07:24
17.8 km
2293 m
鋸歯・小無間山・唐松谷の頭・中無間山(関ノ沢ノ頭)・大無間山
大無間山 (静岡)
2026年04月18日(土) 日帰り
今回の山行は南アルプス深南部の大無間山への挑戦。静岡県の登山グレーディングは6Eを誇る。二百名山には指定されているものの前述のグレーディングもありマニアックな山という位置付けにはなろうか。 実はこの大無間山、個人的には登山を始めてだいぶ序盤に知った山である。壮大そうでありながらも厳しく威圧感も感じるその山名に目を奪われた。しかし調べてみると「大崩落が危険」「かなりきついにも関わらず眺望がない」「ヒルが出る」「登山口までの道のりも大変」などネガティブな要素が多く見受けられた。しかし自身にとってはそれが逆により気持ちが高まる要素となり、この秘境感がその名に相応しくも感じ、常に自身の心の片隅に大無間山の存在があった。実際のところ山名の由来は井川の地域の訛りで眉間をむけんと呼ぶことから付けられた山名だとされといるようである。大無間山の手前に中無間山、小無間山とあるがピークを眉に例えてその稜線間の大きさを謳っているのだろうか。 ちょうど雪もほぼ無くなった頃だろうと判断し、ヒルの心配も薄いこの時期での挑戦となった。 丹沢以降ハードな登山はしていなかったが、この間にハーフマラソンの為のトレーニングを積んできたためどの程度やれるか確かめたいということもありより楽しみな気持ちで臨んだ。 当日。少し寝坊してしまい出遅れたが7時には登山開始できた。おそらく1人だろうと思ったが1台既に駐車車両があった。大無間山の登山者であることを期待する。初っ端から深南部らしい樹林帯スタート。杉が無数に立ち並ぶ杉林だ。序盤の序盤だけ歩きやすい斜度であったが少ししたら傾斜のきつい登りへと変わった。そしてそこから小無間小屋までひたすら登る。道がフラットになるボーナス区間はほぼ無くひたすら登る。しかも斜度もずっと険しめであるため序盤〜中盤だけで難易度の高さを感じた。小無間小屋到達。結構なしんどさであったがまだ中間点手前。先が思いやられる。ここからは上り下りを繰り返す稜線歩きになるが、アルプスの森林限界以上での大展望の稜線歩きとは180°違い樹林に覆われた短い距離での極端な上り下りが繰り返される。下りも上りも異常な斜度でかなりきつい。鋸歯到達。ちょうど2時間で到着した。ここから次のコルまで下ると本日の核心部。大無間山名物の大崩落地だ。両側の斜面が崩落により崩れ落ち、尾根上まで侵食しているナイフリッジだ。ロープを便りに進んでいくが歩く度砂が流れ落ちていく。七面山のナナイタガレを思い出した。何十年後には歩けなくなるなるほど崩れてしまうのだろうか。そこよりも驚愕したのが痩せ尾根を渡ったその先の登りだ。壁を登るかのような強烈な斜度だ。もし滑落でもしようものなら一巻の終わりか。ここの登りで後ろを振り返ると絶景の富士山を望むことができる。殆ど眺望の無い山だが富士見スポットがあって興奮した。鋸歯越しの富士は中々に趣がある。この急登を登りきると小無間山に至る。標高は2150mで何気に中無間山よりも高い。ピークっぽさも無い場所ではあるが三等三角点が設置されている。ここから大無間山までの稜線歩きにおいて、ようやくボーナス区間が所々で訪れる。苔生した平坦な樹林帯歩きが続き南アルプス感を味わいながら進む。小無間から少し行くと唐松谷の頭に到達する。そこも崩落により視界が開ける箇所がありそこでついに大無間山が堂々と姿を現す。何度も写真で見た構図の大無間山が目の前に現れ心が躍る。そこから中無間を経て大無間へ至る訳だが中無間〜大無間間の稜線歩きが1番心地よかった。途中1箇所だけ高木が無く視界が開けているところがありそこから南アルプスの主稜が眺望できる。主に見えてるのは赤石・聖・上河内・光といったところか。随分と雪が少なくなっており夏山シーズンに向けての期待が高まった。雪は殆ど無かったが大無間山山頂への最後の登りでまとまった積雪が登場。ズボズボハマりはしたがくるぶし上程度かつ大した距離では無いのでそのまま乗り切った。この積雪ゾーンにて男性と女性の二人組に出会った。駐車場にあった車の方々らしい。道を譲っていただき、先に山頂到達。スタートからちょうど4時間。眺望は無いが相当にキツかった道のりだっただけに万感の思いだ。大無間山山頂に一等三角点が設置されており、南アルプスで甲斐駒ヶ岳・赤石岳・黒法師岳とここの4箇所のみだ。記念撮影を済ませると先程のお二人も到着し、いろいろと会話をさせていただいた。深南部をよく登られているそうでコアな登山者さんなのであろう。南アルプス好きな自身としても嬉しい出会いであった。深南部好きは山を愛する良い方だと勝手に決めつけている。大無間山も3回目とのことで素直に凄いと感じた。鳥倉から南アルプス主稜をテント泊で大縦走したお話などを聞かせていただき僅かながら楽しい時間を過ごした。7時から登っていると話したところ「凄いね」とお褒めいただいたが自身からすれば大量の荷物を背負ってテントで2泊も3泊もする方が凄いなと思う。自分もいずれは挑戦したいが今はまだなんとかトレーニングすれば体が応えてくれる年齢であるためこのワンデイ山行で行けるところまでチャレンジしてみたい。山頂で30分程日向ぼっこしながら休憩し爆速下山。とは言え小無間〜小無間小屋までは上り下りが急すぎて中々速度を上げられず、登り返しにヒーヒー言いながら14時半無事下山。 はっきり言ってめちゃくちゃキツかった。グレーディング6Eとのことだが6Dの黒戸尾根より全然キツい。 これで深田久弥氏が南アルプスで百名山に入れたかった3座(大無間山・笊ヶ岳・七面山)を踏破したが七面山は別として他の2つは入れなくて正解だと思う。他の南アルプスの百名山と比較したらマニアックすぎてそれらを差し置いてというには些か疑問が残るだろう。しかし入れたかったという気持ちには激しく同感だ。これらの山は真に山好きな人達に愛されれば充分では無かろうか。笊も大無間も個人的百名山には絶対に入れたいと思う、そんな山であった。と、まだ大して色んな山を登ったことのないにわかがほざいて本日の山行記録を締めくくる。
