ウブシノッタ川 ─── 真紅の沢床より紅葉の稜線へ
もう随分と前のことだが、「ウブシノッタって行ったことありますか?」と問われたことがある ─── 私がよく知床を歩きまわっていると知ってのことだろう。(そんな山、知らん・・・)と地図を見ると大層彫が深い谷のようである=それも河口から源頭付近までずっと ─── 真っ白なザレや赤い岩壁が特徴的な東岳から硫黄山までの稜線から水を集め渓谷を成すのだからどんな渓相なのだろう、と「山と谷」を開くと初級沢として紹介されていた・・・冒頭「橋を渡り右岸から懸垂で川床へ降りる」と極シンプルな記述で・・・ その人が下見で硫黄山橋からロープを垂らしたところ谷は50m遥か下だったというが・・?(私は初級以下ってことなんだワ。。) ネット上にこの沢に関する遡行情報は少なく、北見労山のブログ2018年7月を参考に地図を作ったものの、一人じゃ無理だろうなぁ、といつしか忘れていたウブシノッタ川。 先週、知西別川と登山川を気分良く歩き、どうしてだろう?本番装備で下見に出掛けるのはどうだろ?という気持ちになった ─── 幸い水の少ない暖かな秋晴れが数日続くらしい。。 乾いた岩場が多そうなのでラバーソールに念のためにフェルトサンダルも携帯する。通してラバーソールがびたびた沢床に吸い付く非常に歩き易い沢であった。 序盤: 赤い沢床に晩夏の緑が深い渓谷をジャングルに見せる。橋からの入渓と連続・釜付き小滝が曲者。引き返す可能性が高いので帰路確実な「274mポコ尾根」経由の裏口入渓でプラス1時間の行程となるが藪は無く獣道で沢へ降り立てた。ついでに橋より下流の「ウブシノッタ大滝」も鑑賞、右岸で無難に巻ける。釜付きつるつる小滝は荷物も重いので無理せず両岸の草泥で巻いた。 中盤: 断崖に挟まれた赤い沢床はグレー&イエローのモザイクトーンに変わり両岸から落ちる滝を鑑賞しながら小滝をいくつも越える歩き易い渓谷が続く。服も乾かしたいので巨岩帯の入る前で早々に幕営。 終盤: 巨岩帯を快適に進むと硫黄山が姿を現し両岸断崖は更に特異な狭い回廊となりどん詰まりの枯滝=これは重い荷物をロープで後から吊しあげればつっぱりで越えられたが、左岸の紅葉ブッシュで無難の高巻きも可だったろう。せせらぎこそ無いが源頭は第一火口に匹敵する絶景。 強いて減点するならば・・・この沢の水は飲めない=両岸から流入する無数の滝もやはり飲めない・・・なので2泊で3.5Lの水を荷物に追加したため満天の星空にカメラを持参できなかったのは残念。それでもお釣りがくる3日間ではあったな ───




