240330-31_岐阜県境を歩く(白川村:三方岩岳直下→笈ヶ岳)
笈ヶ岳
(富山, 石川, 岐阜)
2024.03.30(土)
2 DAYS
【サマリー】
岐阜県境を歩く活動に絡めて、岐阜県マイナーピークハント*1をわらびーずメンバーの3人で遂行。一泊二日(雪上テン泊)で、白川村の馬狩登山口から「笈ヶ岳」まで往復しました。岐阜県境は、「三方岩岳(直下)」〜「笈ヶ岳」までの約7.8kmの区間を往復し、岐阜県マイナーピークとして、「瓢箪山」、「国見山」、「仙人窟岳」をゲットしました。「笈ヶ岳」は、2回目(岐阜側からのルートは初)でしたが、遠くて厳しい山という印象は変わりませんでした。
*1国土地理院地図に山名の記載がある岐阜県内の山で自分が未踏の山
【活動詳細】
(1日目)
■馬狩登山口→「国見山」(テン泊地)
雪山ギア+テン泊装備の約17kgを背負ってスタート。登山口から雪があり、ツボ足で少し歩くが、踵から脹脛近くまで沈むので直ぐにワカンを装着した。スノーシューとBCのトレースがあったのでありがたく追う。夏道→谷沿いの雪道?→再度、夏道(積雪で不明)に合流。ホワイトロードの施設(WC等)が見えた辺りでBCの方が滑っていく姿を捉えた。更に標高をあげ、ホワイトロードのヘアピン部分にあがると眺望が開けたが、遠望は利かず。ブナ林を登っていき、四等三角点(横谷)の先の下ったところで風を避けてランチとした。チャージ後もひたすら登ると、遥か彼方に「笈ヶ岳」が見え始めた。「三方岩岳」の手前で登山者に出会った。何と0時出発で「笈ヶ岳」まで行って戻ってきたとのこと。トレースに加え、その先の情報をもらい感謝。「三方岩岳」の直下の長いトラバースは、滑落にビビリながら通過した。スタートから5時間を費やして県境に到達した。
ややガスっているが、「白山」が目の前にあり、眺望はまずまずだが、風が強い。ようやく県境歩きの始まりだ。帰りのことが心配になるような激下り、約150m下って、鞍部からは登り返して、「瓢箪山」に到着。2年前の過去レボで山頂プレートの写真を見たが、残念ながら発見できなかった。持参した印刷物で記念最影し、ビニールテープをダケカンバに巻き付け「瓢箪山」と名入れした。その先は、小さなアップダウンを繰り返して、「国見山」に到着。3つのコブがある山稜帯で両端は標高点だが、地理院地図では、中央のコブが山頂となっている。ここも過去レポでは、ピンクテーブが付いていたのだが見当たらない。目立ちそうな木に持参した山頂プレートを括り付け、記念最影をした。
3つ目のコブの下の東斜面を削って平坦にして幕営地とし、テントを設営した。直接の風を受けないにしても、回り込む風が強く、スノーペグでは物足りなく、風上側のロープをピッケルとスコップで固定した。同行者が、雪洞とイグルーのハイブリッドを建てる間に1時間程仮眠してしまい、アーベン劇場があったかどうか定かではなかった。雪の家に招待され、冷しておいたビールで乾杯。今回も同行者の漢メシ(味噌味の鳥鍋)をご馳走になった。ビールに始まり、ワイン、日本酒、梅酒とそれぞれ持参した燃料が底をついたところでお開き。翌朝の予定を決めて、自分はテントに戻った。空を見上げると星が見えていた。前回(初めて)の雪上テン泊が冷えたので、今回は、雪面側の銀マットを二つ折りにして断熱効果を高めた。雪面からの冷えは、改善されたが、風が強くフライが煽られる音や、時折、雨に打たれる音もあり、熟睡できなかった。
(2目日)
■テン泊地→「笈ヶ岳」→テン泊地→馬狩登山口
夜明け前にテントの隙間から外を覗くとガスガスで風が止んでいない。朝食の準備をしながら様子見とした。前日に確保しておいた雪を溶かし、ろ過して水を作り、フリーズドライのシチュ一を作った。前日のつまみの残り、菓子パン、コーンフレークで腹を満たす。周囲が薄明かりとなり、外に出て同行者に声をかけるとこんな天気でも行く気満々だった。自分は、「笈ヶ岳」は、登頂済みなので、手前の「仙人窟岳」まで行ければ満足という軟弱な思いでアタックザックでスタート。視界は数十mくらいだろうか、全くが遠望が利かず、前日のトレ一スが重宝した。約150m下ってからの登り返し、細尾根/雪庇を歩いて「仙人窟岳」に到着。持参した山頂プレートを括りつけた。これで自分の目標は達成した。
悪天候に加え、途中に熊の親子と思われる足跡もあったので、別行動はリスクがあると考えた。自分の体力が圧倒的に劣るため同行者の足を引っ張るが、一緒に「笈ヶ岳」を目指すことにした。暫く、進むと両側が切れ落ちた痩せ尾根が出現。距離は、10m程度だが数倍に感じた。無事に通過できたが、次々と気が抜けないところが出てくる。クラックに片足を落とす程度なら大したことないと感じ始めた。石川県側の「冬瓜岳」からのルートと合流する手前の稜線は雪割れが酷く、前日すれ違った方も巻いたと聞いたので、トレースを追ってトラバースした。ここも長いトラバースで緊張したが、トラバース後の登りが半端なかった。標高差約100mの壁のような急斜面だった。先行者にステップを作ってもらって付いていく。ヘロヘロになりながら稜線に出た。
晴れていれば、「笈ヶ岳」にロックオンだったのだろうが、見える景色はモノトーンで変わらない。「冬瓜岳」からの尾根と合流するとトレースが増えた。最後の頑張りで2度目の「笈ヶ岳」に登頂した。山頂標柱は、熊にかじられて痩せ細っているが、4年前からは浸食が進んでいないように感じた。同行者が、少し先まで下って県境の軌跡繋ぎをしてくれた。標高差50mくらいだが、自分の疲労しきった脚には堪えるので山頂で待つことにした。小休止する間に戻ってきたので、一緒に引き返す。トラバース手前の急斜面の下りは、安心感を得るため、ツボ足に切り替えた。バックステップで危険個所を通過し、再度、ワカンをつけようとしたらベルトが切れていた。山頂ブレート取り付け用に持っていたアース線(被覆銅線)を3重巻きにして応急処置をした。復路でも生々しい熊の親子と思われる足跡があったが、本体を見かけることは無かった。慣れは怖いもので、往路でビビった痩せ尾根も意外とスンナリと通過できた。テン泊地に戻り、昼食を取ってからパッキング。重いザックを背負って下山開始。昼過ぎになり、天気が回復し、青空も覗くようになっていた。
下山と言っても、「国見山」からアッブダウンで「瓢箪山」を経て、その先は、「三方岩岳」直下までの激登りが待っている。食料分が軽くなったはずだが、濡れたテントが重いのか、昨日と体感重量は変わらない。ヘロヘロになりながら、約150mを登り返し、県境稜線から離れて、長いトラバース道へ。弱った脚+ワカンでは、踏ん張りが心配だったので、アイゼンに変更した。幸いなことに今日もBCの方が登っていたようで、スキーのトレースがあり、トラバースは心理的には楽だった。「三方岩岳」の直下まで来ると「笈ヶ岳」も顔を見せるようになったが、同時に見納めだった。ゴールに向かって、数十m下り、三角点へ最後の登り返し。その先は、下り基調なので、気分的に楽になった。最後は時間との闘いと思ったが、ペースがあがり、明るい内に下山できた。結果的には、ほぼ予定時間だったので、企画者の計画精度に感心した。強風・ワカン破損・「笈ヶ岳」では眺望無しという山行でしたが、何とか踏破できた。同行者に感謝いたします。
帰路で“しらみずの湯”に寄ったが、臨時休業。荘川の道の駅で、夕飯を食べ、“桜香の湯”(JAF割引で640円、貸タオル付とお値打ち)で二日間の疲れを癒した。
【アクセス】
R156→ホワイトロード(冬季閉鎖)
料金場手前の駐車場を利用。(料金所まで除雪あり)。
【ルート】
YAMAP地図:「笈ヶ岳」にほぼ含まれる。
3/30時点:登山口から雪あり。
【その他】
WC:登山口、山中には無い。道の駅等で。
コンピニ:ホワイトロード入口付近にデイリーヤマザキ(24h営業ではありません)
道の駅:白川郷、飛騨白山
立ち寄り湯:白川郷の湯、しらみずの湯 等