幕山・南郷山(神奈川,静岡)
2026.08.25 (火)日帰り
■計画 ならば行くか
7月に南郷山に登った際、眼下に広がる真鶴半島を見て興味を持った。
帰ってから調べてみると、三ツ石、黒崎、釣り堀跡、亀ヶ崎、鶴の首、番場浦海岸など、なかなか興味深そうな場所が点在している。
なかでも気になったのが三ツ石。 潮が引くと海岸から歩いて渡れるらしい。
ならば行くか。
電車とバスの時刻を調べてみる。 ところが、新幹線まで使っても潮の時間と今ひとつ噛み合わない。
ならば泊まるか。
宿を探してみたものの、ちょうどよい価格帯の宿に空きがない。
ならばレンタカーで行くか。
前夜に車を借り、早朝にケープ真鶴へ。 朝焼けを見てから三ツ石へ渡り、その後は灯明山、釣り堀跡、亀ヶ崎、鶴の首、番場浦と海岸沿いを巡ってケープ真鶴へ戻る。
……という計画を立てた。
しかし、これを全部やると帰宅はかなり遅くなり、レンタカーの返却時間が厳しい。
さらに調べてみると、近くにキャンプ場がある。
ならばキャンプをするか。
1日目は三ツ石などを巡ってキャンプ場泊。 2日目に釣り堀跡から番場浦方面を回ればよい。
そういえば4月に買ったまま、一度も広げていないテントもある。 初めてのテント泊をして、設営・撤収の練習や装備の過不足を確認するにはちょうどいい。
こうして、いつの間にやら「三ツ石へ渡ってみる」だけだった計画が、真鶴散策+初テント泊へと膨らんでいった。
■朝焼け
朝焼けを見るため、4時30分ごろケープ真鶴の裏手へ。
空はすでに薄明るくなり始めていたが、足元はまだ暗く、歩くには懐中電灯が必要だった。
5時ごろまで待ってみたものの、千葉方面には厚い雲。 伊豆半島方面も雲に覆われている。
残念ながら、期待していた朝焼けを見ることはできなかった。
いったん三ツ石方面の様子を見ようと階段を下ってみる。 ただ、海岸へ出る手前は木々が多く、ここで待っていても展望はよくなさそうだったので途中で引き返した。
■灯明山・中山
三ツ石へ渡るには、まだ潮が高い。
引き潮まで時間があるので、その間に灯明山と中山へ行ってみることにした。
この辺りはクモの巣が多い。 こういう時に限ってストックは車の中。 置いてきたのは失敗だった。
このまま二等三角点まで行ってみようかとも思ったが、三ツ石の引き潮に間に合わなくなるのが怖くなり途中でやめておいた。
結果的には、時間を見る限り三角点まで行っても十分間に合った感じ。
まあ、これは次回の宿題ということで。
■潮待ち
6時30分ごろ、再びケープ真鶴へ。
この日の海面が最も低くなる時刻は9時15分。 真鶴町から出されている情報では、潮位50cm以下となる時間帯は8時~11時。
海を見ていると、なんとなく「もう行けるんじゃないか?」という気もする。
とはいえ、ここで無理をする必要もない。
岬の下まで降りて、しばらく潮が引くのを待つことにした。
■三ツ石へ
7時近くまで待つ。
……が、だんだん待つのにも飽きてきた。
ならば、行けるところまで行くか。
三ツ石へ向けて歩き始める。
しばらく進むと、このままでは靴が水に濡れそうな場所に出た。 近くの岩に腰を下ろして、さらに30分ほど潮待ち。
多少水位が下がったところで再び移動開始。
水に入らないよう、足を置ける岩を探しながら、ゆっくり、ゆっくり進む。
ところが――。
岩に張り付いた藻で足を滑らせた。
スニーカーもジーンズも、あっさりずぶ濡れ。
ここまで濡れてしまえば、もう水を避ける意味もない。 ジーンズを膝上までまくり上げ、以降はザブザブと水の中を進むことにした。
ただし、水中でも藻の付いた岩はよく滑る。 濡れることは諦めても、転ぶわけにはいかない。 一歩ずつ足場を確かめながら慎重に進んだ。
中ほどまで来ると、今度はかなり深い場所に出た。 場所によっては膝上近くまで水がある。
しばらく待ってみたものの、目に見えて潮が引いていく感じはない。
ジーンズを上げられるギリギリまでまくり上げ、一番深いところをなんとか突破。
そこから先も滑る岩に注意しながら歩き、8時30分ごろ、ようやく三ツ石に到着。
しめ縄をくぐった。
休憩や潮待ちを含めると、出発から約2時間。
「三ツ石へ渡ってみたい」と思ったことから始まった今回の計画。 ようやく目的達成である。
しめ縄の向こう側も散策し、十分満足したところで8時55分、真鶴岬へ引き返す。
往路で一番深かった場所に着いたところで時計を見ると9時10分。 ほぼ干潮時刻である。
確かに往路より浅くなっている。 それでも水深は膝下くらいあった。
「最大まで潮が引いても、結局濡れずに渡るのは難しかったのでは?」
そんなことを考えながら、今度は最初から気にせずジャブジャブ進む。
もっとも、身体能力が高く、藻の上でも滑りにくい靴を履いていれば、岩から岩へ大股で渡って濡れずに行けるのかもしれない。
まあ、私は無理をせず、水の中を歩く。
9時25分ごろ、真鶴岬側に到着。
復路は往路と比べればかなりスムーズだったが、それでも滑らないよう慎重に歩いて約30分。 真鶴町のサイトに記載されていた所要時間と、だいたい同じくらいだった。
海岸沿いに道らしきものが続いていたので、そのまま番場浦まで行ってみようかとも思った。
しかし、靴の中はグズグズ。
さすがにやめておいた。
車に戻り、とりあえず今回の山行?は無事終了。
その後、湯河原まで出てハンディホームセンター湯河原へ。 濡れたスニーカーから解放されるためサンダルを購入。
店内を見ていると、なかなか良さそうな折りたたみ椅子を発見。 こちらも購入した。
■初めてのテント泊
今回のもう一つの目的が、4月に買って以来、一度も開いていなかったテントの試し張り。
実際に泊まってみれば、何が必要で何が不要なのかも分かるはず。
結果からいうと、いろいろ分かった。 そして、いろいろ失敗した。
■グランドシート
「デュポン タイベック」
テントの下に敷くため、3m×1mのタイベックを購入していた。
広げてみると――1m長い。
仕方がないので1m分を折り返して使用。
テントに合わせてひし形に切るとよい、という情報を見ていたので、ハサミとテープまで持参していた。 ただ、実物を前にすると、切ってしまうとほかの用途に使いにくそう。
結局、そのまま使うことにした。
そして今回分かったのが、テントを設営するまでの間、ザックなどの荷物を置いておくシートが別に欲しいということ。
帰宅後、2m×1mのタイベックを追加購入した。
■エアマット
「U.L.エアパッド ワイド150」
自動ポンプを買おうかとも思ったが、ポンプまで持つと荷物が増える。
「そこまでしてマットを持っていく必要があるのか?」
と、マットそのものをやめようか迷っていたところ、店員さんから「ポンプがなくても簡単に空気が入りますよ」と言われ、それを信じて購入。
実際、収納袋を使って簡単に空気を入れることができた。
ただし、それなりに時間はかかった。
ちょうど買ったばかりの椅子があったので、座ってのんびり空気を入れる。 こういう時間もキャンプなら悪くない。
夜、背中は十分に守られた。
購入して正解だった。
問題は撤収。
空気はある程度抜けた。
しかし、どう頑張っても元の収納袋の3倍くらいの大きさにしかならない。
諦めて、そのままザックへ突っ込んだ。
今度の土曜日に収納の練習をしよう。
しかし……あれ、本当に元の袋に入るのだろうか。
■テント
「U.L.モノフレームシェルター」
いよいよ初設営。
マニュアルには「ポールをつないで一本にし、シェルターに通す」とある。
ところが、その「通す場所」が見つからない。
事前に見た情報では「テントの中に入って立ち上げる」とあったので、
「中か?」
と思って中を探す。
ない。
もう一度マニュアルの絵と実物を見比べながら外側を注意深く探すと――あった。
なぜ最初に見つからなかったのか不思議なくらい、ちゃんとある。
とりあえずポールを通す。
しかしポールは真っすぐ。
これではテントにならない。
マニュアルを読むと「ポールをしならせて」とある。
「これ、本当に曲げて大丈夫なのか?」
ポールにもテント生地にも若干の不安を感じながら、片側を持って恐る恐る力を加える。
すると、いい感じにたわんだ。
いったんテントを下ろし、片側にペグを打つ。 ポールを湾曲させながら立ち上げ、反対側にもペグを打つ。
おお、テントになった。
本来の完成形とは若干違うような気もしたが、ちゃんと立っている。
十分だろう。
設営後に改めて見ると、ポールを通す部分は実に分かりやすい。
なぜこれが見えなかったのか。
たぶん、事前に仕入れた「テントの中に入って……」という情報に頭が引っ張られ、認識を阻害されていたのだろう。
帰宅後に調べてみると、同名のテントには旧版の#1122572と新版の#1122781があり、旧版は内側、新版は外側にポールを通す構造だった。
今回使った#1122781は外側からポールを通すタイプ。 一度構造が分かってしまえば設営は簡単で、良い改良だと思う。
ただし、入口は狭い。 あと少しでいいので広ければ、かなり使いやすくなると思う。
ペグを打つ側の2隅と天井部分には通気口があり、換気はなかなか良い感じ。
今回はパレットの上にテントを張ったため、下部の通気口もしっかり機能していた。 ただ、地面に直接張った場合にどの程度機能するのかは少し疑問。
この部分を軽く持ち上げておく方法がないか、今後考えてみたい。
広さ
ザックなどの荷物を中に置いたうえで、大人1人(170cm)が寝るには何とかなる広さだった。
エアマットは店員の言うとおり「150cm」で十分だった。
しかし、「足りない分はザックを枕にすれば問題ないですよ」については、今回のザックは大きすぎて適用しなかった。エア枕を持ってきて正解だった。ザックとは添い寝した。
そして撤収。
……まったく畳めない。
最終的には、ふわりとまとめてザックへ突っ込んだ。
エアマットと一緒に、今度の土曜日に畳む練習をしよう。
■ペグ
テント付属のペグがあまりにも心許なかったので、ダイソーで2本100円のアルミペグを購入。
先端が地面に入りやすく、思った以上に使い勝手がよかった。
強度には多少不安があるので、予備を何本か買い足しておこうと思った。
一方、ハンマーを持ってこなかったのは失敗。
「石で叩けばいいだろう」と思っていたが、都合よく握りやすい石があるとは限らない。
結構難儀した。
ハンマーも買わなきゃだ。
■折りたたみ椅子
「CAPTAIN STAG
ジュール コンパクトチェア(ミニ)」
これは買ってよかった。
軽い。 そして座面のお尻部分のくぼみが、思った以上にいい感じにフィットする。
ひじ掛けはないものの、背もたれがあるので体を預けて休める。 少しうつらうつらする程度なら仮眠もできた。
購入価格1,980円。
今回の装備の中でも、かなり満足度の高い買い物だった。
■フライパン
「Coleman ダブルパンクッカー」
通販で購入。
届いた時から思っていたが、やはり少し小さい。
骨付き鶏もも肉を焼いてみると、骨の先がはみ出した。
それでも、良い感じに焼けた。 そして美味しくいただいた。
次に目玉焼き。 2個同時が限界という感じ。
こちらも美味しくいただいた。
サイズには多少不満があるものの、まあ、良い買い物だった。
■ガスバーナー
「イワタニ ジュニアコンパクトバーナー」
これは使い勝手がかなりいい。
火力も十分。 ダブルパンクッカーとの相性もよかった。
最初は点火するタイミングがよく分からず、ちょっとビビった。
ただ、2~3回使ったらすぐ慣れた。
■ランタン
今回はランタンを持っていかなかった。 暗くなってから調理を始めたが、幸い隣のテントのランタンがかなり明るく、その光のおかげでなんとか調理することができた。
明るいうちに調理を済ませるか、暗くなってからでもヘッドライトを使えば、ランタンがなくても特に困らなそうだと確認できた。
とはいえ、ランタンの灯りがない夜のキャンプ……ちょっと情緒に欠けるだろうか……。
■ライスクッカー、コッフェル
今回はライスクッカーもコッフェルも持っていかなかった。 食事はおにぎりを調達していたので、実用上は特に問題なし。
ただ、これもキャンプとしてどうなんだろう……。
生米から炊くとなると、米だけでなく水も必要になって荷物が増えるし、ガスバーナーも一つしかない。そこまでして炊飯する必要があるのかという気もする。
まあ、今回は手頃なライスクッカーが見つからなかったというのもあるのだが。
炊飯はともかく、コッフェルくらいはあったほうが何かと便利そう。 引き続き、軽くて使い勝手の良さそうなものを探してみよう。
ん~~、ガスバーナーをもう1基追加するか? いや、それはさすがにやりすぎか……。
ランタンも今回持っていかなかったことを考えると、もしバーナーとランタンを兼用できるような使い勝手の良いものがあれば、それは買いかもしれない。
便利さを求めれば装備は増えるし、身軽さを求めれば何かを諦めることになる。 このあたりの落としどころも、キャンプの楽しみのひとつなのかもしれない。
■夏の終わりの虫事情
夏も終わりだからか、蚊やアブはほとんどいなかった。
代わりに目立ったのはトンボ。周囲をたくさん飛び回っていた。
今回は虫コナーズを常時腰に下げていたので、それが多少効いていたのかもしれない。
キャンプ場では、テント周辺の草に散布するタイプの虫よけスプレーを使用。さらに、椅子で仮眠するときには肌に吹きかける虫よけスプレーも使った。
そのおかげか、虫に悩まされることはほとんどなし。 暑さにはかなり苦しめられたが、虫に関しては予想以上に快適だった。
ただ……。
これも、夜になると強烈な光を放っていた隣のテントのランタンのおかげだったのかもしれない。 虫たちがそちらに引き寄せられていただけだったりして……。
■そして眠れない夜
22時ごろテントへ。
さあ寝よう。
……暑い。
暑くて眠れない。
パンイチになってみる。
……やっぱり暑い。
22時発表の真鶴の1時間予報を確認すると、
22時 28.2℃・湿度80%
23時 27.9℃・湿度82%
0時 27.4℃・湿度84%
その後も1~3時は27℃前後、湿度85~87%。 明け方5時ごろになっても26.3℃、湿度88%。
気温は高い。 湿度も高い。 そしてテント内には風がほとんど入ってこない。
これは寝られん。
仕方がないのでテントを出て、椅子に座ってうつらうつら。
30分おきくらいに目が覚める。
3時30分ごろ目を覚ますと、ようやく少し涼しくなっていた。
テントへ戻り、ここでやっと眠ることができた。
そして6時ごろ。
暑くて目が覚めた。
今回、100円ショップで買ったエア枕を2個持ってきたのは正解だった。
一方、寝袋は暑すぎて出番なし。
袋から一度も出されることなく、そのまま自宅へ帰ることになった。
■徒歩キャンプはできそうか?
今回の最大の収穫は、「自分の装備で徒歩キャンプができるのか」が少し見えてきたことかもしれない。
結論としては、
駅やバス停から近いキャンプ場なら、できそう。
ただし、荷物はかなり多くなる。
今回、水なし、カメラバッグなし、椅子なしの状態でもザックはほぼいっぱい。
水をザック上部に載せるか、寝袋やマットを外付けできれば何とかなりそうではある。
実際に背負って歩くなら、自分の場合は1時間くらいが一つの目安になりそう。
駅やバス停から徒歩1時間圏内のキャンプ場へ行き、そこでテント泊。 翌日はテントを残して身軽な状態で山へ行き、下山後にキャンプ場へ戻って撤収。
このスタイルなら十分できそうだ。
例えば塔ノ岳。
大倉からキャンプ場まで装備を背負って行き、テントを張って一泊。 荷物を置いて塔ノ岳へ登り、戻ってきて撤収、または、さらに一泊。
これならいけそうな気がする。
ただ、一つ気になる。
山から帰ってきて、
テントがなかったらどうしよう……。
名前を書いておけば盗られないだろうか。
そして、やはり徒歩キャンプで大きいのは水。
水を現地調達できれば、その分だけ荷物を減らせる。 そうなれば、行動範囲もかなり広げられそうだ。
大倉のキャンプ場は水が出るそうだが、生水なので使うのはやめたほうがよさそうだ。水事情の調査は重要だな。
今回の真鶴は、三ツ石へ渡ることから始まった計画だったが、結果として初めてのテント泊、装備の使い勝手、徒歩キャンプの可能性まで確認することができた。
朝焼けは見られず、三ツ石では靴もジーンズもずぶ濡れ。 テントでは暑くてほとんど眠れず、撤収ではテントもマットも元の大きさに戻せない。
予定通りとはいかなかった。
でも、実際にやってみなければ分からなかったことばかり。
だが、これはこれですごく楽しい!
さて、次はどこへ行こうかな。