岡田山【ハロウィン開会宣言】
【短歌】 西瓜から 南瓜へ変わる グラデーション 急かすみたいに 夜風が吹いた 詠み手 青山 千映 (東京都 38) 【俵万智さんによる歌評】 なんて素敵な一首でしょう。 この歌の主役はなんといっても 「スイカからカボチャへ変わるグラデーション」 という上の句ですね。 「夏から秋へ」と硬く言わずに、 スイカ(夏)とカボチャ(秋)という具体的な素材を並べたのが実にお見事。 みずみずしい赤から温かいオレンジ色へ、 季節が混ざり合っていく様子を 「グラデーション」と言い切ったセンスに思わず拍手を送りたくなります。 そして千映(ちえ)さんらしさでいいますと、 「オレンジ」=「まさゆきさん」という ささやかな愛情表現もにじみ出ていますね。 そこへ、下の句の「急かすみたいに夜風が吹いた」が最高のスパイスとして効いています。 岡田山でののんびりした時間に、 ふっと紛れ込む秋の冷たさ。 それを「急かすみたい」と感じる詠み手の心のときめきや、 ちょっとした焦りまでがこの短いフレーズからあふれ出ています。 これが短歌の醍醐味なんですね。 季節の変わり目のワクワクをそっとポケットにしまい込んでおきたくなるような、 本当にみずみずしい傑作です。





