高川山(山梨県)/絶望の崩落箇所
高川山
(山梨)
2026年06月06日(土)
日帰り
【高川山へ】
来週はまた百名山に行く予定だ。そのためにジムで筋トレやらトレッドミルをやり、行けない日には自宅でスクワットやかかと上げをやってきた。今日は仕上げに低山トレーニングをしたい。
そこで選んだのが初狩駅と大月駅の中間に位置する高川山を経由するコースである。ピーク数は8もあり、目標とする500ピークに一挙に近づくことにもなる(今回で488ピークになった)。
最初は大月駅で乗り換えて初狩駅に行き、そこから出発して大月駅にもどるコースを考えていたが、電車の接続タイミングが悪く、30分以上待つことが分かった。少し早めに帰りたい事情もあったので、最初に着いた大月駅から出発することにした。
コースを反転したわけである。私は宇宙戦艦ヤマトの古代進よろしく「島、コースターンだ!」と自分に命じた。
【スピーカーをテスト】
前回の登山で熊よけのためにラジオ📻を鳴らしたが、うまく受信できず効果は不十分だった。
そこで今回はBluetoothの小型スピーカーを買って持ってきた。これをザックに取り付けて、Walkmanと接続して鳴らし、熊よけに使えるかテストしたのである。
今回はクリアな音で再生できて大成功だった。3,990円にしては優秀な機能だった。
熊よけの鈴があったのでスピーカー音量は控え目にして、自分が聞くために使った。今日はこれでかなり楽しめた気がする。
Walkmanに入っているのは全て自分が気に入った曲ばかりで、新旧色々な歌が混ざっている。私はいつもWalkmanをランダム再生モードで使うので、出てくる曲をコントロールできない。それが楽しいのだ。
松田聖子も出ることもあれば、幾田りらも出たり、サカナクションも出てくる。そうかと思えば布施明が出てきたり、レッド・ツェッペリンが飛び出すこともある。私は気に入った曲だけをバラバラと入れている一方、アーティストへのLoyaltyが極端に低いので、オムニバスになってしまうのだ。
そういう私がオムニバスを流しながら別の登山者とすれ違う場合、その時に流れている曲によっては不審に思われるかもしれない...。
例えば、X JAPANの「Rusty Nail」が流れていたら、
「あら、この方、TOSHIかしら? それとも歳(トシ)食ってるだけかしら? 」
と思われてしまうかもしれない(失敬だな!🤬)。
また、布施明の「君は薔薇より美しい」が流れていたら、
「あら、この方、布施明かしら? それとも老けて飽きられたのかしら?」
と思われてしまうかもしれない(ほっとけー!!🤬)。
...ま、ど-でもよい。はよ出発せい!!
【時間制約】
今日のコースは6時間かかるコースだが、家庭の事情があって5時間くらいで終わらせたかった。コースタイム速度の130%で行くと14:40に初狩駅に到着する。初狩駅に来る電車は1時間に1本であり、到着時刻に近いのは14:33だった。これを逃がすと1時間待つことになる。こうなると30分を惜しんで大月駅から出発した意味が無くなってしまう。何としても14:33に間に合わせようと思った。
私は130%でスケジュールを設定し、それを若干上回るペースで歩くことにした。
しかし、これが後々、この登山を危険なものにした...。
【登山口で早くも疲れる】
今日は結構暑かった。登山口までは15分くらい歩くのだが、正直に言うとその15分で結構疲れてしまった。時間制限のために焦って早歩きをしたせいもあるし、体調の悪さ(睡眠不足)もあったのだろう。登り始めてからペースを少し落とさざるを得なかった。
登山道に入って、民家が十分に遠くなった辺りで熊鈴をザックに着け、スピーカーから音楽を鳴らした。うるさい奴になって登り始めたのだ。
【猪木のポーズで対抗!】
私は前日のトレーニングのせいで足が重かったが、じっくり登り続けた。最初のうちは登山道が狭く、蜘蛛の糸が酷かった。顔や手に頻繁に蜘蛛の糸が絡みついてくるのでグローブを着けて、両手を上に上げてガードした。
そんな時、私のスピーカーから映画「オーバーザトップ」のテーマが流れてきた。この曲はアントニオ猪木の晩年の宿敵、マサ斎藤の入場テーマ曲である。
私は両手を上げて蜘蛛糸をガードする自分の姿をアントニオ猪木のファイティングポーズに重ねていた。私は猪木のような燃える闘魂で蜘蛛の巣ゾーンを力強く突破した。
この先をしばらく行くと蜘蛛の糸はぐっと少なくなった。最初だけの試練だったようだ。
【絶望の崩落箇所】
標高図を見てもらえば分かるが、高川山まではほぼひたすら登る一方である。かなり疲れたが、途中までは順調に進んだ。
しばらく行くと、登山道が崩落して道が完全に斜めになっている箇所に出くわした。地面は湿って泥状になっていて滑りやすく、ロープも鎖もなければ、つかまれる木の枝や岩もない。落ちたら数m以上は滑り落ちるのが確実である。もはや絶望の登山道だ。
まず結論から言うと、その上の岩場を通るのが正解のようだった。しかし、トラバース用の登山道の方が圧倒的に歩きやすそうなので、多くの人がそっちに向かい崩落箇所に入り込んでしまうようだ。当たり前だよ、トラバースだもん。
私が崩落箇所に入り込んだ際、向こう側から3人のパーティーがやってきた。私が見た瞬間、先頭の男性が転倒していた。後ろの女性も滑って悲鳴を上げている。阿鼻叫喚であった。
だが私は彼らとすれ違えることになってちょっと嬉しかった、このルートが正しいということが分かったからである。(さっきも書いた通り、後で調べたところ、上の岩場を行くのが正解のようであったが。) 1人でここに来たらルートを間違えたと思っただろう。いや、そう思って岩場に這い上がっていた可能性もあるが...。
こんな危険な場所ですれ違いをするのは、本当に難しかった。私が向こうに「お先にどうぞ」と言ったら、「無理!」というようなリアクションだったので、私が行くことにした。私はやや無理をしてでも彼らの上のルートを行こうとして一生懸命頑張った。その時、木の枝を掴んだつもりが手応えがなく、ずるっと滑ってしまった。向こうの女性の人に身体を支えられる始末だったが、こっちも何とか持ち直した。私はなんとか彼らのいる場所を通り抜けて、先に行くことができた。
私が通り抜けた後も、私の後ろの方で、女性の悲鳴が上がっていた。やはり滑ったりしていたのだろう。ただ、もう私にできることは何もないので、私はそのまま前に進むしかなかった。
この場所は初心者には危険すぎるので通行止めにすべきと思った。特に雨の後は最悪だ。少なくとも「岩場を行け」と書いた看板を立てるなどして欲しい。
【滑落リスクを意識する】
その後も登りが続き、私の足は徐々に限界を迎えていた。ペースが早すぎたせいもあったろう。その一方で、このコースは非常に危険な箇所が連続していた。狭い崖っぷちの道も多くあった。一歩間違えれば、滑落してしまうようなところだ。
私は足の筋肉が徐々に限界を迎えているのを感じ、これは本当にマズイかもと思い始めた。この状況だと、足がおぼつかなくなって、そのうちどこかで滑落してしまうかもしれない。
これは単なる不安ではなく、現実的なリスクだった。私はスマホを必ずザックに取り付けたポシェットに入れて、ジッパーを閉じるようにした。落ちた瞬間にスマホが飛び出して、なくしてしまったら助かる可能性が低くなる。スマホが命綱であると思って、絶対に体から離れないようにした。
【道迷い】
この後、私は道迷いを合計3回やってしまった。疲れがひどくて、道をよく見る注意力が散漫になっていたようだ。
1回目は本来の登山道と並行して進むバリエーションルートに入っただけだったので、すぐに本線に戻ることができた。
2回目は登りで、3回目は下りで発生した。いずれも全く人が入った形跡のない森の中に入り込んでしまい、立ち往生してしまった、明らかに間違っていると気づき、GPSを見ながら何とか本来の道を見つけることができた。しかし、この道迷いからの脱出にはだいぶ体力を食われてしまった。
特に下りで間違った道に入り込んだ時には本当にまずかった。あのまま降りていたら登り返しができなくなるというぐらい急な坂だった。そのまま降りていたら遭難していたかもしれない。
自分がボーッとしていたことも原因だが、登山道自体に非常に曖昧な箇所が多く、難しい道だと思った。
【高川山になんとか到着】
本当にきつかったが、ひたすら続く登りをこなして、高川山の山頂に到着した。山頂の景色は素晴らしく、富士山が綺麗に見えた。私はもう疲労困憊であったが休憩をし、食欲は全くなかったけれども、おにぎりを半分だけ胃の中に押し込んだ。
ずっと思っていたのだが、食べ物を持っているとクマが匂いに気がつくだろうな。私は残ったおにぎりをコンビニ袋に入れて、ぎゅっと固く閉めてザックの中にしまった。
【地獄の登り返し】
下山し始めてしばらくすると、2箇所の登り返しがあった。必ずしもピークと連動していない感じだった。それぞれ数十mの登りに見えたのだが、これが異常なほどにきつかった。下から見上げると断崖絶壁のように見えた。折しも私のスピーカーからは映画「ゴジラ」の荘厳なテーマ曲が鳴り響いた。私の心はさらに暗く落ち込んだ。
もう私の足は完全に限界を迎えていたので、数m登るごとに足が止まり、休憩をしないといけない状態だった。普段はゆっくりのペースで登り続けるが、今回は無理だった。
【下山】
下山途中で色々とトラブルに見舞われた。
1)左の靴に石ころが入り、激痛に襲われた。
2)ふくらはぎの横がつりそうになった。
3)怪しい動物のフンを見つけた。
いずれも大事には至らなかったが。動物のフンは非常に新しかったが緑色だったので、「何者であるにせよ草食だから人間は食べないだろう...」と自分に言い聞かせた。
【熱湯風呂のようなツルツル場所】
下山の最終局面で非常に難しい下りの場所があった。そこは2mぐらい下っていく場所なのだが、土砂が崩れてしまったのか、そこだけ土がむき出しになっていた。台風による雨の後なので泥状でツルツルである。
何も取っ掛かりのない45度ぐらいの急坂を上から見下ろして、じーっと観察したが、掴まれる場所もないし、足を置く場所もない。まさに天然の滑り台である。
これは覚悟を決めていくしかないなと思った。その状況は熱湯風呂に入ろうとし、後ろの人間に「押すなよ、押すなよ!」と繰り返し言って、実際には押すのを促している芸人のようだった。
私は一歩目をその坂に踏み出してみた。とにかく行くしかないのだ。そして案の定その一歩目は何の抵抗もなくツルリと滑り、私はそのまま2mの坂を尻もちしたままズルズルと落ちていった。
崖があったらそのまま落ちていただろうが、幸いそんなことはなかった。グローブが泥だらけになったが、身体は大丈夫だった。
そこから10mほど行ったところにも滑りやすそうな場所があったが、その近くの木の枝にスリングが取り付けられていたので、ありがたく使わせていただいた。どなたか分からないが、親切でありがたいことだ。
【帰りの大月駅でふと思った】
登山終了後、ヘトヘトになって大月駅のベンチに座っていた時、日本語に続いて中国語のアナウンスが流れてきた。自分には理解できない中国語をぼーっとして聞きながら、ふと思った。
「中国と仲が悪いんだから中国語アナウンスなんか辞めてしまえばいいのに...」
仲が悪いんだから親切にする必要なんかない。向こうもこっちに親切にしないんだから。
でも、ふと別のことが頭をよぎった。昔、NHKで深夜帯に中国残留孤児の紹介をする番組をよく放送していた。あの番組を最後に見たのはいつだっけ...なくなったんだな...
あの人たちって中国人に育てられたんだよな。それって考えてみたら「究極の親切」だわな...
【反省会】
今日はパフォーマンスがイマイチだったのでChatGPTに報告して意見を求めたら、「体力不足というより、補給不足でパフォーマンスが頭打ちになっている可能性がある。」と言われてしまった。
確かにその通り。疲れてたり、暑かったりすると食べられなくなる。今日もほとんど食べずに歩いてた。次は対策しよう。