04:06
7.5 km
615 m
大江山連峰・赤岩山で蛇紋岩の稜線を辿る☆
大江山連峰トレイル (京都)
2025年12月20日(土) 日帰り
今週は日曜日が休日出勤のため、前日の土曜日に休みを取って、久しぶりに大江山連峰を訪れました。 前回大江山連峰を訪れたのは、なんと8年半前の2017年6月。この時は大江山連峰西端の赤石ヶ岳から千丈ヶ嶽(大江山)〜鳩ヶ峰〜鍋塚を縦走しました。 https://yamap.com/activities/978410 当時はこれを大江山連峰の端から端までだと思っていたんですが、現在は鍋塚からさらに普甲峠〜茶屋ヶ成〜杉山〜宇野ヶ岳〜赤岩山までを、西端の赤石ヶ岳、東端の赤岩山の「赤」をとって、「赤赤縦走路」と呼ぶようです。 今回はその「赤赤縦走路」の東端、赤岩山から宇野ヶ岳〜杉山までを歩いてみようと思います。 今日のテーマは岩!この大江山連峰という山塊はとっても興味深い岩でできているんです。 千丈ヶ嶽だけは古生代の堆積岩層が割り込んでいますが、それ以外はたった一種類の岩でできている…国土交通省の地質図では「かんらん岩」と記され、地質調査総合センターの地質図では「かんらん岩及び蛇紋岩」と記された岩である。 ということは大江山連峰はかんらん岩の山!…という風に単純にはいかないもんなんですよねー(^_^;) というわけで、せっかくなので今日は大江山連峰の岩についてしっかり勉強することにいたしましょう! まずは気になるかんらん岩。 かんらん岩は深成岩に分類される、二酸化珪素が著しく乏しい超塩基性岩です。深成岩とはマグマが地中の奥深くでゆっくりと冷えてできる岩ですが、実はかんらん岩はマグマ由来の岩ではありません。かんらん岩の起源はマグマなんかよりもっともっと深く…地球内部にあるマントルが起源なんです。 マントルの主成分はかんらん石ですが、上部マントルの表層部分ではそれが固まって冷えてかんらん岩になっているわけです。その深い深い地球内部にある岩が、どのようにして地表に現れるのか? まず一つはマグマに捕獲されたかんらん岩が、マグマの上昇によって地表に現れたものです。そしてもう一つは海洋地殻などが大陸地殻に衝上し、地殻変動などにより地表に露出するようになったもの。大江山連峰はこの海洋地殻が造山運動によって地表に迫り上がってできた山塊です。 かんらん岩はマントルを構成する岩ですから、地球上で最も多い岩だと考えられています。ところが私たちがこの岩を目にすることは滅多にないんですね。その理由はそもそもかんらん岩が地球の奥深くにあり、地表面に現れることが少ないこと。それともう一つ…かんらん岩はとても変性しやすい岩で、水に触れると化学反応を起こして蛇紋岩に変わってしまうんですよ。これはかんらん石と水から、蛇紋石と磁鉄鉱が生成されるという化学反応なんですが、バリバリの文系である私には何が何だか…?(・・?) しかし地球の奥深くから地表面に至る過程で水に触れないなんてことはありえないことで…かんらん岩のほとんどは蛇紋岩として地表に現れるわけです。 そんな中、非常に珍しいかんらん岩の山に一度だけ登ったことがあります。それが愛媛県の東赤石山。この山も「赤」の山ですね。 東赤石山から八巻山へのルートは、赤茶けたかんらん岩の岩場を踏み越えて行く難度の高いルート。本来かんらん岩は緑色の岩なんですが、風化の影響で含まれる鉄分が酸化することで赤くなるんですね。 記憶の中のかんらん岩の印象は、「険しくて硬くて重い」です。フリクションはそれほど悪くはない。とにかく硬い岩だという記憶がすごく残っています。 https://yamap.com/activities/18986320 今回歩いたルートで私が目にした岩は全て蛇紋岩でした。しかし地質図に「かんらん岩及び蛇紋岩」とあるので、どこかの斜面には一部かんらん岩が残っているのかもしれませんし、かんらん岩から蛇紋岩のへの変性はグラデーションで起きますから、完全に蛇紋岩化していないかんらん岩が残っているのかもしれません。ですが一応ここでは、確認できた岩は全て蛇紋岩だとお伝えしておきます。 では蛇紋岩とはいかなる岩なのか?それを見ていくことにしましょう。 先ほども述べた通り、蛇紋岩はかんらん岩が水に触れることでできる変成岩です。かんらん岩が密度が高く、硬くて重い石なのに対し、蛇紋岩は密度が低くとても柔らかい石です。硬いもので叩くとすぐに傷がつきます。いや、爪で引っ掻いても傷がつくくらい柔らかい石です。 色は濃緑色や暗緑色。美しく磨き上げれば宝石にもなる。柔らかく脆いため風化の影響を受けやすく、表面が平滑になりやすい。また表面には脂肪光沢があり、含水鉱物を多く含む。微細な亀裂が多く水が浸透しやすいため、蛇紋岩帯は地表水に乏しく深い谷を形成しにくい。そのため蛇紋岩帯は総じて平坦でなだらかな地形になることが多い。 柔らかく脆い上に、滑石や水を含むと粘土状になる粘土質鉱物を多く含むため軟弱地盤になりやすく、蛇紋岩の地層は地滑り地帯になることが多い。土地開発においては最も厄介な地層の一つでもあります。 さあ、そろそろお気づきの方もおられるようですね!そう、蛇紋岩のキーワード…それは「滑る」です!柔らかくて脆くて滑る…それが蛇紋岩! この「滑る」は地盤や地層の問題だけではありません。もちろん足で踏んでも滑るんです。私たち登山者にとっても大問題なのです! かんらん岩の山は滅多にありませんが、蛇紋岩の山は多くはありませんけどそれほど珍しいということもない。私もいくつか蛇紋岩の山を歩いたことがあります。 例えば北アルプスの唐松岳。この山の中腹辺りは蛇紋岩帯なんですね。黒菱平までリフトで登ってご来光を眺めたんですが、黒菱リフトがご来光運行だったため、そこから先のグラートクワッドリフトの運行開始までかなり長い待ち時間があったんですよ。待っていても仕方ないので歩いて登っちゃえ!ってことで八方池山荘まで石の積み重なる狭い登山道を登ったんですが、朝露に濡れた石の滑るのなんのって!(>_<)八方山辺りまでは蛇紋岩帯です。ドライでも踏んだら滑る。北アルプスらしい花崗岩帯になるのはかなり標高が上がってからだったと記憶しています。 https://yamap.com/activities/26077840 近畿の山では、その秀麗な山容から紀州富士と呼ばれる和歌山県の龍門山が蛇紋岩の山でしたね。 事前情報無しで山に入って…登山口から平坦な登山道に露出する平滑な岩を踏んだらめちゃくちゃ滑る!蹴り出す足が空滑りするくらい滑るんですよ。うわ〜、これはもしかすると蛇紋岩?と思ってしゃがんで岩を観察して蛇紋岩を確信。ひとしきり登った先に、龍門山蛇紋岩の説明板があってやっぱりなと…(^_^;) この龍門山には「磁石岩」なる岩があるんですよ。近づくとコンパスが狂うんです。これは蛇紋岩が磁鉄鉱を含むからで、コンパスが狂うとなると登山をするにも厄介…ま、今はほとんどの人がGPSを利用してるから大丈夫かな? https://yamap.com/activities/29512587 それから伊勢の朝熊山も蛇紋岩の山です。この山も登山口から山に入ってすぐに、あまりにも岩が滑るのでそこはかとない違和感を感じました。この頃はまだ地質にそれほど精通していなかったので、この気持ちの悪い岩はなんだろうかと帰宅してから調べたんですよ。そうしたら蛇紋岩だった。 https://yamap.com/activities/24962936 ね、蛇紋岩はめちゃくちゃ滑るんですよ!ドライでも滑る。ウエットならなお滑る。気をつけなければならないのはフラットな登山道の露岩。岩場の斜面だと集中しますけど、フラットな登山道だと気が緩むでしょ?それに蛇紋岩は平滑になりやすいから、平らな露岩はあまり気にならない。そんな露岩を不用意に踏んだりしたら、いきなりヌルっ!と滑っておっとっと…ですよ。これが危ない。とにかく酷く空滑りするのでフラットでも気が抜けません。 なんて危ない危ないとかなりビビらせてしまいましたが、近郊の低山であればそれほど過敏になる必要もありません。しっかりと集中して、踏む場所と踏み込む方向さえ間違えなければ大丈夫です! 地質を勉強するとは岩を知ること。岩によって性質や特徴が全く違いますから、岩の特性に合わせて歩く時の意識を変える…「蛇紋岩は滑りやすい!」…それを頭の片隅に入れて歩くだけで、その安全性や危険度はかなり変わってくると思うのです。みなさんにはぜひ岩を勉強していただきたい。身を守るための勉強ではありますが、岩を知ることでその山の成り立ちを知ることもできる…岩はね、その山の歴史を刻み込んでいるんですよ。 岩を見て、その山の成り立ちを想像しながら山を歩く…それも山の楽しみ方の一つだと思うんです。 では最後にもうひとビビりさせておきましょう!「滑落事故が頻発する山の多くが蛇紋岩の山!」…これ、頭の片隅に入れておいてくださいね☆ 岩についてたっぷり語ったのでもう満足なんですが…(^_^;)それだけでは山レポとしては心許ないので、山についてほんの少しだけですがお伝えしておきます。 道中展望はほとんどありませんが、赤岩山山頂、宇野ヶ岳山頂からは素晴らしい景色を眺めることができます。北側ですね。日本海です。栗田湾、宮津湾…眼下に天橋立…丹後半島の山々…やっぱり日本海はいいなぁ!そう思わずにはいられない素晴らしい景色です。 それから赤岩山の由来にもなっている赤い岩…これは風化の影響で含まれる鉄分が酸化した蛇紋岩…つまりわかりやすく言えば「錆びた蛇紋岩」ですが、これは赤岩山、宇野ヶ岳の山頂付近でしか見られません。道中見られる蛇紋岩は本来の黒と緑が入り混じったような色のものばかりです。 岩と海を楽しむ山…赤岩山はめっちゃいい山です!蛇紋岩さえ注意すれば…(^_^;) で、最後の最後は結局ラーメンの話で締めくくります! 最初の予定では、下山したら舞鶴辺りで美味しい海鮮を…なんて考えていたんですよ。ところが稜線に吹き荒れる冷たい風に体の芯まで冷え切って…温かいものが食べたい!となったわけです。 温かいものと言えばラーメンでしょ!?というわけで、舞鶴市内にある「黄金らーめん大勝」を訪れました(^^) いただいたのは「黄金しゃぶしゃぶ」!これは煮干しベース(おそらく鶏ガラとのWスープ)の黄金スープのラーメンに、豚の薄切り肉をさっと茹でたもの…これもおそらくスープか何かにくぐらせているのでしょう…をどっさりとトッピングしたものです。つまりチャーシューではなく、"しゃぶしゃぶ"を乗せたラーメンなんです! 通常肉100gのところを倍の200gにして、麺を大盛りにして、さらに中ライスを合わせて注文。 着丼したラーメンはまずその肉の量に驚かされる。これは高知県産のブランド豚、四万十豚が使用されています。肉の柔らかさと脂の甘みとあっさりとした味わいに定評のある豚肉です。しかしこれを"しゃぶしゃぶ"と言えるのかどうかは賛否両論あるでしょうね。 しゃぶしゃぶ肉と言うよりは、小間切れ肉の薄切り…はっきり言って端肉で、脂身がとても多い。豚は脂!派の私のような人には問題ないのでしょうが、脂身は苦手!と言う方はおそらく食べられないかもしれない。 さっとゆがいた豚肉は脂身は多いもののさっぱりとしていて、脂の甘みも強く私にとってはとても美味しく感じました。端肉ですが四万十豚の底力が感じられます。 スープはあっさりとしつつも深い旨味。麺は細麺にしたんですが、加水高めでツルッとした喉越し。ちょっと伸びるのが早いかなぁ… ラーメンの方向性としては以前食べた兵庫県神河町にある余田屋さんの「銀の馬車道ラーメン」と近いものを感じました。銀の馬車道ラーメンは鶏塩スープでしたが、あっさりしつつ旨みがあり、さらに柚子を効かせてさっぱり感を醸し出しているところなんかはとてもよく似ています。黄金しゃぶしゃぶはしゃぶしゃぶ肉、銀の馬車道ラーメンは馬肉チャーシューと、トッピングに工夫を凝らしているところも共通点。 姿形は違えど、両店の店主が目指すラーメンの方向性は、きっと同じようなものなのかもしれません。 https://yamap.com/activities/42710554 さあ、いよいよ今年もあとわずか!次の日曜日が確定している年内最後の休み。今年の山もあと1回…でも天気が悪かったら今回の山行が2025年最後の山行になるかもしれません。 仕事が忙しいのはクリスマスまでかな?あとひと頑張り!年始の遠征計画も練らなきゃいけないのに、年末年始の休みのスケジュールが未だ全くわかりません!きっとドタバタしながら年を越すんだろーな…(^_^;) 2025年…最後まで私らしく全力で走り切るぞぉーっ!☆
