知床イグルー縦走【DAY2:ラサウヌプリ~遠音別岳〜ゴール】
遠音別岳
(北海道)
2024.02.24(土)
日帰り
ソロでイグルー泊しながら冬の知床連山スキー縦走をしてきました😄⛄🏔
↓↓DAY1↓↓ からの続きです😉
https://yamap.com/activities/30056137
イグルー泊の夜中は何回か目覚めたものの、イグルーにしてはよく眠れた方だと思う😴
3時前ころに起きて、朝食をとって着替えを済ませ、水を用意してから、イグルーをはい出して出発❗
スタートは満月に近い月が照らす快晴🌕
マイナス25℃くらいのガチ冷えで、風もいくらか吹いていた🥶
まずはラサウヌプリに向けてスキーで歩き出す⛄
どこから取り付くにも崖と藪で登りにくそうなラサウヌプリは、北側から巻いてピークに向かうことにした😉
標高850㍍くらいで斜度が増してカチカチ雪になり、シートラEPに切り替える⛏️
藪が薄そうなすき間を狙って行くも、漆黒の暗闇だったこともあり、藪の迷路にハマってしまった😣🌿🌲
次々と現れる藪をシートラで突破することに嫌気がさして、それから逃げるために崖に取り付いてしまったのだけど…それが失敗の根源…😥
分かってはいたのだけど、その崖は完全にクライミング的な岩場🪨
だけど、藪漕ぎには辟易してしまったので😥登りやすそうな崖の隙間の溝を狙って頑張って登ってみる。。。
少し崖をよじ登ってみると行けそうな気がしてきて、さらに上へ上へ…
そうなってくると、今度は引き返すことが難しくなってきて、なんとかして登り切ること以外に選択肢がすぼまってきてしまうもの。
結局、ピーク下50メートルくらいでとうとう行き詰まってしまい、泣く泣くクライムダウンして藪漕ぎ迷路に戻ることとした…😥
このクライムダウンもかなり危なかったけど、集中力を全開にしてどうにかケガなく下りて来られた。
…多分、遭難というものは、こうして起こるものなのだな。と自分を戒める…
崖では下手すれば命を落とし兼ねないけれど、藪で死ぬようなことはない。仕方ない。我慢しよう😮💨
おそらく、この崖で1時間くらい無駄にしてしまっただろうか。
そもそも暗い時間帯に藪の迷路を突破しようとしたこと自体が失敗の根源であり、早出して活動時間を稼ごうとしたことが裏目に出てしまったのだと反省…😔
この失敗を次回に活かすとすれば…
前日の明るいうちに藪漕ぎ迷路の区間だけでも実際に歩いて下見をし、トレースをつけてGPSトラッキングをしておくのが改善策だろうか🤔👣🌿
この前日はイグルーを作った後にも明るい時間が十分にあったし、夜中にトレースが崩れるような天候でもなかった😉
本番当日の迷路突破の際に、トレースとGPS航跡があれば、暗い時間帯に通過したとしても、ここまで難儀することはなかったのだろう🤔👣
今回の失敗は失敗として、良い勉強になったということにしておく🤓
この失敗直後は精神的にもすごく疲れたし、進行も遅れてしまったけど😥とにかく気を取り直して、藪の迷路を突破して崖を巻くこととした😉🌿🌲
苦労しつつも藪のバリケードを抜けると、開けた深雪の急斜面があって、その先は意外とあっけなくラサウヌプリをクリアできてしまった⛏️
ラサウヌプリから先は…これがまた大変だった😅
ラサウのピーク以降は細尾根の下り基調のルートとなるが、尾根の両側が崖となっていたり、草木の露出で通行可能幅が狭かったりしていたので、安全上スキーを履くのは適当ではないと判断し、シートラEPのままで進むこととした⛏️
そのため、極度のバリズボとクレバスに悩まされることとなってしまった😥⛄🕳️
…一歩を踏み出すごとに股まで埋まるバリズボだとか、突然胸まで埋まるクレバスだとか…
まるで、未明の崖で犯してしまった失敗を責められているかのような気分だった…😥
しかも、風が強くなってきて、シートラではたまに煽られるほど吹いてきた…
細尾根が途切れるところまでなんとかシートラで頑張り、そこからスキーに履き替え、ようやくバリズボ地獄を打開できた🫡
が…今度は、片足のブーツのboaダイヤルが破損して使えなくなっていることに気づく😥
おそらく、バリズボを繰り返しているうちに草木に引っ掛けて壊れてしまったのだろう🥲
…悪いことは続くものだ…
boaダイヤルの破損により滑走に多少は悪影響が出たが、歩くことに支障はなかったので、それはまだ救いだった😮💨
さらに追い討ちをかけるように、そのあたりからスキーのビンディングのトラブルにも見舞われるようになった…
ウォークモードでもロックがかからず、足に負荷をかけるとビンディングが外れる症状が出てきてしまい、その都度スキーを履き直しながら進んだ😥
(下山してから、ビンディングが経年劣化で故障していたことが判明した😣)
数々のトラブルが重なったうえ、天気も悪く、曇ときどき雪の強風となり、さすがに心細くなってきて、頭の中ではエスケープすることしか考えていなかった…
ただ、エスケープも容易にできないのが知床というもの。
複雑な尾根や沢、藪に阻まれ、距離も長いエスケープルートはかえって面倒で危険なのだ。
一旦立ち止まって地図を確認し、エスケープをよくよく検討してみる…
その結果、「エスケープルートを使うのはあまり適当ではない。このまま数時間は頑張って遠音別岳の足元まで進み、遠音別ピークを巻いて当初計画していた下山ルートに合流する」という結論に至った。
すごく残念なのだけど、このようなコンディションでは当初の計画を下方修正し、遠音別はパスして帰るルートとせざるを得なかった🤔
そうと決まれば頑張って前進するのみ😉
相変わらず天気は悪いし、しつこいポコや藪漕ぎは続くけれど、進めないほどのものでもない😉🏔🌿
もう1泊できるだけの装備もあるけれど、翌日はさらに悪そうな予報だったので、この日のうちにゴールしておこうと思った。
そうして進んで進んで…遠音別の手前数個のポコまで差し掛かると、徐々に風は弱まり、ウソみたいに晴れ渡ってきた☀
本来、この日は晴れ予報だったはずなので、このまま晴天が持ってくれるはずだ❗
知床の神様が救ってくださったのだと思った😇
なので、先ほどの下方修正したルート計画は撤回し、当初の計画どおり遠音別岳ピークまで登頂してから下山することとした🥳🏔
依然、ブーツは壊れているし、ビンディングの調子もあまり良くないが、それほど致命的な問題ではないことが分かり、あまり気にしないこととした😊
当初の計画よりも多少の遅れはあるけれど、遠音別を越えても明るいうちに下山できるはずだ🙂
遠音別の足元に至る最終ポコを越えるあたりで、疲労と寝不足のせいか、幻覚や幻聴が発現してくる😂👻
「またいつもの『お友だち』が会いにきてくれたんやね🤣👻」
天気が良くなったので、気持ちも軽いものだ🤣🎵🎵🎵
遠音別の登りに取り付いて、標高1000㍍弱まではスキーで登り、そこからシートラEPに切り替えた😄⛏️
この日、未明のラサウヌプリ以降入らなかった電波が、このあたりでようやく拾えるようになり、仲間への生存報告と下山予定時刻の連絡を入れる🙂📶
久しぶりに人間界と繋がった気がして、なんだかすごく安心した😄
自分から好き好んで自然界に飛び込んでいるはずなのに、しばらく人間界から離れると不安になる矛盾というのは不思議なものだ😂
遠音別への登りは、ところどころでバリズボがあったが、心配していた藪漕ぎも問題なく迂回でき、天気も良くて幸せいっぱい😊✨
そのまま一気にピークへと登り詰めた❗
数年前に日帰り縦走でピストンした遠音別岳…
https://yamap.com/activities/10447707
その数年前に刻んだラインと、今回の海別岳からのラインが、いまここで間違いなく繋がったのだ❗
「目標」が「実現」に変わった瞬間だった✨
…あのとき、このピークに立っていた僕が眺めた海別岳への稜線…そのときは、ものすごく途方もないものだと思っていた…
その途方もない海別岳からこうして実際に歩いてきたことを思うと、大変感慨深いものだった🥹
これが自己満足以外の何ものでもないとしても、確かに何かを成し遂げたような気がして、ピークに立ったときには自然と歓喜の雄叫びが漏れてしまった😁
感動に包まれた遠音別岳ピークは穏やかで長居していたかったけれど、下山リミットが迫っていたため、泣く泣くピークを離れることとした🥹
下山は、予想通りガリガリのアイス斜面だった😅
安全を優先してアイゼンのまま下りて行くも、標高を下げるに連れてバリズボ地獄となる😅⛄🌿
標高1200メートル付近でとうとう耐えかねてスキーに履き替え滑走開始😁
コンクリートのように硬い氷の斜面にハイマツが頭を出しており、滑りにくいことこの上ないが、数歩ごとに落ちるバリズボに比べればいくらか快適なもの😆
滑走に注意しつつもオホーツク海に漂う流氷を眺めながら滑った🐧
やがて、標高を下げて行くといくらか雪も緩んで、どこからともなくスキートレースが現れた❗
ミスを防ぐため、最初はあまりトレースを信じていなかったが、僕の下山方向とトレースが概ね一致していることが分かり、そのトレースを辿ることとした😄
まさかトレースなんかあるとは思っておらず、これには大いに救われた😊👣
滑走開始地点から標高400メートル付近の森まで一気に滑走できた⛄🌲
これほど滑れるとは思っていなかったので嬉しい誤算だ🎵
その先は下り基調でも微妙なアップダウンがあったりするので、トレースをたどりつつシールで歩いたり滑ったり😉⛷
森が終わるころに送電線が現れ、その下をくぐると、いよいよ人間界が近づいてきた実感に包まれる🥳
これまでの人生で、ただの送電線を見ただけでこんなにも感動したことなんかなかった😆
やがて森を飛び出し、フィナーレでもある林道へ😉
僕を迎えにきてくれているお仲間さんに電話で「もうすぐ着きます❗」と告げて📱
ウィニングロードの林道をウキウキ気分で下って行った🥳🌲
壊れたブーツもボロボロになった身体も、いまはなんだか誇らしげ😁
林道から国道に合流する地点がゴール🥹
予定よりもほんの少し遅れてしまったけど😅まだヘッドライトが必要ないくらいの明るさのうちに戻って来られた✨
迎えに来てくださったお仲間さんが遠くに見えて「ただいま〜」と叫んだ瞬間、一気に安堵感が襲ってきた🥺
そうしてついにゴールへ🥺
静かに流氷漂うオホーツクの海辺に立ったとき「やっと終わったんだな」という実感がこみ上げてきた🥺
長時間稼働していたビーコンのスイッチを落として、僕の冒険は終わった😊⚡
こうして幕を閉じた今回の冒険。。。
…やはり、遠かった…
終わってみれば、昨シーズンにやった相泊〜知床岬のピストン縦走(↓リンク参照)よりも今回の方が難しかったような気がした。
https://yamap.com/activities/22660608
https://yamap.com/activities/22660634
無数のポコだとか…藪漕ぎだとか…際どいトラバースだとか…バリズボだとか…
進行を阻害する要素が多く、それらのひとつひとつに苦労した💦
だけど、確かにソロで完遂できた✨
当たり前なのだけど、ソロはラッセルもルーファイもトラブルも、重要な判断も…何から何まで全部が自分持ち…
もちろん心細いけれど、その分、成長できたと思うし、ソロでなければ手に入れられなかったものもあったと思う。
そして、この経験がまた次の冒険への重要なステップとなったような気がする✨✨✨
…冒険は続く…
昔、住んでいた街から毎日眺めていた知床連山🏔
冬には神々しく輝いて連なっていた⛄✨
あの頃は、冬山に登る能力なんかなく、絶対に行けないと思っていたし、山々の名前すらも知らなかった。
あのころ眺めていた「ただの山々」…
いまになって、そのひとつひとつにストーリーが生まれて「僕の大切な山」となった🥹🏔
…困難はあったけれど、本当に諦めなくて良かった✨✨✨
最後になってしまいましたが、、、
この冒険をサポートしてくださった方々。応援してくださった方々。すべての皆様に感謝申し上げます🙇
こんなわたくしではございますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします😊✨
【食料・燃料メモ】
カルパス 12→残6
ミックスナッツ+柿の種 1.5リットル→全量消費
マグオン 4→残3
デカビタゼリー 2→全量消費
ピーナッツクリーム 3→残2
固形燃料 18→残9