群馬の森

あの頃と変わらない 森の景色　 広い芝生 美術館　そして博物館 この池も　この坂も　 幼稚園の頃 芝生を駆け回って遊んだ 売店のフリスビーや バトミントンセットを 羨ましくおもい 迷路の塀の上を 体操の選手さながら 平均台のようにして歩いていた 立ち入り禁止のその奥を 横目でちらりと見遣りながら 歴史に目を閉じて 現実の道をふらり歩く 昔からここの歩き方はそうだった 時に犬を連れ ときに　母と共に 小さい時の記憶には父がいて 叔父の一眼レフを持ち ひとりでここを訪れた高校生時代 友と歩き ひとりで歩き どんなに時が流れても 変わらないという優しさが好き ぽつり　空から落ちてきた雨は冷たい