階上岳(種市岳・臥牛山)・久慈平岳(青森,岩手)
2026.07.19 (日)日帰り
二十四節気はもうすぐ「大暑」を迎えるのだが、なかなか梅雨空が抜けない。
もしも2連休であれば──
「焼石岳」、翌日は「真昼岳」
と思っていたが、仕事先へTELで確認すると
「土・祝は関係ないから頑張ってね♡」とのこと。
やはり欲張り者は救われないのね。
では日曜日は、エーデルワイスを拝みに「早池峰山」へ。
心配なのは天気だけだった。
いや、心配は他にもあった。
毎日450〜500km走行していると
──歳か、
身体がしんどくなって来た。
案の定、2:00のアラームで起き上がれなかった。ただそこからがダメだった。寝ているのか、起きているのか、うつらうつらと時間が過ぎるだけ。
寝付きは非常に良くなった。いや、以前のように良すぎるぐらいまで戻った。ただ、一旦眠りから覚めると疲れているのにこんな感じ。
(身体は正直者だね)
4:00、やっと起き上がった。ってか、いつもと同じ時間だった。
階上岳──
曇天の24℃。4:35、車を走らせた。途中のコンビニでコーヒーを買い、石の鉢の「むつ食品」を左へと進んだ。
(急に、何となく久慈平岳へ行こう)
寺下から階上岳の主稜を越える。
5:20、大沢登山口駐車場。到着すると何かが車に「カッ、ガッ」とぶつかる音がする。
「雨かな?」
いや、大嫌いな「アブ」だった…。
防虫スプレーを衣類に吹きかけ、防虫ネットを被り、まるで「黒子」のいでだち。
5:40、富士山の金剛杖をブンブン振り回しながら薄暗い雑木林へと入っていった。
砂利道の穏やかな登り、シラカバやカエデ、ヤマモミジやアカマツ、ミズナラやクリなどの北部北上山地特有の林相だ。林床にはヤマブキショウマが咲いていた。
セミが一瞬だけ「ジジッ」と鳴いて諦めた。木の杖でその木を「コツン」とこづき「鳴け!」と言ってみたが、セミは黙りこくってしまった。
林道和座上大沢線の舗装路をまたぎ、思案坂へ入った。左の斜面からはミソサザイが「ピチョ、ピチョ」と鳴いている。足元にはまるで目玉のようなギンリョウソウがこちらをうかがっている。目が合ったので写真を一枚だけ撮らせてもらった。
思案坂を登り切ると、時々、風が「サー、サー」と吹く程度で静かな森だ。
ヤマゲラが「キョキョッ」と鳴き、見返り峠だった。北隣りには階上岳が横たわり、ここから眺めれば南岳の方が背が高く見える。
この隣り合った二つの相反する山の成り立ちや、久慈平岳と階上岳の背比べ伝説、海の信仰と馬の信仰の違いも知れば知るほど楽しみも増す。
そして何気に見上げたケヤマハンノキのほとんどの葉が枯れているのに気がついた。ハンノキムシによる食害だ。
何処からともなく何とも言い難い良い香りが漂って来る。尾根に乗って左(南東)へと方向転換すると、その「香りさん」に出会えた。シナノキの花だった。
尾根を伝い行くと、シナノキやホウノキ、ケヤマハンノキの多い森となり、「ザーザー」とか、「サラ、サラ」と風に吹かれ出した。
足元には小さな「笹の花」が揺れ、ずっと良い香りが漂っているのだった。
望洋平の看板。森の間から洋野の海岸段丘と大海原が覗けた。そこから、久慈平岳唯一の急登をひと登り。
7:15、数年ぶりの久慈平岳山頂に立った。天然芝に露岩があり、山名標柱と三等三角点「久慈平」が設置してある。
以前、積雪期に訪ねた時は階上岳も隣りに眺められたが、木が伸びたのか、私の背が縮んだのか、眺められなかった。ただ東側の眺望は海まで遮るものは無い。遠く黒崎、三崎、久慈湾が望め、洋野町の海岸段丘が目に見て取れる。空と海が同じ色となり、境目が分からない。
見晴かす 大海原と天の原
空と海との境も知れず
四阿で休憩した。湯を沸かし、コーヒーを淹れ、持ち込んだカツサンドで朝食をとった。
特に何する訳でもなく1時間近く山頂に居たようだ。
下山はやはり景色が違う。登りでは気が付かなかったホウノキの実や、たわわに実ったクルミ、何よりシナノキが花盛りだった。
林道和座上大沢線を過ぎる頃、やっとセミが一斉に鳴き出した。
特に景色の良い山でも、高い山でも無い。花が沢山ある訳でも無い。ただ海岸段丘に突っ立っている山だが、良い香りに癒され、誰とも会わず、雨とも遭わず、静かな山歩きが出来た。
下山後は「大谷温泉」で汗を流した。ここは昔から「もぐりの湯治場(南部もぐり)」と知れた温泉だ。
35年ぶりぐらいの来館だと思う。子供の頃はこの辺りまで、釣りをしに自転車で来たものだった。ほとんど記憶は無いが、混みあっていた記憶がある。
今回は午前中のせいか、空いていたが、1人2人と入浴者が入って来るのだった。昔は「大谷鉄山」の看板も近くにあったと思ったが、今はどうなのだろう。
久しぶりのラドンの湯は、43℃と少し熱め、水風呂は16℃。交互に入るとサッパリとして良い湯だった。
湯上がり後に種市の「はまなす亭」でホヤラーメンと思い国道へ出ると、警備員が立っている。
「たねいちウニまつり」
混み混みで少し並んだが、何とか「ホヤラーメン」にはたどり着けた。
天気予報は的外れ、雨の一粒も落ちないまま家路へと向かったのだった。