン屋根に雪が乗って、その重みでトタン屋根の片側が床の上に崩れ落ちている。
さらに、閉まらない入口扉から小屋内に吹き込んだ雪が邪魔して、扉は開かない。