活動データ
タイム
05:47
距離
8.6km
のぼり
929m
くだり
538m
活動詳細
すべて見る「帰省途中で千沼ヶ原でナウシカごっこしたいんだけど、雪は着いてる?」 秋田駒ヶ岳から岩手山を眺めることができる地に住む友人に、よく山の情報を聞く事がある。 彼にはあれこれ伝もあって、時にはディープな裏岩手情報も教えてくれるそんな案内人でもある。 「こっち来るなら駒行こうよ」と、友人も丁度休みがあったので一緒に駒へ登ることに。 友人は専らチェアONチェアの仕事。 つまりはほぼ身体を動かす事がないので、流石に滝の上登山口から国見登山口まで歩かせる訳にもいかないし、3年ぶりに一緒に山を歩けるならばと、おすすめのパノラマコース金十郎尾根を歩くことに。 友人一家のご厚意に甘えて前泊がてら酒を嗜みながらの山談義、釣り談義に花を咲かせるも、神仕業かお酒も底をついたので、珍しく1時には就寝。 今回取れた連休を使って、3つの山を歩く予定であったが、日が近づくにつれて荒天となってしまい、この日行く秋田駒山行が連休唯一の登山となってしまった。 そんな気の落胆からか、新潟から山形へと車を走らせている道中に登山靴を忘れるという失態もあったりしたので、山に歓迎されていないようだ。 早朝に秋田側八合目登山口に車を停めて、もう一台で国見温泉登山口へ移動。 天候も芳しくないので、このまま森山荘でひとっ風呂してから登山もありかと思ったが、この湯は若苗色ともいえる優しい色合いながらも、飲泉には一切向かず、それ故にか高い効能で知られており、硫黄泉と炭酸水素塩泉とが合わさる独特な源泉を沢水で加水することなく湯舟へ流すという、温泉好きには堪らない秘湯である。 過去に私も何度か利用したが、長湯厳禁、湯当たりに苦しめられ入浴後数日は独特の匂いが取れない程に強烈である。 友人と私が好きな酒のひとつにスコッチウイスキーのラフロイグがある。 ここの湯もまさにそれで“惚れ込むか、大嫌いになるかのどちらか“とその酒を語る時に言われる言葉に合致していると言える。 何度も足を運んだ私はもちろん前者で、せっかくの駒を歩くのなら景気付けの一杯ならぬ、一浸をしても良いのではと思えるくらいである。 山行はあいにくの曇天での開始で、金十郎尾根の中腹から先は次第に晴れ間も見せ始めて、南部片富士こと岩手山の御姿を眺めることは叶わなかったものの、奥羽脊梁山脈の深く優しい姿を楽しみながらも、この地へさらに惚れ込んでしまった。 昨晩より決めていた下山後は水沢温泉へ浸かるという事。 八号目登山口で居合わせた方との会話の中で尋ねられた下山後の温泉のおすすめに対して、「少し移動しますが、乳頭温泉郷が最も有名です。乳白色の湯と透明の湯が楽しめる温泉で周囲の紅葉が綺麗な所です。ですが、私は降りてすぐの水沢温泉をお勧めしますよ」と伝えた。 彼らが去ってからひとつ大事な事を伝える事を忘れていた。 「浸かる前にちゃんと湯の温度を確かめて」と。 露天風呂水沢温泉はその名の通り露天風呂からの開放感ある展望が見事なのです。 泉質も青白い硫黄泉で、癖のあるのかと思いきや、優しく包み込むような柔らかさで登山後の冷えた身体を温めてくれる湯。 しかしながら、ここの湯は内湯と露天にそれぞれ温かい湯と熱い湯と書いてあるが、概ねの人ならば、熱い湯と熱すぎる湯と思って入った方が良い。 ここでよく見かけるのが、浴室に入って熱い湯を桶に取ってかけ湯をして、熱さに痺れている人や、身体を流さずに浸かるマナー知らずの人が足を入れて悶絶している姿もたまに見かける。 昔ながらの湯壺の深さで静かに浸かる事を強要させられるくらいの時には温かい湯で45℃くらいの熱っつい湯なのである。 これもまた癖になるもので、深く熱い湯にじっくりと浸かりながらその日を振り返るもよし、露天から田沢湖を眺めるもよし、昨今の流行とは乖離したこの湯が私は好きで堪らない。 ほっかほかになって友人と国見側登山口で車の回収、森山荘は確か20時まで入浴が出来るなと、また誘惑に負けそうになりながらも、夜に別の用事もあるので友人とはここでお別れ、秋の駒の匂いを身体に漂わせながら。 ⚫︎秋田八合目までは10月31日まで。 ⚫︎この翌日は教官との登山でしたが、天候には贖えず。 ⚫︎車にアゾロのグリッドGV忍ばせておいて良かった。
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