忘れ物を取りに来ました。 昨年剣山を訪れたものの、キレンゲショウマにうつつを抜かしていたら、それまでのピーカンがまさかの大荒れ。次郎岌は、あっという間にガス埋没。 次郎岌が見たくて悪路運転を頑張ったマ子様に、どんだけブチブチ言われたことか。 今回はマ子の怨念を晴らすべく、目指すはピーカンの次郎岌のみ。 さて山行です。 前日早めに到着、車中泊。しかし締め切った車内は熱地獄。暑がりの茶は、ほとんど眠れず。やっとうつらうつらしたかと思うと非情にも2時40分セットのアラームが鳴る。睡眠不足で朦朧としていたのか、ザックを背負って、ベルトをしめて、さあ行こう!と言ったら、マ子に「靴履いてないよ!」と指摘される。あら、足元サンダルだった。 そんなこんなで出遅れを取り戻すべく、急いで歩く。 夜明け前のマジックアワー。素晴らしい景色に後ろ髪を引かれながら、写真もそこそこに山頂へ!(時間ないよ!と何度もマ子に怒られるがつい撮ってしまう。) 途中のテン場から元気いっぱいのテン泊組が華麗に抜いていく中、ヨレヨレと歩きながら、なんとか間に合った! 山頂からの御来光及び、徐々に日に照らされる次郎岌は圧巻。大満足。 そしてマ子念願の次郎岌へ。 このところの殺人的高気圧にガッツリ覆われ、さしもの気難しい剣山・次郎岌もガスすら蒸発したか。いやガスどころか、暑すぎて人間BBQ。 しかし、最初から最後まで雲ひとつない奇跡の青空山行に、命の洗濯をしたのだった。 --------------------------------------- (総括) ・前泊のため、20時ごろ到着の際の駐車場の混み具合は、30%程度。しかし下山してみたら、満車120%。路駐もかなり下まで相当台数。 ・車中泊前に立ち寄った「秘境の湯」が最高だった件。あんまりお湯がぬるぬるなので、石鹸を洗い流し忘れたかと焦ったほど。念入りに顔も洗ったので茶の美人度15%アップ(当社比)また行きたい温泉。 ・剣山頂の超きれいな最新式バイオトイレは、紙の持ち帰りをお願いされているため、個室に入る前はビニール袋を持参のこと。 ・晴れの次郎岌は最高だ!
刀掛けの松到着。 急ぎ過ぎて水も飲む暇なし。なんだか頭がフワフワする。 しかし、日の出のタイミングに間に合わせるために、さらに山頂を目指して! 走る走る俺たち!流れる汗もそのままに!
剣山頂展望所側到着。
間に合ったぞー!
お、お、お。キター!
オレンジに染まる美しい夜明け。
実は行きの道中、高速走りながら、まだ朝駆けするかリフト登山するかで揉めていた。
結果このご来光。
見れてよかった。
重なり連なる山並が美しい~。
おまんら、これが次郎岌の夜明けぜよ。
マ子様キメポーズ① 絶景のスペクタクルはあっという間に終了したが、頑張った甲斐はあった。 さんざんご来光を撮って大満足。
警戒していたほど寒くなかったが、風はこんな感じ。防寒のためのウェア類を余分に持ってきたせいで、ザックが重かった。
頬をなぶる強風が山頂到達の喜びを盛り上げる。モンベルサーマラップジャケット着用で、心地よい温度。
山頂での調理は無理そう。(しかし想定内) 剣山山頂ヒュッテのあたりで朝食にするため若干の移動。
おおー。絶景じゃなー。
天の声:「アーサー王よ。それなるは聖剣エクスカリバー。汝の剣をとれ。」 茶:「え、ちょちょ、なんの話?」
茶:「これのこと?別にいいけど。抜けばいいのね?」 スパーン!
茶:「これって、エクスカリバーってシリーズ名だっけ?そんなのAmazonの説明には書いてなかったけどなあ。」 ※VICTORINOXスイスアーミー1です。めっちゃ切れる!
天の声:「おお!やはり抜き放ったか!そなたこそ、まさに正統なる聖剣の継承者!いまこそ…」 茶:「ちょっと今から朝メシ準備するんで、もういいですか?」 天の声:「…あ。ハ、ハイすいません。」
剣山山頂って、何があるか分からないから(暴風でバーナー吹っ飛ばされるとか暴風で皿ひっくり返るとか、暴風で寒すぎてタヒぬとか)、あらかじめ家でキッシュ焼いてきた。それをメスティンで温める。
キッシュって、松尾貴史とちゃうで。それキッチュな。
キッシュって、おフランス料理なんやて。ま、要するに具が入ってる卵焼きや。 パンもクロワッサン。焼かんでも食えるし、バターも塗らんでいいし。手間がかからん。 じゃが、キッシュにクロワッサンなんて、ちょっとおフランス風が鼻についてイヤミじゃったかな。
どうせなら、コーヒーもカフェオレにすれば良かったか。いうなれば【俺のフレンチ 】よ。
山頂ヒュッテまで下りると、風はほとんどない。極寒の中での朝食も覚悟していたので、まるで天国。 ほんの数メートルの差なのに。
ポカポカと陽だまりの中で、のどか~。コーヒー飲みながらほっと一息。ヒュッテ前は、小さなお花畑になっている。
ヒュッテのスタッフの方が忙しそうな作業の合間に、気さくに声をかけてくれる。ここで一円も使ってないやつらに、優しい言葉が勿体ない。今度是非泊まりにきたいです。
さ、そろそろ例のやつを片付けに行こう。
次郎岌だ。 ヨッシャ行きますか。 次郎さんまでは、いきなりかなりの下りである。
ランスロットことマ子キメポーズ② 下って下って。たくさん下って ホッとして振り返ると、後方もスゲー!\( °ω° )/ 前絶景、後ろ絶景。
それはいいが、日差しがジリジリと照りつけ、我慢できないほど暑い!しかし吹き上げてくる風の冷たさとミックスされて丁度良い。 登山道の左側の日当たりの良い側はむっとする熱を感じるが、右側は冷房のようなヒンヤリ風。ほんの一歩分の幅で天国と、地獄のような体感の差。不思議~。
やっと次郎岌の頂きが見えてきた。割愛してるがここまで猛暑の中、急登もあって結構しんどい!ヒッヒッフー、ヒッヒッフーと呼吸も荒く、ウッカリなんか産んでしまいそう。
一輪だけで咲くお花。しばしの癒し。
つ、つ、ついたあ。次郎岌だあー!
喜びの舞♪
次郎岌頂上風景。絶景である。 ザックを下ろして休憩。 二人ともエネルギーを使い果たして、かなりヘロヘロ。 少し奥まで歩いてみたが、この先は急角度の坂。この世の果てみたいじゃ。 と思っていたら、この後登ってこられたベテランぽいご夫婦が、目の前を通り過ぎそのまま、サクサクの足取りでさらに奥に消えていく。「ウソッ、どこ行くの?」唖然とする茶とマ子。 きっとキツネかタヌキじゃろう。 見なかったことに。
さて、戻ろう。カンカン照りの中、戻る道もヒーヒーハーハー。
お知り合いのご婦人から勧められたトラバースと水場とは、こっちのことかな。今日は行ってみる元気なし。次は三嶺に行きたいな。
二度見展望所。昨年は真っ白で、何も見えなかった。 さようなら、次郎岌。名残惜しい。
次は一応押さえのキレンゲショウマ。樹林帯が嬉しい。涼しいとまではいかないが、イタタの陽を遮ってくれるだけでありがたい。
イヨフウロの可憐な群生。今日はゆっくりお花を撮る余裕もなかった。
モミジガサ群生。
鹿よけネットの隙間からレンズを無理やりねじ込んで撮影。 「吐息でネット♪」(by南野陽子) 懐かしい歌を歌いながら、激写するも、風でぶるんぶるん揺れていて、構図もクソもない。
見ごろを過ぎたギンバイソウ。可憐ではあるが、終わりを迎えたアイドルの一抹の侘しさを湛えている。 「なんじゃと?終わってるじゃと?おまんら許さんぜよ!」
群生キレンゲさん。去年は、あんなにキャアキャア言ったのに、すっかりクール。残りのキレンゲさんはパスして早々に切り上げ、下山に入る。
しかし!ここにも、鹿よけネットごしにミニお花畑がある。むしろこっちが好みなんだけど~!ガッツリ食いついて激写!ネットの目が小さすぎてレンズ差し込めずネットの網目が写り込む。「邪魔だわネット♪」
白いのと紫のと♡
緑に同化するマ子。しかし、キレンゲショウマ食わなくても、鹿が食べられそうな草、他にいーーーっぱいあるが。なんで鹿はキレンゲショウマ食べるんかのう?やっぱり美味しいんかのう?
リフト駅まで下ってきた。山頂ヒュッテが小さく見える。 さらば剣よ。 そそり立つ俺のエクスカリバー。
下山はまさかのリフト。 ガッツリ登山ルックの下山リフトは他にいなさそうでちょっと恥ずかしい。でも足元のお花畑もかわいいかったし、高度感もありで、なかなか楽しかった。
おしまい