大平山
大平山
(山形)
2026年05月07日(木)
日帰り
コース定数:6
平均ペース:130〜150%
「御堂森」の続き
https://yamap.com/activities/48140470
過呼吸。
手足と口の痺れ。
そして、「このまま意識を失うのでは」という感覚。
普通なら、そこで山行終了です。
ええ、本当に。
ですが、その日最後に向かったのは、大平山でした。
いつもの山行なら「みんながんばれ」で進むのですが、今回は違います。
完全に、
「いのちだいじに」
です。
【大平山駐車場】
Google Mapsを使う場合は、農家レストラン「蔵」を目印にすると分かりやすいです。
そこから先は直進。
……そして酷道の始まりです。
御堂森方面ほど極端な急勾配ではありません。
ですが、枝、狭さ、轍。
総合的な“圧”は今回随一でした。
「車で山に向かっている」というより、「森に飲み込まれに行っている」感覚です。
低車高の二駆ではかなり厳しいと思います。
実際、道の深い轍を見るだけで胃が痛くなります。
そんな道中、見覚えのある車と離合しました。
「あれ?」と思ったら、道さんでした。
道さんの誘導でこちらがバックし、道を譲ります。
その際、「今日の山行は終わり」とのことで、水分を分けようとしてくださったのですが、先ほど補給できていたため、それは丁重にお断りしました。
代わりに頂いたのが、干し梅。
この時はまだ知りませんでした。
今日の山行を、あの干し梅が救う事になるなんて。
駐車場直前の坂は特に凶悪でした。
道さんはその手前で駐車したそうですが、今回は妻の車だった事もあり、慎重に進んで何とか駐車場まで到達。
広さは充分。
そしてここにも、御堂森同様の黄色い登山届ポストが設置されていました。
【大平山駐車場〜大平山山頂】
登山道自体は歩きやすいです。
序盤は穏やかですが、途中からしっかり急登へ変化。
特に三号目〜七号目付近は、延々とロープ場が続きます。
ただ、この時点で身体の状態が完全ではありませんでした。
過呼吸の余韻なのか、エネルギー不足なのか。
少し歩くだけで呼吸が乱れます。
なので、
少し歩く
↓
ザックを下ろす
↓
水を少しだけ口に含む
↓
干し梅を舐める
↓
また進む
……という、非常に地道な繰り返しでした。
食料自体は持っていたのですが、もう胃が受け付ける状態ではありません。
そんな中で、塩気と酸味だけでも身体に入れられる干し梅は本当にありがたかったです。
「ああ、これは命綱ですね」と思いながら舐めていました。
そんな状態でも、少しずつ進めば山頂には届くものです。
何とか、大平山山頂へ到着しました。
【大平山山頂】
酷道の先にある山としては、充分すぎるほど良い山頂でした。
広さもあり、景色も良い。
そしてやはり、御堂森と同じく妙に読みにくい山頂標識。
……あの辺り、そういう流派でもあるのでしょうか。
眺望も良好で、先ほど苦しみながら歩いた御堂森も見えました。
景色としては本当に素晴らしいです。
ですが、今日は少しだけ、精神的な圧も感じました。
「あそこで倒れかけたんですよね……」
と、景色を見ながら思い出してしまう程度には。
【大平山山頂〜大平山駐車場】
下山では、とにかく足攣り警戒モードです。
慎重に、慎重に下っていきます。
……が。
やはりロープ場で一度転倒しました。
幸い大事には至りませんでしたが、最後まで油断できない山でした。
そして何より怖かったのは、下山後も続く酷道です。
一般道へ戻るまで、最後まで気が抜けませんでした。
ですが。
過呼吸で倒れかけ、痺れに襲われ、それでも最後まで歩き切ったこの一日は、たぶん簡単には忘れないと思います。
山そのものより、
「人から貰った干し梅の味」とか、
「集落で分けてもらった水」とか、
そういうものの方が、ずっと強く記憶に残る日だった気がしますね。