絶景富士山で山納め!箱根外輪山周廻遊歩道
箱根山・神山
(神奈川, 静岡)
2025.12.28(日)
日帰り
【山納めはどこに行くか?】
今日も一席お付き合い願います。ホント毎回登る前までの前書きが長いんで、山行だけを読みたい方は、ググっとスクロールしてから読み始めてくださいな。
さて、イレギュラーに無理やり入れた前回の山行で再び富士山眺望チャレンジに失敗したわけですが(前回の活動日記参照)、それとは関係なく今月入ってから温めていたのは、むしろこっちの計画。
元はと言えば、前々回に富士山眺望チャレンジに失敗した丹沢の高松山に登った時のこと。頂上で富士山こそ見えなかったが、目の前に箱根の外輪山が横たわっており、以前からこの外輪山を歩いてみたかったことを、ふと思い出した。
とはいいつつ、それをキッカケとして山納めで考えたのは、3つのプランである。1つ目は、その見えていた箱根外輪山の東側の山々を一気に縦走するもの、2つ目は逆に箱根外輪山の西側の山々を一気に縦走するもの、最後の3つ目は冬だし暖かいところを歩こうということで、箱根関係ないけどちょっと近い、沼津アルプス一挙縦走プランである。
沼津アルプスの「一挙縦走」は、超絶早起きプランになると分かり、早々に候補から外れる。となると箱根外輪山、西を攻めるか東を攻めるか。外輪山の東側の金時山だけは一度登ったことがあって、この時は金時神社を起点に登頂してから乙女峠に下って、そのまま高速バスで新宿へと帰るというわりと緩めプラン。この頃はまだ山初心者に毛が生えたくらいだったし。
それはさておき、箱根外輪山の縦走は、かつて少しだけ検討したことがあった。歩ける外輪山はルートとしては、箱根湯本駅を起点にすると明星ヶ岳、明神ヶ岳、金時山、乙女峠、丸岳、三国山とグルっと廻って芦ノ湖畔の箱根町に下りるというもの。ただ、これは距離的に1日で縦走するのはまず無理で(トレラン勢なら可能なのだろうかしらん?)、少なくとも2分割する必要がある。
この2分割の要となるのは間違いなく乙女峠である。この外輪山全ルートのほぼ中間地点に位置するのと同時に、峠だけあって箱根の仙石原から御殿場駅に抜ける幹線道路が走っており、路線バスの他に、新宿発の小田急の高速バスがこの峠の麓のバス停を通るのである。
ちょっとだけ、1泊して箱根外輪山一挙縦走とか考えてみたのですが、諸々考えて今回は止めました。そのルートは、1日目に箱根湯本駅発で金時山まで歩いて乙女峠からバスで御殿場駅周辺に出て1泊、2日目に再び御殿場駅から乙女峠に戻り、丸岳・三国山と縦走し箱根町に下りるというもの。仙石原に宿を取るというのもありですが、これが現実的っぽい気がします。
閑話休題。いずれにしても、乙女峠を要として考えた場合、東側の箱根湯本と峠、西側の箱根町と峠、どちらにしても峠を起点にするか終点にするかという問題もある。特に東側は箱根湯本発なら登り基調だし、乙女峠発なら下り基調という根本的な違いがあって、コースタイムがかなり変わる。
これについてはいろいろと検討したけど明快で、幹線道路が走っていても乙女峠の路線バス・高速バスは本数が少ない、何時に乙女峠バス停に下山できるかは分からないのに高速バス予約はハードルが高い、乙女峠のバス停周辺はカフェ1軒しかなくて他に時間を潰せる場所がない、といった理由から乙女峠起点と決定。オマケに冬なので乙女峠のバス停でぽつねんと待っているのはツライ。夏なら夕涼み方々いいかもしれんけど。
一方、乙女峠起点とするなら、終点が箱根湯本にしろ箱根町にしろ、人のいる街に下りてルートだし、バスにしろ電車にしろかなりの頻度で出ているので、下山時間が前後しても臨機応変に帰りの交通機関を選ぶことが可能である。
でだ、話が長くなったので結論に移ろう。今回は乙女峠を起点に、箱根外輪山の西側を歩くのがよいのか、はたまた東側を歩くのがよいのか。こちらも答えは明快で、東側はコースタイムがよりかかるので西側、である。
バスタ新宿発の小田急高速箱根行のバス初便の乙女峠バス停着は8:35。そこを起点に標準コースタイムで積算すると、どちらも8時間超だが、東側は暮れるのが早い冬だと暗くなる前の下山がちょっと難しそう。西側ならそれでもまあ何とかなりそう。
ということで、乙女峠を起点として、箱根外輪山西側を縦走し(このルートは「箱根外輪山周廻遊歩道」と名付けられている)、箱根町(バス停的には箱根町港)を終点とするルートに決定。
【バスタ新宿から乙女峠バス停へ】
久々の高速バスで、もしかしたらバスタ新宿発で乗り込むのは初めてかも。12月28日のバスタ新宿は帰省ラッシュ真っ盛りということで、まだ朝6時過ぎだというのに、待合室には多くの人がいる。インバウンドらしい外国人観光客もかなりいるようだ。
目的の新宿発の御殿場経由箱根桃源台行の始発バスは、バスタ新宿のモニターでは満席の表示。余裕ぶっこいて前晩に予約しようとしたら残り2席になって焦りましたわ。わざわざ6:35発なんていう早朝の新宿から乗って、わざわざ箱根の桃源台に行くもの好きはどんな人たちかと思ってたら、だいたいみんな山の格好してました(笑)。
バスタ新宿を定刻に出発したバスは池尻大橋を経由して、そこからは御殿場を目指して東名高速を走っていく。高速の高架を走っているうちに、車窓から登って来たばかりの真っ赤な太陽が見える。
この時間なら高速の帰省ラッシュにも巻き込まれまいと思ってたら、神奈川に入ったあたりでバスが渋滞の最後尾に着く。なんでも東名町田あたりの事故による渋滞で、通過に70分の見込みだと運転手がアナウンスする。おいっーー!
ロングコースで計画でも3時台の後半下山予定だったので、70分も遅れてスタートしたらヤバい…とやきもきする。ただ結果的に40分程度の遅れで済み渋滞を通過できた。そのうちに車窓から大山だったり、富士山がくっきり見えたりして、今日こそはイケるんじゃないかな?と期待する(フラグ?)。
松田を過ぎたあたりで、今回の山行のきっかけになった高松山や大野山はあれかなあというのが見える。その辺りを過ぎると、右手車窓に雲ひとつない富士山がどーんと見える。あっ、これはさすがに今日は勝つるんじゃないかな?
この高速バスは御殿場駅以降は路線バスを兼ねるので、御殿場駅のバス停で行列になっている客を乗せるのだが、車体が高速バスなので、立ち乗りは認められていなくて、乗れる人数は空席のみ。すなわち御殿場駅までに下りた客の空席だけで、運転手は「5人だけ、5 person only」(インバウンド仕様)とにべがない。
乗り込んできたのは外国人ということもあり、説明やら何やらで御殿場駅で時間がかかったが、箱根の桃源台に向けて出発。乙女峠までは、あと10数分といところで、降りたらすぐ歩き始められるように身支度をする。
遅れは取り戻せないまま40分程度の遅れで、乙女峠のバス停に着。自分以外にも山格好の5,6人が降り立つ。ということは、バスに残っていた山格好の方々は峠を越えてから、金時山狙いなのかしら?それとも箱根山?
【乙女峠バス停から乙女峠を経て丸岳へ】
とにかく予定より40分遅れなので、すぐに乙女峠へ歩き始める。以前に乙女峠からここのバス停に下山した時の記憶もあるので、バス停から少し箱根方向に道路を登った登山口へと向かう。登り始めても、確かにこんな山道だったなあという気がしつつ登り続ける。
頭上に明るいところが見え始め、いよいよかなと登っていき、平坦なところに出ると乙女峠。振り返ると富士山がしっかりと見える。よしっ!峠には富士山方向に展望櫓があるので、早速登って富士山を眺める。空気は澄み、雲ひとつない青空で、最高の眺望じゃないですかああ。松竹かよ(松竹映画の冒頭のアレね)。
富士山の眺めは最高だが、まだ先はあるし、峠に別のハイカーがやってきたこともあり、道標から西に取って、再び登り始める。いよいよ箱根外輪山周廻遊歩道の始まりである。この辺は標高が高いので、昨晩に下りた霜が登山道の両脇に白く見える。
登山道の左側には樹間から箱根山方向が見え、風向きによっては、蒸気立つ大涌谷あたりから流れて来たと思われる硫黄臭を空気からかすかに感じる。右側には、樹間から富士山が事あるごとに見えて、テンションが上がる。こういうの、こういう景色の中を歩きたかったんだよ。
そのまま登っていくと再び開けて丸岳の山頂に着。ここもすごい眺望(こなみかん)で、東から南方向がほぼ180度見える。目の前には水蒸気が登る箱根山、湖面がきらめく芦ノ湖、その奥には相模湾、伊豆半島の山々も見える。なんすかここは?
バスが延着したために、登り始めのカロリー用に食べたおにぎりはすでに消化されつつあり、いったんここでおにぎり休憩を入れる。おにぎりを頬張りつつ景色を堪能し、落ち着いたところで出発。丸岳山頂も絶景だったのだけど、少し下ったところがもっとすごい眺望で絶句した。
丹沢山系の末端から始まり、今回行かなかった箱根外輪山の西側、丸岳山頂で見えた風景は及ばず今度は相模湾まで見えて、愛鷹山もちょっと見える。なんすかここは?(2回目)
あまりの眺望に動画にも収めたのだけど、下山後に見直したら、今回歩いた山が全部きれいに入ってましたわ。
【丸岳から長尾峠を経て湖尻峠まで】
もうここからは、おっと思った眺望は、すべてくらいの勢いでスマホで写真を撮っていく。この2日前に歩いた、雪がちらつく薄暗い雁ヶ腹摺山と姥子山のどよんとした山行とは。打って変わって景色に、すでにテンションは上がりっぱなしである。
しばらく下りて行くと、再びちょっとした展望台がある富士見台。ここも展望台を登ればちょっと木にかかり気味だけど、きれいな富士山が拝める。下り切ったところが長尾峠で、仙石原方向への分岐がある。ここから先は外輪山の大小の山々に沿ってアップダウンのある道が続いていく。
もう少し歩くと脇道方向にトイレの道標があり、そちらへ下っていくと、箱根スカイラインの箱根料金所に出る。ここも道路より西側が多きく開けていて、目の前にドーンっと富士山が見える。もはや今日は富士山の入れ食いと言っても過言ではない(入れ食いってなんやねん)。
料金所の脇にとてもきれいなトイレがあって用を済ませと(この冬に洗面所の水道から温水が出る有り難さ)、より富士山が見える道路の反対側の駐車場に行く。そこの案内板を見ると、富士山の裾野のはるか向こうに、南アルプスが見えると書いてある。よくよく目を凝らすとありました。ちょこんと裾野から出ている白い頂が。北岳かしらん?
再びトイレマークの合った分岐まで戻り登山道を歩いていく。ここからは先ほどの箱根スカイラインとほぼ並行するように道が続いている。ちょっと登っていったら、樹間から先ほどより南アルプス報告が見えて、雪が積もった峰々が見える。おおすごい。
などと登り続けたら、また開けたところに出て、富士見ヶ丘公園。ここも凄い眺望。愛鷹山から南アルプス、富士山、歩いてきた箱根外輪山に、西側の外輪山、その奥には丹沢主脈と思しき山々まで見える。スゴイスゴイと独り言を言いながら写真や動画を撮る。
この辺りで、箱根外輪山周廻遊歩道は、伊豆半島の達磨山があるの伊豆山稜線歩道に雰囲気が近いのだなと気づく。
しばらく歩き続けると、芦ノ湖方向の湖尻水門への分岐を経て、箱根スカイラインの駐車場にぶつかる。ここは芦ノ湖展望公園で、今度は芦ノ湖方向の眺望が素晴らしい。芦ノ湖を挟んで、箱根山や駒ケ岳、ロープウェイの駅まではっきり見える。
反対側はというと、富士山が箱根外輪山で半分ほど隠れてしまっているが、愛鷹山方向の他に、先ほどはあまり見えなかった、冠雪している南アルプスが先ほどよりはっきりと分かる。
このコースは、眺望の年末売り尽くし大バーゲン会場かなんかですか?
芦ノ湖方向から今日の終着点である箱根町港が、湖の最奥部に見えて、まだまだ長いのを実感する。
もうしばらく登っていくと何も書いていない分岐があって、YAMAPだと黒岳というピークがあるらしいので獲りに寄り道。ちょっと進んだら下り始めて、おかしいな?と思って現在位置を確認したら、この山は山頂標がなく、通り過ぎてしまっていた!イカンイカンとすぐに引き返して登山道に再び合流。
ここからは下り基調となり、最後の方は湖尻峠へと一気に下っていく。その分、目の前の外輪山方向の眺望が良く、ここからあの辺を歩いていくのだなというのが分かる。湖尻峠は、箱根スカイラインと芦ノ湖スカイラインの交差点となっている。今日のコースはここの峠がちょうど中間地点くらいになる。芦ノ湖スカイラインを横断し、道標に従って再び登山道へと入っていく。
【湖尻峠から三国山を経て山伏峠まで】
ここからは先ほどと違い、登山道からの眺望があまりなくなる。とはいえ、樹間から芦ノ湖方向がちらちらと見えるので、気持ちいい景色には事欠かない。
ここからは芦ノ湖スカイラインに平行するように登山道が続く。むしろ本来は逆で、むしろ箱根外輪山の外側をスカイラインが走っているだけとも言える。湖尻峠より先の最高地点が三国山で、そこに向けてぐんぐんと登っていく。途中、富士山も見えたりするポイントもあって癒されるが、今日のルートも後半戦に入り、こちらもやや息切れし始めてるので、なかなかにしんどくなってくる。
登り切った先の三国山は、かつては豆相駿の境だったことが山名の由来らしい。そういう境なら眺望は良いものかと思ったけど、眺望はなくはないが林間の静かな山頂。ここで最後のおにぎり休憩で一休み。
ここからまた一気に下がっていき、登り返したあたりが山伏峠。山の鞍部ではないところに峠名の立札があり、ちょっと不思議。道が上のピークを湖方向にぐっと巻きながら登り切ると、ドライブインと駐車場があって、再びここで芦ノ湖スカイラインと合流。先ほどの頭上のピーク方向は斜面が刈り取られて道が作られ、「パノラマ絶景」という看板がある。マイカー客たちに交って登ると、伊豆半島方向っから、駿河湾から愛鷹山、遠くに南アルプス、富士山さらに、足の歩行校と、これまた良眺望。
冬至から間もないので、日も傾き始めている。そのせいか、南アルプスに程よく日が当たり、今日一番によく見えたかも。せっかくなので、ドライブインで一休みと行きたいところだったが、傾きかけている日が気になってきたので、すぐに登山道に戻る。
【海の平、箱根旧街道を経て箱根町港まで】
ここからの登山道は幅広く開けていて、周りが低い灌木の多い草原のようなところを登っていく、時折振り返るたびに、名残の富士山が目に入る。本当に今日は夕方まで良い天気でした。海の平を越えたあたりから、道は樹林帯に入り、箱根町に向けて小刻みにアップダウンを繰り返しながら、一気に下っていく。
終盤区間に入り、日の当たらない側を下っているので、登山道は暗く淋しい雰囲気である。同じような時間帯でも、一昨日のように焦燥感を抱えながら陰鬱とした下りとは全然別ものでしたが。
なおも下っていくと植林帯地帯に入り、そこを通り過ぎると車道が見えて、最後の階段を下りると、道の駅 箱根になる。トイレを済ませてすぐに出発。ほんの少し車道を登ると脇に、「国指定史跡 箱根旧街道」という標柱があり、ここを下っていく。そう、ここからは江戸時代以来の、箱根の旧街道の石畳を下っていくのである。意外に歩きにくかった。
途中で車道の下をトンネルの様に潜り抜けて横断して、なおも下りて行くと再び車道にぶつかり、ここで登山道は終わり。ちょうど車道を歩き始めたタイミングで、町内放送のスピーカーから「♪箱根の山は 天下の険♪」でおなじみの唱歌「箱根八里」のメロディーが流れてきた。時刻はちょうど16:00である。
そのまま道沿いに歩けば、箱根町港のバス停に着き、ここでフィニッシュ。いろいろおみやげとか見たかったのだけど、ちょうどバスの時刻が迫っていたので、バス停の列に並び、箱根湯本駅・小田原駅のバスに乗車。
【あとがき】
途中、大平台から下で渋滞にはまったりもして、ずいぶん時間はかかったものの、日帰り温泉施設にも寄ったあと、箱根湯本駅から小田原駅に出て夕食を済ませて(日帰り温泉施設が激混みで食事処ではなかった)、湘南新宿ラインのグリーン車を奮発して、優雅に帰京しました。
今回は、天気は良いし、風もほぼ無風、眺望のすばらしさも言うに及ばず、外輪山でも西側と比べてこちら側は人も少なく、程よい距離と時間ながら歩き応えもありと、今年のベスト山行と言ってよい内容でした。ここ1カ月の富士山眺望チャレンジ失敗のマイナスは軽く吹き飛ばされる勢いで、今年の山納めは最高でした。