活動データ
タイム
06:58
距離
9.8km
のぼり
1234m
くだり
1235m
活動詳細
すべて見る土曜日は休日出勤であったので日曜は絶対山に行くぞと思い、鳥海山か蔵王山を計画。 かねてから東北でも有数の名山で山スキー愛好家にも人気のある鳥海山にぜひ行ってみたく思っており、先週も狙っていましたが、天候の関係で断念していました。今週もてんくらではCでしたが、周辺の天気も悪くないため風が強いためにCになっていると判断。 雪の多い鳥海山といえども山スキーの適期はそろそろ終盤なので、ここでいけなければ来年までお預けになってしまうし、ダメならダメでBプランとして月山や八幡平でもいけばよいと考えて鳥海山にほぼほぼ決定。 しかし、スキーで登るとなればやはり積雪の状態も気になります。ヤマップでもあまり情報が無くどうしたものかと思い、山スキーの大先輩で鳥海山の滑走経験も豊富なIさんに相談をしたところ、湯の台はほぼ確実、祓川も少し登れば恐らく滑れるだろうというコメントを頂きました。 頂いた情報をもとに再度検討を行い北面のほうが風向き的にも積雪量的にも良さそうだったので、祓川ヒュッテから登るルートに決定しました。 当日朝3時に出発する予定も、結局5時発に。東北道を北上し古川ICで降りて、そこから先132kmは下道です。まずは国道47号線を鳴子まで西に向かいます。鳴子から先は国道108号線を使って鳥海山の麓の町矢島を目指します。国道108号線はバイパスがほぼほぼ完成しており一部を除き快走路でした。 なお、コンビニで補給食を買おうと思っていたら秋田県内に入ってからは沿道にコンビニが無く、矢島町内のローソンまで行くはめに。鳴子までに補給しておくのが正解でした。 八時半頃に祓川ヒュッテの駐車場へ到着。人もあんまりいないかなと思ったら、スキーを担ぐ準備をしておる人たちがたくさんいて、鳥海山の山スキー人気の一端が伺えました。 自分も板にシールを貼って、ザックにA型にくくりつけて、もろもろ準備してすぐに出発しました。 祓川ヒュッテを越えるとすぐに竜ヶ原湿原がお出迎えしてくれました。目的地の鳥海山もはっきり見えましたのでワクワクしながら歩みを進めます。 まず祓川神社あたりにさしかかると雪が大量に残っており、神社は全て埋もれているようでした。ここは急斜面すぎるのと、すぐに雪のない登山道になるため板をはかずに、スキーブーツのキックステップで登っていきます。後ろを振り向くと風力発電所と日本海が眼下に広がり素晴らしい景色です。 すぐに雪のない尾根に道が見えてきましたので、夏道を進みます。夏道はかなり整備されており階段状に岩が組まれて並んでいるので歩きやすくいい感じです。ただ、かついでいるスキー板が木の枝に引っかかるので引っかからないように進むのに難儀しました。 ヤマップの地図で最初に水場のあるところで夏道が雪に埋もれている状態になり、ここから先はスキー板で登れそうです。上の方まで雪がつながっていそうな感じでしたので、下りはここまではスキーで降りてこれるかもしれません。 この時点ですでになかなかの積雪量なのですが、場所によっては藪も出始めています。違うところに降りると藪や湿原に阻まれて駐車場まで戻れないリスクもありますので、下りきって板を脱ぐ場所として周辺の様子とGPSの表示位置を記憶します。 状況を把握したところでザックからスキー板を取り外して、ブーツにウォークモードで装着し、ハイクアップ開始です。 登りながら雪面の状態、岩の出ているところや穴の空いているところ、クレバスの位置を確認していきます。単独行なので落ちたり引っ掛けて転んで怪我をしても助けはこないので、この確認作業はとても重要です。 しばらく登っていくと、避難小屋手前あたりでなかなかの斜度になるので、ジグザグに登っていきます。避難小屋の外観はきれいそうで、2日間スキーするときに泊まってもよさそうに見えました。たびたび強い風が吹いてきますが、登るのに支障はなく、体が適度に冷えるのでむしろありがたかったです。 避難小屋から上にでると鳥海山の中腹付近がよく見えてきました。遠目には雪が繋がっているか微妙でしたが、細い廊下のような感じで繋がっていたので一安心です。 細い廊下の下部に近づくと、大きな雪の裂け目や穴ができていることがわかりました。ここは要注意です。上の方からは雪の起伏の関係で見えづらいので調子に乗って高速で突っ込むと危険です。十分に減速して滑るところと記憶しました。 さらに登っていくと、上の方も繋がっていることが確認できました。こちらも、漏斗状の地形でなかなかの狭さです。小回りしながら降りて、左ターンで抜けるのが正解でしょう。ここの上部は小さな落石がいくつもあり、しっかり板をコントロールしてよけることになりそうでした。 七高山直下のあたりまで来るとその懐のスケール感に圧倒されます。どこに滑っても楽しそうな斜面が広がっています。月山のスケール感にも驚きましたが、鳥海山はさらにすごいです。 はやく頂上に向かいたいところですが、出羽富士と評されることもある山容のとおり、上部の斜度はかなりあり、スキーで登るのはなかなかに大変です。風は鳥海山の山体の影に入りだいぶ弱くなりましたが、それでも強い風が時折吹いてきます。 焦っても進むわけではないので、じっくりじっくり登り、登り初めてから四時間で七高山山頂に到達しました。七高山は鳥海山の外輪山にあたり、外輪山の稜線には爆風が吹きすさんでいましたので、岩陰に身を隠しながら、内部に見える新山へ行くか少しの間考えました。時間は少し遅めの13時。徒歩ならもう引き返す判断が必要でした。 今回は下山がスキーで早いので、日が暮れる前には降りられると踏んで、新山へアタックすることに。 外輪山から内部に降りる道はなかなかの岩場です。鎖もあるので、要所要所で使って慎重に降りていきます。スキーブーツではちょっと大変でした。結構険しいので、もし早い時期にきてここが凍ってたら降りなかったと思います。 降りきってから改めて外輪山を見渡しますが、あまりに険しくまるで本丸を守る難攻不落の城壁です。新山も多数の岩峰を抱えた砦のように見えました。 外輪山の内部は風はほとんどなく妙な静けさです。 中央部には大量の雪が積もっており、新山を守っています。雪が多少凍っていたため、念のため持ってきた12本爪アイゼンをスキーブーツに装着して蹴り込みながらフロントポインティングで登っていきます。 この時期は新山に登る人は少ないのか、足跡もほとんどなく周りに人もいません。 孤独なアタックを続け、ほどなく新山への最後のアプローチルートが見えてきました。外輪山を降りるあたりで覚悟していましたが、やはり最後の最後で岩場です。ここでアイゼンを外して、アタックします。スキーブーツではなかなかつらい岩場でしたが、滑落したり足が挟まったりしないよう細心の注意を払いながら一歩一歩進み、なんとか鳥海山山頂に到着。ここまでこれた達成感に包まれました。 岩峰に囲まれているので風はほとんどなく、しばらくここにいたくなりましたが、下山の時間もあるので、下山を開始。細心の注意を払いながら降りていきます。雪の上に戻ったところで再びアイゼンを装着し、一気に外輪山下まで下ります。ここでアイゼンをしまいます。 帰りの外輪山の岩場も一歩一歩確実に登りきると、上はやはり爆風です。飛ばされないように姿勢を低くしながらスキー板をデポしたところまで戻ります。 スキー板からシールを剥がし、補給食を食べていよいよ滑走です。雪の状態は柔らかく、滑走性もなかなかよいフィーリングで最高でした。遠くに見える日本海を眺めながら滑っていきます。要所要所でプロトレックの軌跡を確認しながら、もと来たルートで戻ります。山スキーではうっかり一つ尾根を間違えて降りすぎると、再び登るはめになって日没までに帰れないかもしれないので慎重に慎重を期す必要があります。 クレバスや穴の位置を覚えておいたので、手前で減速してやり過ごしながら下山していきます。おおよそ20分ほどでスキーをはいた夏道の終了地点のところに戻ってきました。スキーを再びザックにくくりつけて、祓川ヒュッテへ戻っていきます。下山を開始してから1時間後に祓川ヒュッテに到着。無事に下山することができました。 都合登り6時間、下山1時間の日帰りとしてはひさしぶりに長めの山行でした。 素晴らしい眺望と素晴らしい斜面。鳥海山はまた滑りに行きたい山でした。いろいろな登山口、山スキーコースがあるのでまた来年登って滑るのが楽しみです。 山スキー情報をご教授頂いたIさんありがとうございました。来年こちらにお越しの際はぜひともご一緒させてください。
動画
活動の装備
- モンベル(mont-bell)インシュレーテッド アルパインパンツ Men's
- モンベル(mont-bell)アルパインスノーショベル
- その他(Other)クロスオーバードーム シングルウォールテント
- その他(Other)ジースリー ヴィア スキーポール
- フィッシャー(FISCHER)Traverse
- アトミック(ATOMIC)Backland 85
- その他(Other)ブラックTEMRES 02winter
- マムート(MAMMUT)Barryvox S
- ビーシーエー(bca)STEALTH 270 ORANGE AVALANCHE PROBE
- モンベル(mont-bell)ストリームジャケット Men's
- グリベル(GRIVEL)ステルス
- モンベル(mont-bell)LXT-12アイゼン ワイド
- モンベル(mont-bell)エクスペディションパック 80
- カシオ(CASIO)WSD-F20-RG
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