貝月山バリエーション ラッセル地獄変
聖岳・大沢岳・光岳
(長野, 静岡, 山梨)
2026年01月10日(土)
日帰り
今年は暖冬ということで、積雪量に懸念がありました。とはいえ年末年始で多少降ったようなので、スノーハイクできる程度の積雪はあるものと断定(根拠なし)。冬季はラッセルしなきゃ(使命感)。
というわけで、今回は無雪期には堅牢な藪に阻まれて辿れなさそうなバリエーションを開拓します。狙いはわたしのホームフィールドである奥美濃エリア、それも貝月山でござい! 腕が鳴りますね(死亡フラグ)。
まずは揖斐川町にある実家に帰省して前夜泊。実家が寒すぎて1時間程度しか寝られず睡魔無不足のまま出撃し、春日村中郷の路肩に車を停めたのが6時半、出発は7時前でした。もう少し早く歩き出したかったのですが、寒いからね、仕方ないね。実家の寒さは厳冬期テント泊なみでした。両親はどうやって生きてんだ?
静まり返った春日村の車道を縦断していき、適当な尾根から取り付きます。お墓の横手から獣害避けフェンスの入り口を潜り、かすかな踏み跡のついた尾根を登っていきます。やがて踏み跡は消失し、いよいよ本格的な野良の尾根探索となりました。下部は藪もなく非常に快適。そう、下部はね(伏線)。
779メートルピークにて満を持して、スノーシュー投入。今冬初であります。しばらくは快適なスノーハイクだったのですが、1000メートルあたりから本ルートは牙を向きます。まずは小手調べ。硬い灌木の密度が増え始め、これらをひたすら漕がされます。どうやら積雪が足りなかったらしく、藪が隠れ切っていないのでした。冬に薮とかは……勘弁してくださいね。
さて1050メートルあたりで、尾根芯にシャクナゲの藪が陣取っているのに出くわします。右から斜度のキツい雪壁をトラバースしてクリア。スノーシューの面あたりの制圧力で押し切りました。
以後尾根芯にはほぼ、シャクナゲとその親戚らしき植物が埋まっていて、歩くたびに枝を踏み抜いて股付近まで埋もれる、というのをくり返すことに。こんなんじゃスノーハイクになんないよ〜。
1120メートル付近では急登+藪のディフェンスにより、やむなく右から沢へトラバースしてコルへ詰め上げました。これ以後も大小さまざまな工夫が必要でしたが、極めつけは合流目前の大藪塊ビルヂングでありました(大名古屋ビルヂング感)。これを避けて絶壁のトラバースを余儀なくされ、さらにコルへ降りる際も藪が濃すぎてドギツイトラバースが待ってました。もうね、アホかと。
格闘の末、11時35分、貝月山の坂内ルートと合流しました。標高差にしてせいぜい800メートルを登るのに4時間半。積雪+藪のミックスルートは想像を超えた極悪さでした。もっと雪降ってくれよな〜頼むよ〜。
ここからは貝月ハイウェイ(著者命名、踏み固められたトレース道を指す)を無心で歩くだけです。しばし戦士の休息。貝月山は多くの人びとで賑わっており、人混み嫌いのわたしはそそくさと山頂を辞し、日越峠へ舵を切りました。
珍しくトレースがついており、途中でラッセルしている3人パーティを抜かして先頭へ。このエリアも雪不足のせいで藪が出ており、去年よりも苦戦しながらなんとか日越峠へ着地できました。
峠でランチをいただいている最中、パーティが追いついてきてラッセルのお礼をしてくれました。むしろあんなヘロヘロのトレースですまんと返して謙虚さをアピールしつつ、例年より雪が少なくて歩きづらいっすね、などとベテラン感を出してマウントを取るのも忘れません(おいおい)。
ここからはグランスノー伊吹のリフト最高点までゴリゴリの登り。稜線に乗り越したあとも尾根がありえんくらいグネグネに褶曲しているため、難易度はやたら高いです。一度無雪期に歩いて予習しておくとなおよし。
リフト最高点で「あの人なんで歩いてんの、プークスクス」といった嘲笑を受けつつ(被害妄想)、南下を開始。リフト〜ブンゲン〜笹刈山の稜線は冬季になると、道が意外にわかりにくくなるので注意。寒気のあとは雪庇も発達しますので、踏み抜かぬよう。今回は積雪も1メートルないくらいで、雪庇もほぼなしでした。
さて一生懸命ラッセルしてますと、ブンゲンの山頂から忽然とトレースが現れました。南から歩いてきたパーティがいたようです。トレースを目安に笹刈山まで青息吐息でたどり着くと、なんと! ここでトレースが消えてるではありませんか!
え、なにこれどういうこと? ヘリで着地してヘリで帰ったのか⁉︎ たぶん東西どちらかへ下っていたトレースを見落としたのでしょうが、謎は深まるばかりです。どんなルートか気になったので、かなりしっかり探したのですが……。
当初の予定ではさらに南下し、虎子山を経由して国見峠まで行き、そこから車道で下山する予定でした。ところが序盤のバリエーション開拓ですでに全精力を使い果たしていたので、おとなしく野良の適当な尾根でエスケープ。
この尾根は降り始めこそ藪密度が多めであるものの、下るにつれて快適になってきます。無雪期はわかりませんが、積雪期なら問題なく下れるでしょう。最後は沢を渡渉して林道に這い上がるパートがあるけれども、経験者なら問題なく渡れるレベルの流れです。
あとはひたすら、ただもうひたすら林道を歩いて春日村へ戻るだけ。車に戻ったのは18時だったのですが、なにやらわたしの車の隣にパトカーが停まっております。嫌な予感。昔似たようなシチュエーションで駐禁をとられたことがあったのですよ。路肩に停めたのになんでや! と警官にもの申しに行きます。
なんと、駐禁の取り締まりではありませんでした。近所の老夫婦が車の所有者が帰ってこん、遭難しとるかもしれんと心配してくださり、警察へ連絡していたのでした。わたしは警官と老夫婦に迷惑をかけたことを平謝りに詫び、和やかに一件落着となりました。
以前駐禁を取られたのは三重県の黄金大橋近辺でした。近隣住民が遊び半分でチクったようです。対照的に岐阜県春日村のジジババはどうですか! いやはや、人徳の差は歴然でありましょう。さすが岐阜県民、俺たちにできないことを平然とやってのける、そこに痺れる憧れるゥ!
さて気になるリザルトはというと、11時間、距離19.2キロメートル、標高差1538メートルでした。距離はともかく標高差がショボい、ですって? ほならね、序盤のバリエーション開拓、オタクもやったらええいう話でしょ? →ほならね理論。
次は本格的に降雪したあとにお邪魔し、藪のない快適なスノーハイクをしたいものです。ご清聴多謝。