マツ
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- 福岡, 大分で活動
- 1960年生まれ
- 福岡にお住い
- 男性
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登り納めを諦めてプチ慰安旅行 日奈久温泉~おちかラーメン~通潤橋~阿蘇神社 毎年恒例の一泊しての登り納めは相棒の都合で断念し、日帰りで決行することになった。熊本の低山「雁回(がんかい)山」を軽く登って、山都町の「おちかラーメン」食べて、通潤橋の放水を見学するという計画を立てた。ところが、オッサンのひざ痛が再発してしまう。完治したので走りを再開し、少し違和感を覚えたがそのまま二丈岳にソロで登った。しかし、翌日から痛み出してしまった。 「大腿四頭筋腱の炎症」。前回ほど酷くはないが、湿布を貼って痛み止めを飲む。ぎりぎりの金曜まで様子を見るが、やはり治まらない。雨も降りそうだし、プチ慰安旅行に変更した。熊本の日奈久温泉~おちかラーメン~通潤橋の放水見学。温泉は公衆浴場が8時半から開いているということなので6時に出発を予定。天気と膝の調子次第では登るか。4時半に起きて準備しよう。 当日。目が覚めたら相棒から電話が入っている?!時計を見ると6時を回っている。やってはいけない寝坊。慌てて入浴準備だけして家を飛び出た。最近、公園を歩けないので、目覚ましかけないと早い時間に起きれないのに、かけ忘れ。相棒に平謝り。山の準備をする余裕がなかったので、慰安旅行に決定。 日奈久温泉には9時前に到着。幼い頃から日奈久温泉とちくわのことは知っていたが、初めて訪れた。相棒も初めて。日奈久温泉の歴史は古く、開湯600年で藩営にもなった。薩摩街道沿いにあって、島津の殿様も浸ったそうだ。公衆浴場「松の湯」は入浴料200円。昭和六年開業だそうだから、100年近い歴史がある。 かけ流しで湯舟は熱湯とぬる湯の二つだけというシンプルさでタイル張りは開業以来変わらないとのこと。「朝寝、朝酒、朝湯が大好きな」小原庄介ではないけれど、朝風呂を愉しんだ。街並みも少し寂れた感じはするがレトロ感たっぷり。名物のちくわ(1本110円)を食べる。大振りで弾力があって噛むと優しい味。久しぶりに食べた。家族に土産で5本購入。 それから一路、山都町へ。高速に再び乗ると雨脚が酷くなってきた。早々に諦めた晴れ男の神通力は発動しなかった。10時半過ぎにおちかラーメンの暖簾をくぐると、すでに10名くらいの先客。オッサンは前回、超大盛(1200円)を食べたが、今回はワンランク下の「特大盛」(950円)を注文した。出てきたのを見ると前回とどう違うのか分からないが、まあいいか。熊本ラーメン好きの相棒は小食なのだが珍しく大盛り。相棒も満足したようだ。 山に登らなかったので時間が早過ぎて午後一時の放水まで3時間もある。雨は降っているし、時間を持て余しそうだ。とりあえず橋の前にある道の駅の売店を冷やかし、原木椎茸を購入。以前、母親を連れてきた時は橋を渡ったので、渡れるか尋ねると11月一杯まででしかも500円徴収されるそうだ。国宝になったので仕方ないか。相棒は通潤橋見学は初めてだそうで、橋の下まで歩いた。近くで見ると、精緻な石組みに感動する。オッサンの生まれ故郷の「種山石工」の技があらためて誇らしくなった。この石工集団のリーダーは、確か長崎で石橋の技術を得て、何の理由か分からないが、熊本の山奥に移住したと記憶している。南蛮の技術をカスタマイズさせて日本の農業に活用した先人の知恵と情熱を感じさせる。 放水はまたいつか見られるだろう。阿蘇まで足を伸ばして、熊本地震で倒壊し最近復旧した阿蘇神社の楼門を観ることにした。ここからはオッサンが運転。天気が良ければいいドライブコースなのだが、さらに風が強く、阿蘇付近はガスがかかって、いつもは見える根子岳、くじゅう連山はガスの中だ。 今年5月に母親を連れてきた時は拝殿の改修はほぼ終わっていたが、シンボルの楼門はまだ改修中だったので、楽しみだ。 駐車場に停めて正面に立つと、見事な楼門が屹立している。圧倒される。よく見ると、使える古材をなるべく使用して継ぎ合わせているのが分かる。耐震用に黒く太い鉄製の柱が建っていた。7年の月日をかけて見事に復旧させた技術に敬意を表したい。拝殿を参拝して大観峰経由で福岡に帰った。 諦めの悪いオッサンは膝の調子がよくなれば、平日にソロで久住に登ろうかと画策中だ。仕事もかなり速いペースで片付いているし、丁度寒波が来ているので雪山を楽しめる。布チェーンも買ったので準備は万全だ。 今年の山行の振り返りはそれが終わってからにしよう。
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初の留守番部隊と念願のバンガロー泊 行縢山(むかばき山 宮崎県)・祝子川キャンプ場 初の留守番 ずい分前から決まっていた大崩山登山。ご近所の同郷ご夫婦と同学年の山女さんと4人で計画していた。泊まるのは、祝子キャンプ場のコテージ。ここはゴールデンウイークに相棒と泊まる予定だったが、あいにくの雨でキャンセルした。山中にある山小屋(無人)には2回泊まったことがあるが、ここは管理人さんがいて、快適のようなので一度泊まってみたかったので予約を入れた。 オッサンは8月上旬に槍ヶ岳(まさかのソロ)登頂を無事に果たして、あとはこの大崩山を目標にしていた。2カ月ぶりに走りを再開しようと、軽く1キロ走ってみた。すると、その夕方から膝が疼き始める。翌日はソロでくじゅうに登る予定。迷ったが、気がつけば牧ノ戸駐車場で準備していた。疼く膝。行けるところまでと登ったら、結局頂上までのピストン約9キロを歩いた。下山当日はそこまで酷くなかったが、翌日からかなり痛み始めて、病院でレントゲンを撮ってもらった。「膝蓋部滑液包炎〔しつがいぶかつえきほうえん〕」と診断されて、ロキソニンとシップを処方された。 加齢と酷使が原因だろう。参ったが、1週間くらいで治るだろうと高をくくっていた。しかし、1週間過ぎても完治しない。ご主人は早くから腰の痛みが出て留守番を志願しているので、経験者のオッサンとしては何とかしたい。したいが、ままならない。9割方は治まっているが、痛みがしつこく残っている。ここで無理して登ったら、この前より酷くなるかもしれない。前夜、登山靴を用意したが、当日朝断念した。 女性2人で大崩は難しい上に、雨がかなり降ったらしいので渡渉できない可能性もある。前日に確認すると、行きの袖ダキ展望所までは何とかなりそうだが、坊主尾根から下りてきての渡渉が絶望的だという。それならば、渡渉しなくていい同じ山系の「木山内岳」にするかなど悪あがき。 少し離れているが比叡山にしようかと思ったが、大雨で道が荒れているかもしれない。それならば、九州百名山の「行縢山」にしようとなった。記録を見ると、見事な滝がある。問題はヤマビル。吸われた人がかなりいるようだ。オッサンも一度登ってみたかった。天気予報は最初は悪かったが、徐々に好転してきて土曜日は晴れの予報に転じた。晴れ男の面目躍如。 3時半に出発。大分道から東九州自動車道に入った。天気は予報通りもちそうだ。ならば、大崩登山口まで行くかと急きょ、目的地を変更し、延岡市から祝子川沿いの道に入った。すると、何と通行止めの看板。これは行縢を登れという啓示だろうと、引き返す(後から聞いたら迂回路があった)。 ここから1時間弱で登山口に着いた。 行縢山に変更 行縢山 「延岡市の北西部にあり、山の西面は北方町。雄峰と雌峰に大きく分かれ、ともに花崗斑岩の巨大な岩壁を持ち、間に「行縢ノ滝」(別名、矢筈ノ滝)をかけている。 山名は、山容が昔日の武者の臑当(すねあて ムカバキ)に似ているからつけられたといわれている。伝説に日本武尊(やまとたけるのみこと)が熊襲(くまそ)征伐の折、「布引の矢筈の滝を射て見れば、川上たける落ちて流るる」と詠んだ。 地形は可愛岳、比叡山、戸川岳と東西に連なる環状山脈。滝の最奥部に「宮崎県明治百年記念の森」があり、休憩所、遊歩道もある。 雄峰(主峰)からの展望は良好。特に南、東側は、足元が絶壁となり、さえぎるものもない。雌峰は樹木が多く、展望はやや不良。 山麓に「宮崎県むかばき少年自然の家」や「行縢神社」があり、杉の大木を混じえたその周辺の森は、バードウォッチングに最適。 雄峰山頂への登りは、照葉樹林や杉林の中を1時間30分。明治百年記念の森へはさらに30分程度必要。なお、この記念の森入口から東へ、黒岩小学校に抜ける歩道も利用価値がある。」(ヤマケイオンライン) 確かに岩峰が左右に切り立っていて、行縢そのものだ。その真ん中からものすごい水量の滝が流れ落ちている。いいなあ。登りたくなった。アプリでコースを確認、滝まで登ってそこから北岳、本峰(雄岳)を経るループコースで休憩も入れて5時間から6時間だから、午後2時過ぎに迎えにこよう。8時半に出発。二人を見送ってオッサンたちは登山口脇にある行縢神社に参拝、なかなかいい神社だ。 時間はたっぷりある。そこであの唐揚げが無性に食べたくなった。「道の駅 宇目」のから揚げは初めて大崩山に登った時、偶然食べたがおいしかった。今回で3回目。朝はバナナと豆乳しか食べていないのでお腹が空いている。開店時間の10時に入って、5個500円をぺろりと平らげた。相変わらずのボリュームでおいしい。 さて、キャンプ場にまずは行こう。元来た道に戻って南下、途中で峠越の道に入った。祝子川沿いの道より楽な道だ。キャンプ場に着いて、チェックイン。管理人さんにロープを寄付した。おかしいことに行政からの補助がないそうなので、お世話になるから当然のことだ。 美人の湯に入ってから迎えに行こうと思ったら、オープンまで30分待たないといけない。まあ、遅くとも4時にはここに戻って来れるから、迎えに行くか。管理人さんから行縢の地ビールがあると聞いたから、時間つぶしに寄った。「宮崎ひでじビール」。なかなか立派なブリュワリーだ。缶ビールを仕入れた。ここで行縢を目の前にビールとバーベキューを楽しめる。 反省 登山口には2時過ぎに到着。遅くとも3時には下山してくるだろう…ところが待てど暮らせど下りてこない。おかしいなあと徐々に心配になってきた。すると、lineで「ヤマビルと渡渉で転んで時間がかかっている」と連絡が入った。ケガは擦り傷くらいだから、ホッとした。3時半に主峰に到着したようだからここから下山するまで1時間半だから5時か…大幅に遅れている。すると、続報が入った。アプリのルートで下りようとすると、とんでもないところでとても下りられないから、迂回して帰るとのこと。心配になってきた。バンガローの外でバーベキューする予定だったが、日没が6時半なので間に合いそうもない。雨降り用心でホットプレートをご主人が持ってきているので、室内で焼き肉に変更か。 なかなか下りてこないで、膝が痛むが迎えに20分ほど上がって待った。しかし、なかなか姿が見えない。5時半前にようやく姿を見せた。元気そうだ。6時前に無事に下山完了。軽い気持ちで登らせたが、9時間近い山行になってしまった。 キャンプ場には7時前に到着。焼き肉食べながら反省会。 遅れた原因は、大まかに2つ。ヤマビル攻撃で時間を取ったことが第一。防止スプレーをかけて臨んだが、渡渉で濡れて効かなかった。2人とも5,6カ所噛まれていて、血が止まっていなかった。もう一つは、ルートがロストしていたこと。こちらはかなり危険だった。アプリでしっかりルートがあるので、安心していたのだが、実際はとても下りられる状態ではなかったようだ。そのまま無理して下りて事態が深刻になるより、撤退して迂回して安全策を取ったのは正解。しかし、アプリのルートが使えないのはかなり問題ではないだろうか。 翌日、管理人にその事を話すと、どうやらこの大雨で崩れ落ちたようだ。こればかりは仕方なないか。やはり、アプリ任せにせずに、初めての山に登る時は事前にいろいろ調べる必要があると痛感した。 この2人組は今月下旬に北アルプスに挑戦する。8月に予定していたが、台風で延期になっていた。今回はその壮行会も兼ねていたので、今回の山行は訓練には十分過ぎたが、無事に怪我無く下りて来たので良しとしよう。 山行考 キャンプ場は快適だった。横浜から単身移住してきた管理人さんといろいろと話ができた。彼が「九州の登山ルールは本土と違いますね」というので、尋ねると、一つが道迷い防止のためのルートのリボンは、本土ではペイントが主流だという。ああ、そう言えば、ペイントされていて、誰がやったのかという非難の声があがっていた。あれは恐らくいたずらではなく、善意の行為だったのだろう。ペイントは自然を壊すという声が当然のように上がっていたし、オッサンも眉をひそめた1人だが、よくよく考えてみると、リボンと違い長く残るのでメンテの必要がないのは合理的だし、リボンも落ちれば土に戻らないので環境には影響を及ぼすから、ペイントと変わらない。なるほど。また、大崩山中の小屋のトイレも、排泄物を管理人が背負って運び出しているそうだ。いやはや、御迷惑をおかけしている。 やはり携帯トイレが使えるようにして各自自分のものは自分で持って下山するのがいいだろう。 初めて留守番をやる羽目になったが、このキャンプ場を体験できたのは収穫だった。次回は、ここをベースに大崩に登ろう。 追記:九州でペイントマークが流行らないのは、やはり景観が原因ではなかろうか。安全か景観か。難しい問題だ。
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