活動データ
タイム
09:20
距離
9.7km
のぼり
964m
くだり
963m
活動詳細
すべて見る神さんの山「石鎚山登拝」 7月1日 (雨) プロローグ 私達が現在石鎚を神さんの山だと感じているのは西条「石鎚神社本社」(口之宮)、「石鎚神社・成就社」(中之宮)、山頂にある「石鎚神社・頂上社」(奥之宮)、更には「土小屋遥拝殿」の存在ですよね 実はこの石鎚神社は明治時代以降に出来上がった比較的新しい信仰スタイルなのです 「霊峰石鎚」は古来西条の「石鉄山金色院・前神寺」(これが石鎚山の別当寺でした)、「九品山浄土山不動院・極楽寺」、周桑郡小松町の「石鉄山福智院・横峰寺」今治の「石土山不動院・石中寺」、丹原の「西山興隆寺」等がその御神体として崇め「石鎚蔵王権現」を祀る素朴な山岳信仰の対象として明治時代まで続いてきました。 ところが明治維新の新政府が天皇制護持の方針から、天皇の系譜は日本古来の神にありと神国ニッポンをキャッチフレーズにします その為乱暴にも明治元年「神仏分離令」を公布し従来の神仏混淆(こんこう)の修験道を廃止してしまいました そして明治4年、それまで石鎚信仰の中心だった前神寺等全国のお寺が廃止され、「石土神社」(後に石鎚神社)が誕生したのです 明治政府っていきなり仏教を廃止って長年の文化伝統を無視した政策を実行しようとしたんですねぇ (そんな簡単に庶民に受け入れなかったのですが・・・) そんなこんな人間界の思惑を超えて霊峰石鎚は今も多くの登山者や登拝者に親しまれています 戦後、石鎚神社では石鎚本教という宗教団体を設立して比較的神仏混交的な教義で従来の仏教的なしきたりなどを踏襲した独特の幅広い宗教活動を行っている様です さて、話は7月1日の石鎚山開き大祭(昔はお山市と呼ばれていました)に移ります 石鎚神社の祭神は「石鎚比古神(ひこかみ)」=「石鎚大神(おおかみ)」とされています(狼とは関係ありません) 何でも位置付けは神話に出て来るイザナギ、イザナミの二番目の子供みたいです 万能の神「石鎚大神」ではありますが、色々忙しいので三人の子分に仕事を任せています 会社で言うと社長が忙しいので各部署に応じた取締役を置くのとおんなじ理屈ですね 普段その三体の御神像は石鎚本社に居られます その1)「仁」の徳(和魂にぎみたま)を持つ「玉持の御神像」優しさを前面に押し出します その2)「智」の徳(奇魂くしみたま)を担当の「鏡持の御神像」賢さがモットーです その3)「勇」の徳(荒魂あらたま)を任せられた「剱持の御神像」勇ましさがウリです で、6月30日にこの三体の御神像は一旦成就社に移されます(奉遷と言います) ロープウェイが開通するまでは各地区の青年団が黒河道や今宮道から神輿を担いていました 現在は御神像が納められた神輿はトラックに載せられて移動しロープウェイで上がります 個人的には本社の出発式やロープウェイ駅から成就社への移動時しか往年の風物は感じられません そしていよいよ7月1日に各地区の信者さんによって成就社から山頂社へと担ぎ上げられ(動座すると言います)10日間山頂社に置かれる(奉祀ほうしすると呼びます)のです この10日間が石鎚お山開き大祭の期間となる訳です トップは「仁」の御神像でイメージカラーは赤、今年は東予地区の崇敬組合が担当です 2番手は「智」の御神像でイメージカラーは青、遠く大分の崇敬組合が参加されました しんがりは「勇」の御神像で黄色、中予の大人数でこの中に赤いクレパス君が居ます 見物(みもの)は鎖禅定の勇壮な御神像の担ぎ上げ風景です 一本のロープを皆で引っ張って御神像を背負った担ぎ手を一気に引き上げるのです 皆さんも写真やニュース等で目にした事があると思いますが、やはり現場で見る臨場感が最高です 残念ながらいまだに7月1日は女人禁制となっていますのでこの勇壮で有難味が有る神事は女性は見る事が出来ません 男性の身勝手な取り決めだと思います ただし、今年の7月1日は大雨でそれでも行かない訳にも参りません この日ばかりは女性に生まれたかったと思った事でした 石鎚お山開き大祭は10日間続きますので翌日からは大勢の女性参拝者が来られていました タンスの奥に防虫剤と共に仕舞っていた白装束に手甲、脚絆、足袋などを引っ張り出しホラ貝、錫杖と修験者のいでたちで神さんの山の雰囲気を盛り上げます 中には行ける所まで行くと神さんの山に向かって歩かれるお年寄りを多く見かけ感動します 尚、10年前に石鎚成就社よりお山開き大祭に参加した詳しい記録は ここhttp://entotsuyama.hobby-web.net/ishiduchi-25oyamabiraki.html にありますので興味がある方はご参考まで 「鶴ノ子ノ頭」三角点「土小屋」 1,637.45m の悲劇 石鎚土小屋登山コースに入ると最初にトラバースする尾根に「鶴ノ子ノ頭」と呼ばれるピークが存在します 15年程前までは尾根筋を歩いて三角点まで数回行った事がありますが、現在は笹薮が酷くて難しくなりました 石鎚お山開き大祭に今年も参加する事が出来て赤いクレパス君やきゅんちゃんに会えました その上天狗様のお導きでエントツ山掲示板のユニークな投稿者で未だ山で会った事が無かっただらだらヒューマンさんにも遭遇しました 当日の天気とは反対に晴れ晴れとした気分での帰り道、鶴ノ子ノ頭への懐かしい気持ちが急に湧いて来て小沢筋から這い上がってみました この思いつきが禍いの元となり途中の藪でカメラを落としてしまいました 2時間藪の中を探しても見つかりません 疲れ果てて一旦土小屋で車中泊の後翌日早朝から又2時間程捜索活動を再開しました 警察や消防署の捜索隊や鑑識課もこんな地味な作業をしてるんだなぁとしみじみ思いました でも遺留品は見つからず・・・目が悪いので虫ネットを被ると余計に視界が悪いので虫に耳やまぶたを咬まれて腫れあがりました ふと神も仏もあるもんか~とチラリと脳裏を邪心が囁きましたが否!全ては弱い自分の不注意が原因なのです 天の助け ネコ大明神コンビが降臨 09時、第二次捜索でも見つからず諦めようとした時に携帯電話が鳴りました 石墨山へササユリ登山の筈だった山仲間、結さんとたまさんがあちらが雨の為に諦めて石鎚へ来たとの事、 カメラ紛失の事を伝えると一緒に探してあげると言う 藪の中で気の毒でしたが目の良い二人で直ぐに見つけてくれました 唖然・・・のちに感謝 その後、鶴ノ子ノ頭へ案内して笹薮の中から無事三角点を見付ける事が出来ました 二人は最近山頂標識や三角点に猫人形を置いて写真を撮る宗教にハマっている様ですがどうもこのネコ大明神は失せ物、探し物に御利益がありそうです 何度もペコペコお礼を述べて山頂へ行くお二人と別れて瓶ヶ森に寄って帰路につきました 鶴ノ子ノ頭などに寄らず大人しく瓶ヶ森へ向かっていれば・・・ カメラのストラップを外さなければ・・・ レイン上着の胸ポケットのチャックをキッチリ締めておれば・・・ 逆に 石墨山に雨が降っていなければ・・・ 前日大雨で私が2日に石鎚へ行っているだろうと考えて電話を貰った事・・・ 猫大明神達が藪を嫌がらなかったゴツイ性格だった事・・・ 悪い事、良い事がふとしたはずみから織りなす人生のちょっとした悲喜こもごもの体験でした 色々ありましたが思い出深い今年の石鎚お山開き大祭となりました エントツ山
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