08:20
17.4 km
1372 m
登り納めはロッキーチャック
経ヶ岳・坊主岳 (長野)
2025.12.28(日) 日帰り
ショートカットのためや好奇心を満たすために、ルートのない場所を歩くことがある。そういう話をすると、知人たちは口々に「…てことは、けもの道とか歩いちゃうってこと?」とバカにする。 「うん…まあ…そうだよねぇ…」とあいまいに応えながらも、心の中でこう思うのだ。 「いやいや。けもの道が歩ければめちゃラッキーなんだけど。」 明らかに正規(?)の登山道ではない。が、林業の方々や鉄塔監視員のいわゆる「仕事道」でもない。踏み跡があるわけでもない。なのに、何となく(ときにははっきりと)道であることがわかる。それがつまり「けもの道」であろう。 笹をかき分け、枝をつかみ、労力ばかり多く一向に進まない場所を歩いていて、ふとこういう「道」に出会うと、大げさでなく歓喜に胸がふるえるのだ。 自然と感謝の念がわく。「ありがとう。あなたたちの道を歩かせてもらうね。」と思う。 その、「けもの」たちの存在をはっきり感じることができるのが、雪道であろう。新雪のみちを歩くとき、まるで先導してくれるように彼らの足跡が点々と続いていると、心がほっと温かくなる。 不特定多数ではなく。一匹のキツネや一頭のシカがここを歩いていたという、さりげなく、しかし確かな実感がわいてくる。 人間の作った道を動物たちが歩く。動物たちの歩き慣わしたわだちを人間が踏む。そんな共有感に浸れるのは、冬山を歩く特権ではあるまいか。 経ヶ岳は中央アルプスの北端の2300m峰で、以前、仲仙寺という東側の古刹から登ったことがあります🎵。そこが唯一の登山道と思っていたのですが、最近、南側の鞍部、権兵衛峠からの登山道が復活したらしく、そこから取り付く方々もいらっしゃるとのことでした😲。 頂上からの展望は望めないそうですが、手前の小ピークからは南・北アルプスから御嶽、八ヶ岳も見えるとのこと😍。今年一年を振り返るには絶好のロケーションに違いなく、天候もよさそうなので、出かけることにいたしました。 中央道は駒ヶ根ICで降りて北上、R361に入るのです🛣。長い権兵衛トンネルを抜けてすぐの小道をUターン気味に進むと、あっという間に山道です🎶。 本来ならば峠まで行ける地元道なのですが、12月から冬季通行止めということで、5分も行かないうちに頑丈な鉄柵に阻まれます😱。邪魔にならぬ路肩に駐車して、出発です❗ 峠まで2kmほどの雪氷ロードですが、途中にショートカットがあります。入り口にちゃんと道標もあるのですが、これは自然と化す寸前の笹道😅。まあそれもそのはず、普段なら峠までは車だし、雪の季節にわざわざこのルートから登る人もそうはいないでしょう。荒れていくのも道理であります😔。 さて、登り始めからうっすら雪は付いているものの、つぼ足で充分❄。高度差もさほどなく快適でございます😃。 峠からも経ヶ岳まで6km近くあるので、雪道でどこまで行けるか、時間との勝負というとこはありますね~🤔。 やがて登山道の右側に、材木を運ぶためらしきレールが現れます。ここから傾斜は急になりますが、ジグザグに道が刻んであるので、ペースを崩さずに行けるのです✌ 最初のピークは「アンテナピーク」。とはいえYAMAPの表記では「松ノ木平」です。電波塔があるので、地元のみの通称でしょうね😌。 峠から少し登ったあたりからすでに眼下には伊那谷、お向かいには南アルプスがきれいに並んでいましたが、このアンテナピークを過ぎると、反対側にも御嶽が神がかった美しさで登場してきます✨✨。次第に雪質もサラサラに輝き始め、笹に混じって針葉樹が見られるように🎶。 この辺りで私をびびらせたのは、熊の足跡であります😱😱。すぐに樹間に消えていったものの、自分と同じくらいはありそうな巨大さにおののきながら先を急ぐのでした😅。 お次のピークは、北沢山。こちらは周囲に木々もなく、解放感たっぷり。展望は最高です😍。ここからは基本的に見晴らしのよい稜線歩きです🎶。常に左側には御嶽の威容に接しながら、コイノコを目指します☝ ほんの20分ほどで、コイノコ到着😃。確かに!の絶品展望であります✨。 御嶽から目を右に移すと、乗鞍岳が負けじと白銀の麗峰っぷりなのです。さらにぐるりと見てゆくと、おおう!奥穂やら…その向こうにちょこんと槍の穂先も😆。 さて、THERMOSのホットティーとクロワッサンで一息ついたら、ゴールの経ヶ岳へのラストスパートであります👊。時に12:40…。暗くなる前に舗装路には戻りたいものです。先を急ぎましょう💨。 ここからはシカさんの足跡がエスコートしてくれました🦌。…が、等高線を見て予想はしていたものの、このラストの登りはなかなかハードでありました😖。まあまあの斜度で、軽アイゼンを履きつつ、今年初の雪山に息は上がります😵。 14:00過ぎ。 息も絶え絶えの中年おっさんを出迎えてくれた経ヶ岳ピーク😃。 御嶽&乗鞍&槍穂からちょっと間を空けたお隣に、お椀型が二つ。蓼科山と浅間山ですねぇ☺ 残念ながら木々に隠れていますが、その先には、八ヶ岳連峰が並んでいるはずなのです🎵。仲仙寺側に少し降りてみると、予想通り大迫力の赤岳たちの大展望でありました😍 さらに首をぐるりと回せば、 南アルプスの面々。振り向いてみれば、目の前の山並み越しの中央アルプス。ピークからの展望はないという事前情報は、嬉しくも裏切られたのでした😂。 さてさて。復路も長いので、何とか明るいうちに、せめて道路までは行きたいものなのです🤔。「雪山の帰りは異様に速い」という我がジンクスを信じて、高速下山を目指しましょう👊。 降り始めると、正面には気持ちのよい幅広の尾根が続いています。正面には南アの山並みが並んでいるのでした。その手前には伊那谷が、落ち着いたたたずまい😌。自分自身のトレースを踏みながらどんどん高度を下げていくのであります🚶 コイノコにてしばし休憩。日も傾きかけて、早く降りなくてはならないのですが、年の瀬に何となくほっとするひとときで、なかなか腰が上がらないのでありました😌。 落ち着いた夕刻の光の中で、雪を冠した北アや槍穂が、そこだけ輝いています✨。御嶽はすでに逆光で、その巨大な黒い山塊が眼前にそびえているのでした。 ん? その乗鞍と槍穂の間に見えるのは…? 白山でした! 行きには気づきませんでしたが、まことにここからは全てが見えるのですね😃。 20分足らずで北沢山に戻れました。今日一日誰にも会わず、この中央アルプスの一角を独り占めにできたことに感謝しつつ、残りの道行きを急ぎます🏃。 日没迫る16:30。アンテナピーク。今年のラストを目の前に、ジグザグの尾根を駈け降ります🏃。 目標としていた17:00まで2・3分を残して、権兵衛峠に立てました🌟。 ここまで来たなら後はロードを2kmで愛車です。もう日暮れの残光は消えようとしているのですが、ヘッデンを出すのが無粋な気がして、このまま暗闇の中を歩きたい気持ちです😌。 ふと、気づくのです。 真っ暗じゃない。 目の前に自分の影が見えるのです。日の暮れた一年の終わりをともに歩くもう一人の私。 どうして? 思わず見上げた空に半月の空。 乱視気味の眼に、ゆがんだ半分だけの月。しかしながら、自分の行く先を照らすには充分の灯り🌓。 まもなく、今年もいろんな所に連れていってくれた、20万kmを超えた我が愛車の待つカーブにたどり着くはずです。 動物たちにかわるがわるエスコートしてもらったような気分に浸れた一日であった。 幼い頃見たアニメのオープニングが浮かんでくる。 「ロッキーチャック」という、おそらくさほど話題になることはない作品だ。たまに何となく見てはいたが、特にお気に入りだったわけでもなく、内容もまったく覚えていない。 ただ、そのOPのクオリティだけが記憶に残っているのだ。颯爽と響き渡る前奏のトランペットや、曲の半ばでおもむろに登場するタイトルバック。その中で何よりも忘れられないのは、森の動物たちが寄り添って楽しそうに歩いていくシーンだ。 雪道を歩いて小さな動物たちの足跡を見つけると、今でも時折ふんわりとその映像が浮かんでくる。 年の終わりに、一年大きな災禍もなく過ごせたことに感謝しながら、今年初の雪道を「森の仲間たち」に導かれながら最高のコンディションで歩かせてもらえた幸せに浸ることができた。