夏の終わりの仙塩尾根

2019.09.14(土) 3 DAYS

激忙の波に呑まれた2019年の夏。 このまま秋を迎えてしまうのか... 半ば諦めていたころ、晴天の三連休が目の前に迫ってきた。 ___ここで行かなければ、今年の夏はもう終わりだ そうして選んだのは南アルプス、仙塩尾根。 仙丈ヶ岳と塩見岳という南アルプスの名峰二座をむすぶ長大な尾根。 白峰三山の”裏側”に位置する仙塩尾根は、表側の山々に比べて歩く人は少ない。そのおかげで、3連休であることを感じさせない静かな山歩きを楽しむことができた。 また、1日目の仙丈ヶ岳は、地元の友人の登山デビューを兼ねており、そういった意味でも心に残る山行となった。 仲間が新たな風景に出会い感動する姿を見る喜びは、単独行では味わえない。これこそが仲間を連れて山に登ることの真髄であると僕は思う。そんなことをしみじみ思いながら、仙丈ヶ岳から先の縦走路を一人で黙々と歩いた。 木々の揺れる音に耳を傾けて、やわらかな森の香りを頭に焼き付ける。再び都会に戻っても、この五感の多幸感を忘れないようにと、必死で記憶に焼き付ける。 最後にようやく得られた夏は、かけがえのない素晴らしき夏であった。 大切な友人が山を知ってくれた日。 僕は南アルプスが好きだと改めて感じた日。

北沢峠から。
年末、雪の仙丈ヶ岳に登ったときは北沢峠まで行くのに一苦労でしたが、夏はバスであっという間です。

北沢峠から。 年末、雪の仙丈ヶ岳に登ったときは北沢峠まで行くのに一苦労でしたが、夏はバスであっという間です。

北沢峠から。 年末、雪の仙丈ヶ岳に登ったときは北沢峠まで行くのに一苦労でしたが、夏はバスであっという間です。

標高を上げると、甲斐駒ヶ岳が木々の間から顔を出します。

標高を上げると、甲斐駒ヶ岳が木々の間から顔を出します。

標高を上げると、甲斐駒ヶ岳が木々の間から顔を出します。

小仙丈ヶ岳に乗っ越すと、突如として現れる巨大なカール。
この瞬間が仙丈ヶ岳登山のクライマックスだと思います。

小仙丈ヶ岳に乗っ越すと、突如として現れる巨大なカール。 この瞬間が仙丈ヶ岳登山のクライマックスだと思います。

小仙丈ヶ岳に乗っ越すと、突如として現れる巨大なカール。 この瞬間が仙丈ヶ岳登山のクライマックスだと思います。

日本の高峰一、二、三位が並びました。

日本の高峰一、二、三位が並びました。

日本の高峰一、二、三位が並びました。

今年2回目の南アルプスは、またしても仙丈ヶ岳でした。真冬とは全く違う風景です。

今年2回目の南アルプスは、またしても仙丈ヶ岳でした。真冬とは全く違う風景です。

今年2回目の南アルプスは、またしても仙丈ヶ岳でした。真冬とは全く違う風景です。

隣の大仙丈ヶ岳まで足をのばし、静かな山頂でゆっくりと休憩します。

隣の大仙丈ヶ岳まで足をのばし、静かな山頂でゆっくりと休憩します。

隣の大仙丈ヶ岳まで足をのばし、静かな山頂でゆっくりと休憩します。

大仙丈ヶ岳山頂で休憩し、友人とはここでお別れ。最高の登山デビューになったことでしょう。

大仙丈ヶ岳山頂で休憩し、友人とはここでお別れ。最高の登山デビューになったことでしょう。

大仙丈ヶ岳山頂で休憩し、友人とはここでお別れ。最高の登山デビューになったことでしょう。

ナナカマドの実がついています。秋はもうすぐそこ。

ナナカマドの実がついています。秋はもうすぐそこ。

ナナカマドの実がついています。秋はもうすぐそこ。

ここから先はひとりで静かな山歩き。あこがれの仙塩尾根。

ここから先はひとりで静かな山歩き。あこがれの仙塩尾根。

ここから先はひとりで静かな山歩き。あこがれの仙塩尾根。

伊那荒倉岳頂上。南アルプスの標高2500メートルは、樹林帯の中です。

伊那荒倉岳頂上。南アルプスの標高2500メートルは、樹林帯の中です。

伊那荒倉岳頂上。南アルプスの標高2500メートルは、樹林帯の中です。

独標は、一枚岩の上に出る好展望地です。午後になって雲が増えてきました。涼しくてちょうどいいです。

独標は、一枚岩の上に出る好展望地です。午後になって雲が増えてきました。涼しくてちょうどいいです。

独標は、一枚岩の上に出る好展望地です。午後になって雲が増えてきました。涼しくてちょうどいいです。

野呂川越からさらに標高を下げて、今夜は両俣小屋で幕営します。

野呂川越からさらに標高を下げて、今夜は両俣小屋で幕営します。

野呂川越からさらに標高を下げて、今夜は両俣小屋で幕営します。

両俣小屋のテント場。渓流釣り目当ての人が多く、独特の雰囲気がありました。

両俣小屋のテント場。渓流釣り目当ての人が多く、独特の雰囲気がありました。

両俣小屋のテント場。渓流釣り目当ての人が多く、独特の雰囲気がありました。

二日目は両俣小屋から三伏峠までの長大な行程が待ち構えているので、2時50分に出発。
あたりが薄明るくなるころには、再び森林限界に出ていました。見えるピークは三峰岳。

二日目は両俣小屋から三伏峠までの長大な行程が待ち構えているので、2時50分に出発。 あたりが薄明るくなるころには、再び森林限界に出ていました。見えるピークは三峰岳。

二日目は両俣小屋から三伏峠までの長大な行程が待ち構えているので、2時50分に出発。 あたりが薄明るくなるころには、再び森林限界に出ていました。見えるピークは三峰岳。

伊那谷は雲海にびっしりと覆われ、中央アルプスがビーナスベルトの下に顔を出していました。

伊那谷は雲海にびっしりと覆われ、中央アルプスがビーナスベルトの下に顔を出していました。

伊那谷は雲海にびっしりと覆われ、中央アルプスがビーナスベルトの下に顔を出していました。

日が昇り、山での最高の時間が始まります。

日が昇り、山での最高の時間が始まります。

日が昇り、山での最高の時間が始まります。

「南アルプスの山は個々が堂々としていて巨大だ」という印象は、いつも農鳥岳を見たときに感じている気がします。

「南アルプスの山は個々が堂々としていて巨大だ」という印象は、いつも農鳥岳を見たときに感じている気がします。

「南アルプスの山は個々が堂々としていて巨大だ」という印象は、いつも農鳥岳を見たときに感じている気がします。

南アルプス中南部方面。この日に目指すは右に見える塩見岳。

南アルプス中南部方面。この日に目指すは右に見える塩見岳。

南アルプス中南部方面。この日に目指すは右に見える塩見岳。

三峰岳から三国平までのゆるやかな道のりは、朝の日差しと相まって天国のような場所でした。

三峰岳から三国平までのゆるやかな道のりは、朝の日差しと相まって天国のような場所でした。

三峰岳から三国平までのゆるやかな道のりは、朝の日差しと相まって天国のような場所でした。

熊ノ平小屋の水場でリフレッシュ。

熊ノ平小屋の水場でリフレッシュ。

熊ノ平小屋の水場でリフレッシュ。

小屋の外で、しばしの休憩です。今回初めて使用したバックパックがとてもいい感じです。

小屋の外で、しばしの休憩です。今回初めて使用したバックパックがとてもいい感じです。

小屋の外で、しばしの休憩です。今回初めて使用したバックパックがとてもいい感じです。

ここから先も、しばらく樹林帯ベースの穏やかな道。

ここから先も、しばらく樹林帯ベースの穏やかな道。

ここから先も、しばらく樹林帯ベースの穏やかな道。

自然の造形は美しい。

自然の造形は美しい。

自然の造形は美しい。

塩見岳が近くなってきました。
本当に静かな山歩きです。こういう登山がしたかった。感激です。

塩見岳が近くなってきました。 本当に静かな山歩きです。こういう登山がしたかった。感激です。

塩見岳が近くなってきました。 本当に静かな山歩きです。こういう登山がしたかった。感激です。

創英角ポップ体で書かれた、新しい山頂標識。

創英角ポップ体で書かれた、新しい山頂標識。

創英角ポップ体で書かれた、新しい山頂標識。

振り返ると間ノ岳。
左の小さく尖ったピークが、今朝歩いた三峰岳。

振り返ると間ノ岳。 左の小さく尖ったピークが、今朝歩いた三峰岳。

振り返ると間ノ岳。 左の小さく尖ったピークが、今朝歩いた三峰岳。

新蛇抜山。日本百高山の100番目を守る隠れた秀峰。

新蛇抜山。日本百高山の100番目を守る隠れた秀峰。

新蛇抜山。日本百高山の100番目を守る隠れた秀峰。

北荒川岳は、目の前に構える塩見岳の大展望台。

北荒川岳は、目の前に構える塩見岳の大展望台。

北荒川岳は、目の前に構える塩見岳の大展望台。

まさしく壁のように待ち構える塩見岳に向かって、少しずつ距離を縮めていきます。直下の急登が恐ろしかった。

まさしく壁のように待ち構える塩見岳に向かって、少しずつ距離を縮めていきます。直下の急登が恐ろしかった。

まさしく壁のように待ち構える塩見岳に向かって、少しずつ距離を縮めていきます。直下の急登が恐ろしかった。

塩見岳すぐ手前から見た、富士山と蝙蝠岳。次に塩見岳に来ることがあれば、あの蝙蝠尾根を歩きたい。

塩見岳すぐ手前から見た、富士山と蝙蝠岳。次に塩見岳に来ることがあれば、あの蝙蝠尾根を歩きたい。

塩見岳すぐ手前から見た、富士山と蝙蝠岳。次に塩見岳に来ることがあれば、あの蝙蝠尾根を歩きたい。

長かった仙塩尾根を歩ききり、塩見岳の頂上に到着しました。
目の前には巨大な荒川岳が待ち構えています。またいつか...

長かった仙塩尾根を歩ききり、塩見岳の頂上に到着しました。 目の前には巨大な荒川岳が待ち構えています。またいつか...

長かった仙塩尾根を歩ききり、塩見岳の頂上に到着しました。 目の前には巨大な荒川岳が待ち構えています。またいつか...

塩見岳からの下りは注意を要する岩場の急勾配です。

塩見岳からの下りは注意を要する岩場の急勾配です。

塩見岳からの下りは注意を要する岩場の急勾配です。

このあたりまで下ってくれば安心。塩見岳からは一気に人も増えて賑やかになってきました。

このあたりまで下ってくれば安心。塩見岳からは一気に人も増えて賑やかになってきました。

このあたりまで下ってくれば安心。塩見岳からは一気に人も増えて賑やかになってきました。

さすがに疲れたので、塩見小屋で大休憩。下界では食べることのないカップ麺が、山では体に染み渡ります。

さすがに疲れたので、塩見小屋で大休憩。下界では食べることのないカップ麺が、山では体に染み渡ります。

さすがに疲れたので、塩見小屋で大休憩。下界では食べることのないカップ麺が、山では体に染み渡ります。

ときどき霧に巻かれながら、再び樹林帯に潜っていきます。

ときどき霧に巻かれながら、再び樹林帯に潜っていきます。

ときどき霧に巻かれながら、再び樹林帯に潜っていきます。

最後の山、三伏山。その手前の本谷山とあわせて最後までアップダウンのある、なかなか気の休まらない登山道でした。

最後の山、三伏山。その手前の本谷山とあわせて最後までアップダウンのある、なかなか気の休まらない登山道でした。

最後の山、三伏山。その手前の本谷山とあわせて最後までアップダウンのある、なかなか気の休まらない登山道でした。

厚い雲がすぐそこまで迫り、天空に浮かぶ島のようです。

厚い雲がすぐそこまで迫り、天空に浮かぶ島のようです。

厚い雲がすぐそこまで迫り、天空に浮かぶ島のようです。

最後の宿、三伏峠。
今夜はここで幕営です。

最後の宿、三伏峠。 今夜はここで幕営です。

最後の宿、三伏峠。 今夜はここで幕営です。

三日目の朝。夜露なのか小雨が降ったのか、テントは水に濡れて飽和状態でした。もうテントは使わないので濡れたままで...すばやく撤収。

三日目の朝。夜露なのか小雨が降ったのか、テントは水に濡れて飽和状態でした。もうテントは使わないので濡れたままで...すばやく撤収。

三日目の朝。夜露なのか小雨が降ったのか、テントは水に濡れて飽和状態でした。もうテントは使わないので濡れたままで...すばやく撤収。

一気に下り、鳥倉登山口に出ました。ここからは大鹿村のバス停まで20km弱の林道歩きです。

一気に下り、鳥倉登山口に出ました。ここからは大鹿村のバス停まで20km弱の林道歩きです。

一気に下り、鳥倉登山口に出ました。ここからは大鹿村のバス停まで20km弱の林道歩きです。

林道の対岸に目をやれば、朝日を浴びてしっとりと浮かび上がる森の木々。

林道の対岸に目をやれば、朝日を浴びてしっとりと浮かび上がる森の木々。

林道の対岸に目をやれば、朝日を浴びてしっとりと浮かび上がる森の木々。

さらに歩くと、向こうには大きな中央アルプスの山々が。

さらに歩くと、向こうには大きな中央アルプスの山々が。

さらに歩くと、向こうには大きな中央アルプスの山々が。

鳥倉林道は、林道歩きは退屈だという印象を払拭してくれるような不思議な魅力のある場所でした。

鳥倉林道は、林道歩きは退屈だという印象を払拭してくれるような不思議な魅力のある場所でした。

鳥倉林道は、林道歩きは退屈だという印象を払拭してくれるような不思議な魅力のある場所でした。

足元に目をやると、なんてことのないただのアスファルトですらも美しい。自分自身の感受性が向上したのでしょうか。

足元に目をやると、なんてことのないただのアスファルトですらも美しい。自分自身の感受性が向上したのでしょうか。

足元に目をやると、なんてことのないただのアスファルトですらも美しい。自分自身の感受性が向上したのでしょうか。

大鹿村の集落に出ました。三日ぶりの人里に、安心感を抱きます。静かな田舎で暮らしてみたい。

大鹿村の集落に出ました。三日ぶりの人里に、安心感を抱きます。静かな田舎で暮らしてみたい。

大鹿村の集落に出ました。三日ぶりの人里に、安心感を抱きます。静かな田舎で暮らしてみたい。

長くも楽しい林道歩きを経て、大河原バス停に到着。林道の歩きはじめは涼しかったですが、いつのまにかここは夏の陽気でした。

長くも楽しい林道歩きを経て、大河原バス停に到着。林道の歩きはじめは涼しかったですが、いつのまにかここは夏の陽気でした。

長くも楽しい林道歩きを経て、大河原バス停に到着。林道の歩きはじめは涼しかったですが、いつのまにかここは夏の陽気でした。

バス停のすぐ横を流れる小渋川で足を洗うことができ、三日間の山旅を快適に締めくくることができました。

バス停のすぐ横を流れる小渋川で足を洗うことができ、三日間の山旅を快適に締めくくることができました。

バス停のすぐ横を流れる小渋川で足を洗うことができ、三日間の山旅を快適に締めくくることができました。

北沢峠から。 年末、雪の仙丈ヶ岳に登ったときは北沢峠まで行くのに一苦労でしたが、夏はバスであっという間です。

標高を上げると、甲斐駒ヶ岳が木々の間から顔を出します。

小仙丈ヶ岳に乗っ越すと、突如として現れる巨大なカール。 この瞬間が仙丈ヶ岳登山のクライマックスだと思います。

日本の高峰一、二、三位が並びました。

今年2回目の南アルプスは、またしても仙丈ヶ岳でした。真冬とは全く違う風景です。

隣の大仙丈ヶ岳まで足をのばし、静かな山頂でゆっくりと休憩します。

大仙丈ヶ岳山頂で休憩し、友人とはここでお別れ。最高の登山デビューになったことでしょう。

ナナカマドの実がついています。秋はもうすぐそこ。

ここから先はひとりで静かな山歩き。あこがれの仙塩尾根。

伊那荒倉岳頂上。南アルプスの標高2500メートルは、樹林帯の中です。

独標は、一枚岩の上に出る好展望地です。午後になって雲が増えてきました。涼しくてちょうどいいです。

野呂川越からさらに標高を下げて、今夜は両俣小屋で幕営します。

両俣小屋のテント場。渓流釣り目当ての人が多く、独特の雰囲気がありました。

二日目は両俣小屋から三伏峠までの長大な行程が待ち構えているので、2時50分に出発。 あたりが薄明るくなるころには、再び森林限界に出ていました。見えるピークは三峰岳。

伊那谷は雲海にびっしりと覆われ、中央アルプスがビーナスベルトの下に顔を出していました。

日が昇り、山での最高の時間が始まります。

「南アルプスの山は個々が堂々としていて巨大だ」という印象は、いつも農鳥岳を見たときに感じている気がします。

南アルプス中南部方面。この日に目指すは右に見える塩見岳。

三峰岳から三国平までのゆるやかな道のりは、朝の日差しと相まって天国のような場所でした。

熊ノ平小屋の水場でリフレッシュ。

小屋の外で、しばしの休憩です。今回初めて使用したバックパックがとてもいい感じです。

ここから先も、しばらく樹林帯ベースの穏やかな道。

自然の造形は美しい。

塩見岳が近くなってきました。 本当に静かな山歩きです。こういう登山がしたかった。感激です。

創英角ポップ体で書かれた、新しい山頂標識。

振り返ると間ノ岳。 左の小さく尖ったピークが、今朝歩いた三峰岳。

新蛇抜山。日本百高山の100番目を守る隠れた秀峰。

北荒川岳は、目の前に構える塩見岳の大展望台。

まさしく壁のように待ち構える塩見岳に向かって、少しずつ距離を縮めていきます。直下の急登が恐ろしかった。

塩見岳すぐ手前から見た、富士山と蝙蝠岳。次に塩見岳に来ることがあれば、あの蝙蝠尾根を歩きたい。

長かった仙塩尾根を歩ききり、塩見岳の頂上に到着しました。 目の前には巨大な荒川岳が待ち構えています。またいつか...

塩見岳からの下りは注意を要する岩場の急勾配です。

このあたりまで下ってくれば安心。塩見岳からは一気に人も増えて賑やかになってきました。

さすがに疲れたので、塩見小屋で大休憩。下界では食べることのないカップ麺が、山では体に染み渡ります。

ときどき霧に巻かれながら、再び樹林帯に潜っていきます。

最後の山、三伏山。その手前の本谷山とあわせて最後までアップダウンのある、なかなか気の休まらない登山道でした。

厚い雲がすぐそこまで迫り、天空に浮かぶ島のようです。

最後の宿、三伏峠。 今夜はここで幕営です。

三日目の朝。夜露なのか小雨が降ったのか、テントは水に濡れて飽和状態でした。もうテントは使わないので濡れたままで...すばやく撤収。

一気に下り、鳥倉登山口に出ました。ここからは大鹿村のバス停まで20km弱の林道歩きです。

林道の対岸に目をやれば、朝日を浴びてしっとりと浮かび上がる森の木々。

さらに歩くと、向こうには大きな中央アルプスの山々が。

鳥倉林道は、林道歩きは退屈だという印象を払拭してくれるような不思議な魅力のある場所でした。

足元に目をやると、なんてことのないただのアスファルトですらも美しい。自分自身の感受性が向上したのでしょうか。

大鹿村の集落に出ました。三日ぶりの人里に、安心感を抱きます。静かな田舎で暮らしてみたい。

長くも楽しい林道歩きを経て、大河原バス停に到着。林道の歩きはじめは涼しかったですが、いつのまにかここは夏の陽気でした。

バス停のすぐ横を流れる小渋川で足を洗うことができ、三日間の山旅を快適に締めくくることができました。