26:03
39.6 km
3975 m
初冬の笹山〜笊ヶ岳テン泊縦走⛺
黒河内岳(笹山)・白河内岳・白剥山 (山梨)
2023.11.25(土) 2 DAYS
北は天気が悪いので、直前に行先を南に変更。 友達が笊ヶ岳と笹山を提案し、私がぽろっと雪がなかったら縦走出来るねと言った。 私としては、もう雪があるから難しいねの意図だったが、友達は南はまだ雪が少ないから行けるねととってしまったらしく、どんどん具体的に話が進む。 レポ見た感じそこまで難しいルートではなさそうで、雪も上はあるがそこまで多くなさそうということで決行となった、アルプスではもう初冬の11月最終週。 元々2日で4000m40kmをテント背負って歩くという、無雪期でもハードな南アルプスのマイナールートをこの時期に歩くという意味を、後で思い知ることになる。 雨畑の老平駐車場に車を1台デポした後、奈良田駐車場へ移動し、スタート。 笹山までは破線だが、夏季に歩いたことがあり、道は意外と分かりやすく、ピンテもある。 ただ、眺望もない樹林の急登をもくもくと2000m登る、根性のルート。 雪がないところは、体力的にはキツイものの、特に問題なし。 2000mほどから登山道上にも雪が出てきて、2200mほどからほぼ雪が繋がったが、まさかのトレースがあった。 思ったより雪があるが、一人分でもあると全然違う。 雪も固くなく、ツボのまま登っていき、山頂まであと一息というところで、先行者さんに追いついた。 日帰りで笹山ピストン予定とのことで、トレースのお礼を言って先行する。 笹山手前は雪が深くて膝上まであったが、ずぼずぼ沈みながらもまもなく笹山南峰に到着。 ここは周囲が木に囲まれていてテント泊にはいいが、眺望は今一つ。 一方、少し先の北峰は、富士山や目指す笊ヶ岳、荒川三山、塩見岳、白峰三山が見渡せる絶好の眺望スポット。 風は多少あるが予報よりは弱く、絶景を楽しむことが出来た。 先行者さんは下山され、ここから先はトレースは期待出来ない。 先頭を交代しながら進んで行くが、稜線上は景色はよく雪は少ないものの、樹林は雪が増え、膝上な所もしばしば。 思ったよりある雪にペースが上がらず体力も使うが、2200mほどまで降りると雪も減り、このままほとんどなくなるのでは?と期待した。 奈良田越から先は林道になり歩きやすいと思っていたら、崩落箇所が多い。 特に、この日の終盤にあった所は崩落が激しかった。 途中までトラバースして行ってみたが、先は危険。 読み込んできた軌跡は尾根上を巻いてるみたいで、一旦戻って巻くことにする。 トレースもあったので崩落手前で左の樹林に入ったが、そこもあまりよくないトラバースで、トレースも迷ったものらしく途中で消えた。 上を見ると登れそうだったので、先行して枝を掴みツボのまま雪を蹴りこんで、ほぼ直登で尾根に強引に登って見ると、尾根上にしっかりした踏み跡があった。 確実に取りつきは間違ってるが、なんとか崩落を巻くことが出来た。 後でレポを確認すると、巻いてる人とそのまま突っ切った人と両方いた。 今後崩落が進むと、難度が上がるルートかもしれない。 日が短くなって暗くなってしまったが、その後大きな林道崩落もなく、18時頃伝付峠に到着。 水場の水も出ていて、Uさんお手製の美味しい夕飯を食べ、思ったより雪あって時間かかったねと反省しつつ、就寝。 二人でテントをシェアしたので夜は寒くなく眠れたが、朝はテントが凍り付いていた。 二日目は昨日とは違って固めの雪でトラバースが多い道だったので、出発早々チェーンを装着。 天上小屋山までは、ツボだと危ないトラバースが時々あるものの、斜度は比較的緩やか。 生木割山を過ぎ、崩落地のちょっと先でピンテとトレースに惑わされて一回ルートを外れたが、GPSを確認して修正。 笊が近くなると雪も増えたが、生木割山から先はトレースがあった。 一旦下った後、結構急な斜面をひーひーしながら登り返して、ようやく笊ヶ岳に到着した。 長い道のりを経てたどり着いた笊ヶ岳山頂は、まさに特上の南アルプスの展望台! 聖岳に赤石岳、荒川三山、間の中盛丸山や大沢山。 GWに縦走した、南アルプスの名峰たちが、目の前にずらり。 塩見岳や蝙蝠岳、白峰三山、鳳凰もよく見える。 小笊ヶ岳の背後の富士山も、迫力。 苦労の甲斐があった!来てよかったねと喜び合うが、苦難はまだ先にあった。 笊ヶ岳からぐっと下った後の友引山への登り返しがキツい。 そして、その後沢に出るまでは、急降の連続。 上の方は固い雪の着いた急斜面で倒木も多いし、雪がなくなると唐松の落ち葉が滑りやすい。 さらに降りると、降り積もった落ち葉が深くてラッセル状態。 落ち葉の下が見えず、隠れた石で滑ってUさんが足首を捻ってしまったのは、標高1500m付近。 折れてはいなさそうで、何度かやったところらしく、自分でテーピングをしてなんとか歩けるとのこと。 先導しつつ後ろを確認しながらゆっくり降りていくが、沢まで下った時には薄暗くなっていた。 二人とも明日仕事で無断欠勤したくない、これが社会人のツライとこで、出来ればこの日のうちに下山することになった。 幸いテントはあり、無理そうなら最悪ビバークして、明るくなってから一人で電波のあるところまで降りて助けを呼ぼうと腹をくくり、先へ進む。 渡渉は緊張したが、なんとか渡渉点を見つけられた。 そこから沢沿いに降りていき、林道になる。 これで楽勝とならないのが、南アルプスの林道。 崩落箇所や、壊れかけの橋、凄く揺れる梯子や吊り橋とまだまだ続く障害物競走。 道がコンクリートになるとかなり歩きやすくなり、なんとか駐車場にたどり着いた時には本当にほっとした。 その後、帰りの運転で力尽き、家にたどり着いたのは午前5時だった、、、。 Uさんの足首は骨は大丈夫で、捻挫ということでした。 初冬の笹山~笊ヶ岳縦走。 思ったよりあった雪や崩落した林道、雪や倒木で分かりにくくなった道、そして終盤で落ち葉で隠れた石による同行者の負傷、、、中々の試練続きで、情報の少ない南アルプスのマイナールートをこの時期に歩くことの大変さを思い知りました。 しかし、笹山や笊ヶ岳山頂からの南アルプスの名峰たちの雄大さは感動的で、富士山もとても美しかったです。 特に笊ヶ岳山頂からの景色は、大変だっただけに格別。 雪を纏ったアルプスの山々はやっぱり素晴らしい、でも安全は忘れずに、改めて思った山行でした。 後になって気が付きましたか、私も友達も、これで山梨四天王踏破でした✨